目次
私は一般社団法人不登校・引きこもり予防協会の代表、杉浦孝宣です。不登校や引きこもりという問題に対峙し、
「子どもたちが規則正しい生活をし、自信を持ち、自律し、社会に貢献する未来を実現します」というミッションのもと、1万人以上の子どもたちをサポートしてきました。
このブログ「夏休み明けの危機を乗り越える 引きこもり中学生のための不登校対策」では、その経験と知見をもとに、3つの重要なステップをご紹介します。
規則正しい生活をする 不登校合宿、学生寮、海外留学を通して生活習慣を整えます。
自律して自信をつける 学び直しを通じて学習に対する自信を育みます。
社会貢献をする 職に就くことを最終目標に、アルバイトやインターンを体験させます
これらの取り組みは、成功率9割以上という結果に結びつき、NHKおはよう日本で紹介されるなど、多くのメディアでも取り上げられています。
また、これらの経験と知見は、
「高校中退 不登校引きこもりでもやり直せるという3冊の著書にまとめられ、光文社と宝島社から出版されています。
お悩みの皆さん、不登校や引きこもりに直面しているすべての方々へ、これらの著書や「中学生の引きこもりに悩む親必見!成功事例から学ぶ対処法12選」のブログ記事、
そして成功事例が満載のリンク集を参考にしていただきたいと思います。私たちと一緒に、お子様が抱える問題を解決し、希望に満ちた未来へと一歩を踏み出しましょう。希望は、必ずあります。
また、このテーマについてさらに深く知りたい方は、FC今治高等学校里山校 岡田武史学園長(元サッカー日本代表監督)からの要請で行われた講演会動画を是非、御試聴下さい
長い休みがあると、ろくな事にはならない
不登校と夏休みの関連性について考えるとき、
「長い休みがあると、ろくな事にはならない」という声はよく耳にします。
実際、私自身も経験者としてその感覚はよくわかります。夏休みという長い休暇は、生活リズムを大きく狂わせる要因となりがちです。
朝寝坊が日常化し、夜更かしをしてしまうと、身体の時計はすっかり夏休みモードに。そうなると、学校が再開したときにそのリズムを戻すのは、なかなか大変な作業になるんですよね。
二学期が始まると、夏休みの自由な生活から一転、学校の厳しいスケジュールに戻らなければなりません。この急な変化が、子どもたちにとって大きなストレスとなり、
場合によっては学校に行けなくなる原因にもなってしまいます。これは今も昔も変わらない現実です。
しかし、ここで重要なのは、この問題をただ嘆くだけでなく、どうにかして解決策を見つけることです。生活リズムを整える工夫や、休みの間も適度に学習を続ける習慣をつけること、
そして何よりも、子どもたちが学校に戻りたいと思えるようなポジティブな環境を作ることが大切です。
夏休みの終わりには、少しずつ生活リズムを学校モードに戻していく準備をしておくといいでしょう。
それと同時に、子どもたちが学校生活に期待を持てるよう、楽しい学校行事や友達との再会を前向きに話題にすることも効果的です。
不登校は、多くの場合、生活リズムの乱れだけでなく、学校に対する不安やストレスが積み重なって起こるもの。
だからこそ、心と体の両面からアプローチし、子どもたちが健やかに学校生活を送れるよう、私たち大人がしっかりサポートする必要があります。
夏休みの長い休みを、不登校につながらないためのチャンスととらえ、賢く利用しましょう。
不登校に悩む保護者が夏休み中にできる対応方法
不登校に悩むお子さんを持つ親御さんが夏休み中にできる対応方法は、実はとてもシンプルなことから始まります。
子どもたちが健康的な生活リズムを保つことが、不登校予防には非常に重要なのです。
まずは、規則正しい生活の励行。これは、夏休み中でも変わらない日常のリズムを保つことです。特に起床時間と就寝時間は、一定に保つよう心がけましょう。
夏休みといえども、朝は一緒に起きて、家族で朝食を取るようにするといいですね。夜もあまり遅くならないうちにベッドに入る習慣をつけることで、
自然と体内時計が整い、学校が始まったときのリズムへの適応がスムーズになります。
次に、3食きちんと取ること。栄養バランスの良い食事を摂ることで、体力を保ち、精神的な安定も促します。
夏休みは外食が多くなりがちですが、できるだけ家で手作りの食事を心がけると、子どもたちも安心します。食事の時間は、家族がコミュニケーションを取る大切な時。
会話を楽しみながら、親子の絆を深めるチャンスとしても最適です。
そして、自然体験が味わえる家族旅行を計画するのもお勧めです。自然の中での活動は、子どもたちの心にとってリフレッシュとなり、新しい発見や経験を通して、自己肯定感を育てます。
親子での体験は、共有する思い出となり、信頼関係を築く絶好の機会。
旅行中は、お子さんが自由に過ごせる時間を持たせることも忘れずに。
これによって、お子さんは自己決定のスキルを育て、自信を深めることができるでしょう。
これらの取り組みを通じて、お子さんが心身ともにバランスの取れた状態で新学期を迎えることができるように、親御さんが積極的にサポートをしていくことが大切です。
夏休みを有意義に過ごし、不登校という課題に立ち向かっていきましょう。
不登校〜引きこもりステージ判定表
不登校や引きこもりの問題に直面する家族は、その状況を理解し、対処するために、子どもの状態を「ステージ」として捉えることが有効です。
この分類に基づき、各ステージに応じた具体的なサポートの提供方法をご紹介します
家族の皆さんが一丸となって、この課題に取り組むことの重要性を強調します。
ステージ1 不登校の初期段階
不登校期間 1日~60日
対応 親子間のコミュニケーションを重視し、子どもの話をじっくりと聞きます。
生活リズムの乱れが見られない限り、まずは家庭内での安定を図ります。食事は3食しっかりと取るようにし、規則正しい生活習慣を支援します。
ステージ2 不登校が続く場合
不登校期間 61日~180日
対応 親子間のコミュニケーションは保ちつつ、生活リズムの乱れに注意を払います。
この段階で学校や専門家との相談を始めることをお勧めします。
食事に関しても、バランスの取れたものを心掛けましょう。
ステージ3 長期不登校から引きこもりに
不登校期間 181日~
対応 この段階では、第三者の介入が必要になる場合が多いです。
生活リズムの乱れを正し、食事の管理も含めて外部の専門家の助けを借りることが有効です。
ステージ4 引きこもりが顕著に
特徴 自室に閉じこもりがちで、親子間のコミュニケーションが極めて困難に。
対応 専門のカウンセリングやカウンセラーの支援を積極的に求めます。
家族内での対応だけでなく、外部の支援を活用して、子どもが社会に復帰できるようなプランを立てます。
ステージ5 長期化した引きこもり
特徴 20歳を超えて引きこもりが続いており、社会復帰が困難。
対応 この段階での支援はより専門的なものが求められます。社会復帰支援プログラムや、成人向けの支援施設の活用を検討します。
家族もサポートを受けることが重要です。
不登校や引きこもりを経験する子ども達とその家族にとって、一人で抱え込む必要はありません。
各ステージに応じた適切な支援と、家族や周囲の理解があれば、困難な状況を乗り越えることが可能です。
大切なのは、子どもと向き合い、一歩ずつ前に進むことです。
不登校期間 |
親子間のコミュニケーション |
生活リズム |
食事 |
|
ステージ 1 |
1日~60日 |
△ |
△ |
〇 |
ステージ 2 |
61日~180日 |
△ |
× |
△ |
ステージ 3 |
181日~ |
× |
× |
△ |
ステージ 4 |
年単位 |
× |
× |
× |
ステージ 5 |
年齢20歳以上 |
× |
× |
× |
「様々な要因の結果として社会的参加(義務教育を含む就学,非常勤職を含む就労,家庭外 での交遊など)を回避し,
原則的には6ヵ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状 態(他者と交わらない形での外出をしていてもよい)を指す現象概念」と定義」厚生労働省サイトより
不登校の問題に対する「よくある質問と回答」
不登校〜引きこもりステージ判定表でステージ3以上は引きこもりです。当会を含め、専門家に早急に依頼する事をお勧めします
不登校の問題に対する「よくある質問と回答」をご紹介します。
親御さんや子どもたちから寄せられる疑問に、明確に答える
ことで、不安を少しでも解消し、前向きな一歩を踏み出す助けになればと思います。
Q1 子どもが不登校になってしまった場合、親としてどのように接するのが最適ですか?
A1 まずは、子どもの話をじっくりと聞き、その気持ちを理解しようとすることが大切です。決して責めたり、無理に登校を促したりしないでください。
子どもが安心して心を開ける環境を作り、一緒に問題解決に向けて取り組む姿勢を見せることが重要です。
Q2 学校を休んでいる間、子どもにはどのような活動をさせるべきですか?
A2 学校以外での経験も大切です。興味のある分野を探求させたり、趣味やスポーツなど、子どもが楽しめる活動を見つけ、それを通じて自己肯定感を高めることができます。
また、日常生活のリズムを整えるために、家庭でのルーティンを一緒に作り上げるのも良いでしょう。
Q3 不登校の子どもにどのように勉強を進めさせればいいですか?
A3 子どもが学習に対してストレスを感じていないか、まずは確認しましょう。無理をせず、子どものペースで進めることが大切です。
自宅学習のサポートをする際には、興味を持ちやすい教材選びや、学習の進捗を一緒に確認しながら、励ますことが効果的です。
Q4 不登校の子どもが友達との関わりを持たなくなったら、どう促せばいいですか?
A4 強制的に交流を促すのではなく、子どもが自然と人と関わりたくなるような環境を作ることが大切です。
例えば、興味のある活動を通じて同年代の子と触れ合う機会を持たせるなど、無理のない範囲で接点を持たせてあげましょう。
Q5 夏休みに入ると子どもが引きこもりがちですが、どう対応すればいいですか?
A5 夏休みの間もある程度の日課を設け、規則正しい生活を心がけさせることが重要です。
また、家族でアウトドアに出かけたり、趣味の活動を共有するなどして、自然と外に出るきっかけを作りましょう。
ただし、子どもの意志を尊重し、無理強いはしないことです。
不登校の問題は一つ一つが複雑で、家庭によって異なる対応が求められる場合もあります。
しかし、子どもの声に耳を傾け、理解と支援を示すことが、どの家庭においても変わらない大切な第一歩です。共に歩むことで、一つひとつの問題を解決していきましょう
引きこもり中学生が勉強で大逆転!成功実例12選を大公開
当会で取り組んだ不登校や引きこもりの解決事例を12選ご紹介します。
Y子さんの事例
中学2年から不登校になり、その後10年間引きこもりました。24歳で当会に相談し、学び直しとアルバイトを始めました。27歳で通信制高校を卒業し、
短大で保育士資格を取得、現在は公務員です。
カイト君の事例
中学1年で不登校になり、7ヶ月間の支援後、フリースクールに通い、通信制高校を卒業。現在は公務員です。
カズキ君の事例
中高一貫校に入学後、成績不振と家庭内暴力で自主退学。通信制高校に転校し、区役所で公務員として活躍中です。
リョウタ君の事例
夏休み明けから不登校に。親の食事を拒否し、ゲームに没頭。通信制高校に転校し、航空自衛隊入隊。
タツマ君の事例
中1から不登校に。全寮制高校に進学後、引きこもりを経験。フリースクール通学後、通信制高校を卒業し、難関大学を経て公務員に。
佐藤渉太君の事例
スポーツ推薦で私立高校に進学も挫折。通信制高校に転校し、友達作りに成功。現在は大学で農業を学んでいます。
シュン君の事例
高校1年で不登校に。親とのコミュニケーション断絶、昼夜逆転生活。通信制高校に転校後、生活改善を経て看護系大学に進学。
W君の事例
通信制高校のネットコースに在籍中、引きこもりに。フリースクールに通い、早稲田大学を目指し、現在は自衛隊で活躍中。
エイタ君の事例
中1から徐々に不登校に。フリースクールで生徒会会長になり、カナダ留学を経験。現在は動画編集会社を運営しています。
G君の事例
高校生で不登校に。ゲームに没頭し、家族とのコミュニケーション困難。フリースクールを経て美大合格、現在は後輩に美術を教えています。
ヨッシーの事例
中学時代の不登校、高校でのいじめを経験。フリースクールでの学び直しを経て、青山学院大学に進学し、大手IT企業に就職。ブログ
N君の事例
中学3年で不登校宣言、その後、2年間、引きこもり。通信制高校への進学を決断し、現在は週5日通学中。カナダ留学も経験しました。
これらの事例は、不登校や引きこもりが一時的な問題であること、適切なサポートと環境があれば乗り越えられることを示しています。当会では、このような多くの子どもたちの未来を明るく照らすサポートを続けています。
夏休み明けの危機を乗り越える 引きこもり中学生のための不登校対策
不登校の問題は、子どもたちが心身の「SOS」を発しているサインかもしれません。夏休み明けの不登校は、決して珍しいことではありませんが、親御さんがどのように対応するかが鍵となります。
今日ご紹介した内容をまとめて、不登校に直面している家庭に対するアクションプランを提案します。
生活リズムの維持
夏休み中でも、起床時間と就寝時間を一定に保つようにしましょう。規則正しい生活は、子どもたちの体内時計を整え、学校生活への移行をスムーズにします。
バランスの良い食生活
3食をきちんと取ることで、子どもたちの体力を維持し、精神の安定にもつながります。家族での食事の時間を大切にし、コミュニケーションを図りましょう。
コミュニケーションの重視
子どもたちの話を真摯に聞き、共感し、一緒に解決策を考えることで、信頼関係を築きます。
自然体験の提供
自然の中で過ごす時間は、子どもたちにとって貴重な体験です。家族旅行やアウトドア活動を通じて、自己肯定感を高め、親子関係を深めましょう。
学習のサポート
勉強へのプレッシャーをかけずに、子どもが興味を持てる教材や学習方法を見つけ、一緒に学習の楽しさを発見しましょう。
社会との繋がり
友達や他者との関係性を維持するために、子どもが興味を持つ活動を通じて、自然と人と関わる機会を作ることが重要です。
これらのポイントを踏まえつつ、子ども一人ひとりのペースを大切にし、無理強いせずにサポートしていきましょう。
そして何より、不登校という状況を一つのチャレンジととらえ、子どもたちが成長し、 学校生活に戻れるように共に歩むことが大切です。
不登校は心身の「SOS」です。このサインを見逃さずに、愛情を持って寄り添い、子どもたちが抱える問題を一緒に乗り越えていけるよう、サポートしていきましょう。