不登校・引きこもりはいつ支援が必要?ステージ1〜5で判断する目安

「この状態は、いったいいつ終わるのだろう…」
「このまま何年も続いてしまうのではないか…」

不登校や引きこもりの相談で、保護者の方が口にされる言葉の多くは、「いつ終わるのか分からない不安」です。

はじめまして。一般社団法人 不登校引きこもり予防協会 代表理事の杉浦孝宣です。
私は40年以上、不登校・高校中退・引きこもりの支援に関わり、これまで1万人以上のご家庭と伴走してきました。

最初に、結論をお伝えします。
不登校・引きこもりは「いつ終わるか」より先に、「今どの段階で、何をするか」で終わり方が決まります。

原因探しに疲れてしまった方ほど、この記事は役に立ちます。
当協会が使っている不登校・引きこもりステージ判定1〜5で状態を可視化し、家庭でできる行動ステップと、支援が必要になる判断の目安を、できるだけ分かりやすく整理します。

読み終えたとき、あなたの中に「次に何をすればいいか」が残るように書きました。焦らなくて大丈夫です。ひとつずつ確認していきましょう。

目次

不登校・引きこもりは「いつ終わる」?終わる家庭と長期化する家庭の違い

「いつ終わるのか」と聞かれたとき、私は期間の断言はしません。理由は簡単で、期間を決めるのは“気合い”ではなく、段階に合った対応ができているかだからです。

ただ、現場で見ていてはっきりしているのは、回復するご家庭には共通点があります。

終わる家庭の共通点

  • 状態(段階)を見誤らない:今の段階に合った関わり方を選べている
  • 家庭の方針が“言葉”で共有されている:曖昧な「見守る」ではなく、やることが決まっている
  • 生活リズムの回復を最優先に置ける:勉強・進路より先に土台を整える
  • 親が孤立しない:相談相手や伴走者がいる(家族・支援・第三者)

長期化する家庭の共通点

  • 原因探しが続き、“今日の行動”が決まらない
  • 「刺激しないように」と思いながら、実際は放置に近い見守りになる
  • 親の対応がバラバラで、子どもが家庭の中で迷子になる
  • 生活が崩れても、戻すきっかけがなく昼夜逆転が固定化する

つまり、「いつ終わるのか」は運ではありません。
段階を見て、段階に合った手を打てば、終わりに向かう――これが現場の結論です。

支援が必要かどうかは「ステージ判定1〜5」で判断できる

当協会では、不登校・引きこもりを「一括り」にしません。
理由は簡単で、段階が違えば、声かけも、目標も、支援の強さも変わるからです。

まずは、全体像を表で見てください。
「うちの子はどこに当てはまるか」を、ざっくりでいいので掴みましょう。

ステージ主な状態(目安)家庭での優先課題支援の必要度
ステージ1行き渋り/欠席が増え始めた/朝がつらい安心の確保・原因追及を止める・小さな成功体験まずは家庭対応で十分(迷うなら早め相談)
ステージ2欠席が続く/登校刺激で悪化しやすい/家では会話あり生活リズムの立て直し・家庭方針の統一・孤立防止親のコーチングが入ると回復が早い
ステージ3不登校が長期化(数か月〜)/昼夜逆転/ゲーム・動画中心第三者介入の検討・外出のきっかけ・家庭の空気の修復支援推奨(家庭だけだと停滞しやすい)
ステージ4引きこもり傾向が強い/部屋中心/親子関係が硬直家庭訪問など“動く支援”・生活改善・小さな社会接点支援必須レベル(早いほど選択肢が広い)
ステージ5半年以上の強い引きこもり/会話なし・外出なし/二次障害リスク専門的な伴走・安全設計・段階的な再起動(訪問/合宿/寮等)支援が必要(家族だけで抱えない)

ここで大事なポイントはひとつです。
ステージが上がるほど、「家庭の頑張り」だけで突破するのが難しくなるという現実です。

だからこそ、ステージ3以降で「いつ終わるのか」と悩み始めたら、私はこう言います。
“悩みの時間”を“行動の時間”に変えましょう。

ステージ別|家庭でできる行動ステップ(今すぐ版)

この章は、読むだけで終わらせないために書きます。
大きなことは不要です。家庭でできる「次の一手」だけ持ち帰ってください。

ステージ1|行き渋り・欠席が増え始めた段階

ポイント:ここは“勝負どころ”です。早期に土台を整えると、長期化を避けられるケースが多い。

  • NG:理由の追及・説教・「甘えるな」
  • OK:「休んでいい。まず体を整えよう」→安心の言語化
  • 家庭タスク:起床・食事・入浴の“最低ライン”だけ固定(完璧を狙わない)
  • 親の行動:担任・学校との連絡窓口を一本化し、家庭の方針を共有

この段階で「いつ終わるのか」と不安が出るのは自然です。
ただし、ここで原因探しに深く入りすぎると、家庭が疲弊して次の段階へ進みやすくなります。

ステージ2|欠席が続くが、家では会話が残っている段階

ポイント:親の対応がズレると、一気にステージ3へ移行します。逆に、家庭の方針が揃うと回復が加速します。

  • 家庭会議(短く):父母で「今月は生活リズム最優先」と合意
  • 会話の型:「どうしたい?」より「今日は何ならできそう?」
  • 小目標:朝のカーテン開け、昼食を一緒に、散歩5分など“達成できる”ものだけ
  • 親の孤立対策:相談先を確保(親が折れると方針が崩れる)

ステージ2で「いつ終わるのか」が強くなるご家庭は、たいてい親の中に迷いがあります。
迷いを放置しない。ここが重要です。

ステージ3|長期化+昼夜逆転+ゲーム・動画中心の段階

ポイント:家庭だけで“膠着”しやすい段階です。親は頑張っているのに動かない。ここで自責が強まります。

  • 最優先:睡眠の戻し方を「一気に」ではなく「段階的」に設計
  • 声かけ:「今すぐ変われ」ではなく「一緒に調整しよう」
  • 外出の入口:コンビニ・郵便・散歩など“目的付き”にする
  • 第三者:親子だけの関係に風穴を開ける(支援者・訪問・ピアなど)

この段階で「いつ終わるのか」と悩むなら、私ははっきり言います。
“家庭の努力不足”ではなく、“段階が変わったサイン”です。
支援を検討していいタイミングに入っています。

ステージ4|引きこもり傾向が強い段階(部屋中心・関係硬直)

ポイント:「声かけすればするほど悪化する」「何を言っても無反応」になりやすい。ここで家庭が消耗しきります。

  • 必要なのは“説得”ではなく“再起動”:生活・関係・外部接点を同時に整える
  • 家庭の役割:境界線(ルール)を静かに整える/感情でぶつからない
  • 推奨:家庭訪問・生活改善合宿・寮など、現場型の支援を選択肢に入れる

ステージ4以降は、「親の愛情」だけで突破するのが難しくなります。
だからこそ、家族だけで抱えない。ここが回復の条件です。

ステージ5|半年以上の強い引きこもり(会話なし・外出なし)の段階

ポイント:二次障害(抑うつ、不安、対人恐怖、自己否定など)のリスクが上がりやすく、家庭内の緊張も高まりがちです。

  • 最初に守ること:安全(家庭内の衝突・暴力の芽・追い込みを防ぐ)
  • 次にやること:段階的な接触設計(訪問→短時間→外出→集団/合宿など)
  • 親の役割:責めない・急がせない・ただし放置しない(方針を持つ)

「いつ終わるのか」という問いは、この段階では特に切実です。
ただ、終わらせるために必要なのは、奇跡ではありません。
段階に合った支援設計です。

支援が必要になる“判断の目安”|迷ったらここを見てください

ここは、保護者の方が一番知りたいところだと思います。
当協会の現場感覚で、できるだけ具体的に「目安」をまとめます。

いますぐ相談した方がいいサイン(チェック)

  • 不登校が3か月を超えて固定化している
  • 昼夜逆転が続き、家庭で戻すきっかけが作れない
  • 家族との会話が減り、部屋中心になってきた
  • 親が対応に疲れ、イライラ・無力感が強い
  • 暴言・物に当たる・家庭内の緊張が高い
  • 進路の話が出るだけで悪化し、話し合いが成立しない

これらに当てはまるほど、ステージは3〜5に近づきます。
そして、ステージ3以降は「親の頑張りだけ」では停滞しやすい。これが現実です。

逆に言えば、ここで相談できれば選択肢が広い
「もう少し様子を見てから…」が半年、1年と伸びてしまう前に、区切りを作ってください。

当協会の強み|“段階の可視化”から「家庭の行動」まで落とし込む

不登校・引きこもりの情報はたくさんあります。学校の紹介、制度の説明、原因の解説…どれも役に立つ面はあります。

ただ、保護者の現実はこうです。

「で、うちは今日、何をすればいいの?」

当協会が大切にしているのは、まさにここです。
ステージ判定1〜5で“現在地”を明確にし、家庭でできる行動を設計する。
そして必要に応じて、オンラインだけでなく現場で動く支援までつなげる。

7つの支援マップ(当協会の支援導線)

  • STEP1|ステージ判定1〜5(現状の可視化)
  • STEP2|親のためのコーチング(関係修復・対応法習得)
  • STEP3|家庭訪問支援(信頼関係の再構築)
  • STEP4|生活改善合宿・学生寮(リズム回復と自立基盤)
  • STEP5|学び直し(通信制高校・フリースクール等)
  • STEP6|アルバイト・インターン(社会接点の再獲得)
  • STEP7|社会貢献・自律支援(進学・就労・地域活動)

「見守る」だけで時間が過ぎてしまったご家庭ほど、ここが効きます。
親の学び(コーチング)+子の行動(訪問・合宿・寮)を両輪で回すから、停滞が崩れます。

回復は“いきなり学校”ではない|再出発の現実的なルート

保護者の方が苦しくなるのは、「学校に戻せなかったら終わり」と感じてしまうときです。
でも、現実は違います。

不登校のゴールは“登校”ではなく、“社会復帰”です。
そして社会復帰には、いくつものルートがあります。

  • 生活リズムの回復 → 家庭内で役割が持てる
  • 外出・対人の再開 → 小さな成功体験を積む
  • 学び直し(通信制・サポート校等) → 進路の選択肢を確保
  • アルバイト・インターン → 社会接点を取り戻す

「いつ終わるのか」という問いは、ゴールが一つに見えているほど強くなります。
ゴールを「社会復帰」に置き直し、ルートを複数持つだけで、家庭の空気が変わります。

成功事例から分かること|「長期でも、段階を踏めば動き出す」

当協会では、長期の引きこもりから再出発した事例を多数公開しています。
「うちだけが特別に難しいのでは…」と感じる方ほど、ぜひ目を通してください。

中高生の引きこもりに悩む親必見!成功事例から学ぶ対処法16選
https://yoboukyoukai.com/seikou14/

たとえば、長期の引きこもりから公務員として再出発したケース、家庭訪問をきっかけに動き出したケース、生活改善合宿や寮を経て自立したケースなど、“段階に合わせた支援設計”が共通しています。

まとめ|「いつ終わるのか」は、段階が分かれば「次に何をするか」に変わる

最後に、この記事の要点を短くまとめます。

  • 不登校・引きこもりは、段階によって対応が変わる
  • 「いつ終わるのか」と悩むほど、ステージ判定で現在地を可視化することが重要
  • ステージ3以降は、家庭の努力だけで停滞しやすい。支援を検討して良いタイミング
  • ゴールは登校だけではない。社会復帰のルートは複数ある

もし今あなたが、「もう限界かも」「このまま何年も続いたら…」と感じているなら、責めないでください。
その感覚は、あなたが真剣に向き合ってきた証拠です。

そして、ここが大事です。
動けなくなってからではなく、迷いが出た“今”が、いちばん選択肢が多い。

無料相談

「うちはステージいくつですか?」
「家庭でまず何を整えればいいですか?」
そんな確認だけでも構いません。状況を整理するだけで、次の一手が見えることがあります。

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一般社団法人 不登校引きこもり予防協会
代表理事 杉浦孝宣


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