保護者の相談

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通信制高校卒業後の現実: 5つの引きこもり予防を考える

こんにちは、一般社団法人不登校・引きこもり予防協会代表の杉浦孝宣と申します。私たちの協会は38年前から、ミッションとして「子どもたちが規則正しい生活をし、自信を持ち、自律し、社会に貢献する未来を実現します」と掲げ、1万人以上の子供たちの不登校や引きこもり問題を、3つのステップ:

- 規則正しい生活をする
- 自律して自信をつける
- 社会貢献をする

これらのステップで解決してきました。私たちの取り組みの成功率は9割以上と、高い実績を持っています。この経験と知識は、「不登校ひきこもりの9割は治せる」「不登校ひきこもり急増」、そして「高校中退 不登校でも引きこもりでもやり直せる」の3冊の著書にまとめられており、光文社と宝島社から出版されています。お悩みの保護者の方々に、これらの著書や「88%の引きこもり高校生も変われる! 将来の成功10事例」というブログ記事を参考にしていただければ幸いです。今回のブログでは、「通信制高校卒業したけど、不登校、引きこもり傾向が治らない」「予備校にも行かない」等の相談例を交えながら、通信制高校卒業後の現実: 5つの引きこもり予防を考えます。

通信制高校の現状

通信制高校は近年、注目を集める教育制度となっています。2021年度の最新のデータに基づいて、通信制高校の現状について詳しく探ることができます。

生徒数の増加

文部科学省の2021年度学校基本調査によれば、通信制高校生徒数は前年度から1万1,480人増加し、合計21万8,428人となりました。昨年度は1948年度の学校基本調査始まって以来、初めて20万人を超えました。しかし、今年度はそれを上回る増加が見られました。

公立と私立の動向

公立の通信制高校生徒数は前年度に比べて1,547人減少し、53,880人となりました。これに対し、私立の通信制高校生徒数は13,027人増加して164,548人となり、16万人を超えるのは史上初となりました。これにより、公立と私立の生徒数の比率は、25%対75%となっています。

高校生全体に占める通信制高校生の割合も拡大しており、全体の6.8%、つまり高校生15人に1人が通信制高校生という状況となっています。特に私立の高校生を見ると、私立通信制高校生が全体の14.1%を占めており、私立高校生7人に1人が私立通信制高校生であることが分かります。

学校数の変動

学校数の面でも変動が見られます。前年度と比べて、全体で3校増加して260校となっています。この中で、公立校は1校減少し、私立校は4校新設されました。具体的には、新たに設立されたのはS高校、土浦日本大学高校通信制課程(茨城県)、ワオ高校(岡山県)、穴吹学園高校(香川県)の4校です。

以上のデータを見る限り、通信制高校へのニーズは増加傾向にあり、特に私立の通信制高校が注目を浴びていることが分かります。今後もこの動向は続くと予測されますが、それに伴う課題やニーズへの対応も求められるでしょう。

ネット系通信制高校:N高等学校の概要とメリット・デメリット

N高等学校の概要

N高等学校は、学校法人角川ドワンゴ学園が運営する、日本最大の生徒数を誇る通信制高校です。この高校は、全日制高校と同じ高校卒業資格を取得することができるのが特徴です。さらに、多岐にわたるカリキュラムを通じて、生徒たちに自由な発想や思考、そして問題解決に主体的に取り組む力を培うことを目指しています。

メリット

1.豊富なカリキュラム:N高等学校のカリキュラムは多岐にわたり、一般的な教科だけでなく、最新の技術や文化、芸術に関するものまで網羅しています。
2.柔軟な学習環境:通信制であるため、生徒は自分のペースで学習することができます。場所や時間に縛られず、効率的に学びたい内容を選択できる。
3.独自のサポート体制:オンラインの授業やメンタリング制度を通じて、生徒一人ひとりのニーズに応じた学習サポートが受けられる。
4.先進的な教育手法:情報技術を駆使した教育方法を採用しており、時代のニーズに応じた最新の知識やスキルを身につけることができる。

デメリット

1. 対面授業の少なさ:通信制高校の特性上、対面の授業や生徒間のコミュニケーションが限られる場面が多い。これにより、対人スキルの習得やグループ活動の経験が不足する可能性がある。
2. 自己管理能力が求められる:自分のペースで学習するため、計画性や自己管理能力が必要とされる。これが不得意な生徒には難しい場面も生じる可能性がある。
3. 学費:私立学校であるため、学費が公立学校に比べて高い

N高等学校はその特性上、多くのメリットを持つ一方で、生徒の性格やニーズ、家庭の経済状況などによってはデメリットと感じる部分もあるかもしれません。そのため、入学を考える際には、しっかりと情報収集を行い、自分自身や家族との相談を重ねることが大切です。

ネット系通信制に通った結果、不登校・引きこもりが悪化したW君の実例

W君はネットコースを提供する通信制高校に入学しました。彼にとって、このシステムは自宅での学習が可能という大きな魅力があったのです。しかし、逆にそれが昼夜逆転の生活や、さらなる引きこもりを招く結果となり、約8ヶ月間彼は外の世界との接触を避ける生活を送っていました。

ネットコースは多くの生徒にとって便利で魅力的な選択肢ですが、W君のように、それが不登校や引きこもりの悪化を引き起こすリスクも持っていることが明らかとなりました。彼との面談を通して、彼自身が抱えていた悩みや背景、そして全日制の高校での経験、通信制高校への移行後の体験など、彼のリアルな声を直接聞くことができました。

この話し合いを通じて、W君は自らの状況を客観的に捉え直すことができ、解決の糸口を見つけることができました。その後、私が設立した通信制高校サポート校に入学。学生寮での生活を始め、日常的に学校に通う環境が整えられました。彼の変化は劇的で、早稲田大学進学を目指すなど、再び前向きな人生を歩むようになりました。さらに彼は、防衛大学の一次試験に合格。面接では残念ながら不合格となりましたが、高校卒業後、自衛隊でのキャリアをスタートさせました。

彼自身が通った日々の困難やそれを乗り越えた経緯、そして今後の希望について語った動画インタビューや、不登校生の保護者を対象としたPTAだよりでの記事が公開されています。彼の経験が、他の生徒やその保護者にとっての参考や励みとなることを願っています。

[W君の動画インタビューはこちら]
[不登校保護者会でのPTAだよりはこちら](

このW君の事例から、通信制高校を選ぶ際の注意点や、それを取り巻く環境の大切さ、そして適切なサポートの重要性を改めて感じることができます。

過去の相談例から学ぶ

過去には多くの家庭が不登校や進学に関する悩みで当会に相談を持ちかけてきました。以下に挙げたケースはその一部ですが、それぞれのケースが示すように、不登校や進学の問題は一般的なものではなく、個別の背景や状況によって異なるものとして扱われるべきです。

1. 浪人中の無気力な青年

昼夜逆転し、ほぼ自宅に籠もる生活。ゲームや動画を見ることが日常となり、共通テストへの参加を断念。無気力や絶望感が強く見られ、暴力的ではないものの、将来に対する無目的さが心配される。

2. 不登校歴がある大学受験生

中学時代に2年間不登校。転校や教育支援センターを経て高校を卒業。大学受験を目指すものの、予備校に不登校気味。家族とともに進路について悩む日々を過ごしている。

3. 役者志望の若者

高校2年のときに1年間不登校を経験。転校後に卒業は果たすものの、役者を目指すと口にするだけで実際の行動は見られず、部屋に引きこもる日々を過ごす。親への依存度が高い。

4. 進路未定の18歳

高校は卒業しているものの、今後の進路については未定。親の望む道として予備校への進学が考えられている。

これらのケースは一部に過ぎませんが、それぞれの背景や状況を理解し、適切な対応やサポートが必要です。特に当会は20歳までの支援を主に行っているため、それを超える年齢の相談者には対応が難しい場合もあります。

それでは、高校卒業後、社会に貢献する人材に育て上げるためには?

1. 個別のニーズを理解する

各生徒の背景や状況を理解し、個別のサポートが必要です。一律のアプローチではなく、生徒一人ひとりのニーズに合わせた指導やサポートを考えることが大切です。

2. キャリア教育の強化

将来の進路やキャリアに関する教育を強化し、生徒自身が自分の将来像を描く手助けをする。

3. メンタルサポート

不登校や進学の問題には、多くの場合、メンタルの問題が関連しています。専門家と連携し、心のケアやサポートを提供する。

4. 実社会との接点の提供

実際のアルバイト体験や社会人との交流の場を提供し、社会に出ることの意義や楽しさを感じる機会を増やす。

5. 親や家族のサポート

生徒だけでなく、家族や親も同時にサポートすることで、家庭環境の改善や理解を深めることができます。

適切なサポートや教育を提供することで、高校卒業後も社会に貢献する人材として活躍することが期待されます。

結び

我々は、未来の社会を担う若者たちの可能性を信じています。過去の相談例を振り返ることで、彼らが抱える課題や悩みが多様であることを改めて感じると同時に、その一人一人の未来が明るく希望に満ちていることを強く望んでいます。

適切な支援と愛情深いガイダンスがあれば、彼らは社会に貢献する立派な人材として成長することができるでしょう。私たちはその過程をサポートし、彼らの成長を見守る役割を担っており、これからも変わらぬ情熱でその活動を続けて参ります。

若者たちの夢や希望が、社会全体の輝かしい未来を築く原動力となることを確信しています。

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