
40年以上の指導歴と不登校・ひきこもりの
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はじめに|「高校生がバイトに13回落ちた」と聞いてどう感じますか?
高校生がバイトに13回も落ちる——そんな現実が目の前にあったとしたら、あなたはどう感じるでしょうか?
「そんなに落ちたら心が折れる」「もうあきらめるはず」——多くの保護者がそう考えるかもしれません。
でも、ここで諦めずに挑戦し続けた1人の高校生がいます。
今回ご紹介するK君は、高校1年生のときに不登校となり、その後、完全な引きこもりに。家庭内では暴言や暴力もあり、母親との関係も悪化していました。社会から孤立し、自室でゲームをする日々が続きました。
しかし、支援ステップと家庭の関わりによって、K君は少しずつ変わっていきました。やがて通信制高校に転校し、学生寮で自律した生活を送りながら、ついにバイトにも挑戦。実に13回の不採用を経て、「松屋」で初めてのアルバイトに合格したのです。
引きこもり高校生の解決の証しは、実は“アルバイト”にあるのです。
これは高校生に限った話ではありません。引きこもり全般に共通する、大きな自立の一歩でもあります。
私、杉浦孝宣のもとにも、毎日のようにこんなご相談が寄せられます。
「うちの子、通信制高校は卒業したんですが、今は昼夜逆転でゲームばかり。『アルバイトでもしたら?』と言っても『やるやる』と言うだけで、応募の電話もメールもしないんです…」
このような声に応え、私たちは「ただ見守る」だけではなく、段階的に外に出る支援——家庭訪問や親へのコーチング、居場所づくり、そしてバイトへの挑戦——を行ってきました。
このブログでは、「引きこもり」「高校生」「バイト」という3つのキーワードを軸に、K君の実話を通して「支援によって人生が変わる」その過程と、家庭でできる関わり方のヒントを深掘りします。
「うちの子には無理かも…」と思った方こそ、どうぞ最後までご覧ください。きっと希望の光が見えてきます。
中学時代まで、K君はごく普通の生活を送っていました。
小学生のころは友達ともよく遊び、中学では部活や勉強にも取り組み、成績も上位をキープしていました。
しかし、高校受験で第一志望だった都立高校に不合格となり、私立高校に進学。
ここから、K君の「見えないストレス」が静かに積み重なっていきます。
入学当初こそ前向きな様子を見せていたK君ですが、授業には集中できず、友達もできず、気がつけば昼休みもひとりで過ごすようになりました。
「なんとなく合わない」「ここにいていいのか分からない」──そんな不安が、彼の中で広がっていったのです。
親には「学校どうだった?」と聞かれても、「別に」「普通」としか答えない。
徐々に、母親との会話は減り、無言や不機嫌な態度が目立つようになりました。
そしてある日、K君はついに学校へ行けなくなりました。
「今日は休む」と一言だけ。
翌日も、次の日も…気づけば1週間、1か月と不登校が続き、夏休み前には完全な引きこもり状態になってしまったのです。
引きこもりが長引くと、K君の情緒はさらに不安定になっていきました。
些細なことに腹を立て、母親に向かって暴言を吐いたり、物を壊したりする日もありました。
母親が注意しようとすると「うるせえ!」「死ね!」と怒鳴り、自室にこもってスマホやゲームに没頭。
ついには部屋のドアを塞ぎ、家族が近づけない状況に…。
母親は「息子がどんどん壊れていくようで怖い」と語りました。
家族としてどう接すればよいのか、何が正解なのか、まったく分からなくなってしまったのです。
K君の母は、インターネットで“引きこもり支援”を検索し、私たちの協会にたどり着きました。
「このままでは息子は一生外に出られなくなる」──そんな危機感から、すぐに無料相談を予約。
初回の面談では、**「息子の行動の背景に、親として何ができるか?」**を一緒に整理しました。
K君は典型的な「ステージ3(強い拒否と暴言、生活逆転)」の状態。
そのため、段階的な関わりと、家庭環境の“変化”が必要と判断し、「7つの支援ステップ」の2と3を軸に支援を開始します。
この章ではK君が引きこもりになってしまった経緯と、その背景にあった“見えないSOS”を見てきました。
次章では、具体的にどのような支援ステップでK君が変わっていったのか、そのプロセスを追っていきます。
焦りや不安の中でも前進するヒントを、ぜひご覧ください。
K君が引きこもりから回復するまでには、家庭の対応と支援の“順番”が非常に大きな意味を持ちました。
私たちが提唱する「7つの支援ステップ」は、まさにその“順番”を形にした支援モデルです。
K君のケースでは、ステップ2の「親のコーチング」から始まり、ステップ3の「家庭訪問支援」、さらにステップ4の「学生寮での生活」へと、段階的にステップを進めたことが、変化のカギとなりました。
K君のご家庭では、引きこもりが始まってから、母親がつい毎日のように口出しをしてしまっていました。
「学校行かなくていいの?」「このままで将来どうするの?」といった言葉は、親にとっては心配の表れですが、K君にとっては「責められている」「理解されない」という感覚になっていたのです。
そこで私たちは、母親に**「言いたいことの7割カット」**というコミュニケーション技術を伝えました。
余計な口出しを控え、子どもに“余白”を与えることが目的です。
一方で父親には、「ここぞという時は、はっきり短く伝える」ことをお願いしました。
例えば、「お前が大事だ。何か力になりたいと思ってる」「今は動けなくても、一緒に考えていこう」というような、肯定と方向性を示す言葉です。
この親の関わり方の変化が、K君にとって「家が少し安心できる場所」へと変わる第一歩となりました。
K君は、完全に自室にこもりきり、昼夜逆転し、リビングにさえ出てこない状態が続いていました。
親との会話も暴言混じりで、「この子はもう外に出られないのでは」とご両親も限界を感じていたのです。
そんな中で始まったのが、支援員による家庭訪問でした。
最初はドア越しの声かけや、好きなゲームの話題からスタートし、2回目、3回目と徐々に対面で会話ができるようになっていきました。
そして4回目の訪問では、大きな転機はお父さんがK君を東京・水道橋のサポート校の教室につれてきてくれました。
最寄り駅からの移動も含めて、電車に乗ることすら半年以上ぶり。
けれど、外に出た彼の顔には、ほんの少しだけど笑顔が戻っていました。
この経験が、K君に「外の世界って思っていたより怖くない」「やってみたらできることもある」という小さな自己肯定感を芽生えさせたのです。
水道橋の訪問以降、K君は徐々に外出の頻度を増やし、ついには通信制高校のサポート校への転校を決断します。
同時に、次のステップとして選んだのが、学生寮での生活でした。
寮での生活は、まさに“自律のトレーニング”。
起床時間、食事の管理、他者との共同生活、最低限のルールを守ることなど、自宅では得られなかった経験を積むことになります。
このステップが、K君にとって「社会の中で自分はやっていけるかもしれない」という感覚を育む舞台となりました。
もちろん最初は戸惑いや緊張もありましたが、スタッフの見守りや、同年代との関わりを通じて、彼の表情にも徐々に落ち着きと自信が戻ってきたのです。
K君の変化は、突然やってきたものではありません。
支援の“正しい順番”と、家族と支援者の並走があったからこそ、少しずつ実現していったのです。
・親が子どもを追い詰めず、「安心」を与える
・支援者が家庭の中に入り、「社会」との橋渡しをする
・そして本人自身が、「自分で決める」という経験を積む
これらが有機的につながったとき、引きこもりの状態は確実に動き出します。
K君が通信制高校への転校と学生寮での生活をスタートさせたのは、高校1年の冬のことでした。環境が変わったとはいえ、すぐにすべてが順調にいくわけではありませんでした。とくに「アルバイトをする」というステップは、彼にとって想像以上の壁となったのです。
多くの引きこもり経験者に共通するのは、「社会と関わること」への恐れです。
特にアルバイトは、初対面の大人と話す・指示に従う・時間を守る・働いて報酬をもらうという“社会的責任”を伴う行動です。
K君にとっては、学校に行くよりもハードルが高く感じられていたかもしれません。
実際、K君は最初の面接から数えて13回連続で不採用になりました。
・履歴書の書き方が分からない
・面接でうまく話せない
・過去の空白期間を聞かれて動揺する
・不安が前面に出てしまい、自信のない受け答えになる
これらの経験が重なり、普通であれば「もう無理だ」と諦めてしまうところです。
しかし、K君は違いました。
K君が13回もの不採用を経験しながらも挑戦を続けられたのには、大きく3つの理由があります。
K君のそばには、学生寮のスタッフや支援者が常にいました。
不採用のたびに、「残念だったね。でも、今回は何がうまくいかなかったと思う?」と一緒に振り返る時間を設けたのです。
その中で、面接の練習や想定質問の準備、履歴書の添削など、具体的なサポートが行われました。
学生寮での生活を通じて、「起きられた」「洗濯できた」「人と会話できた」といった、小さな成功体験が積み重なっていきました。
この土台があったからこそ、「バイトも、もしかしたらできるかも」と思えたのです。
K君自身、学生寮での生活をするうちに、「親に頼りきりじゃいけない」「お金を自分で稼いでみたい」という気持ちが芽生え始めていました。
これは外から強制されたものではなく、内側から生まれた意欲でした。
この“動機”こそが、諦めずに挑戦を続けられた最大の理由と言えるでしょう。
14回目の面接。K君はついに、都内の「松屋」で採用されます。
初出勤の日は緊張で手が震えていたといいます。
しかし、制服に着替え、厨房に立ち、声を出して注文を受けるK君の姿には、これまでにはなかった自信と誇りがにじんでいました。
現在もK君は、その店舗でアルバイトを続けています。
出勤前に身だしなみを整え、時間を守り、仲間と協力しながら業務をこなす日々。
まさに“社会復帰の第一歩”を、自らの力で踏み出したのです。
K君の回復の裏には、ご両親の大きな変化がありました。不登校や引きこもりにおいて「親の関わり方」は、子どもの状態を左右する大きな要因になります。
私たちはK君の家庭においても、「まず親が変わることが、子どもの変化の出発点になる」と伝え、伴走してきました。
K君の母親は、当初「なぜ学校に行かないの?」「将来どうするつもりなの?」と、繰り返し問いかけていました。これは決して責めたいわけではなく、心配と不安から出た言葉です。
しかし、K君にとってそれは「責められている」「わかってもらえない」という感覚につながり、結果として暴言や無視、時には家庭内暴力という形で反発が生じていたのです。
そこで私たちは、母親に「言いたいことの7割カット」を提案。子どもを変えようとする前に、まず空気を変える。「黙って見守る」のではなく、「余計な刺激を与えない」支援です。
この変化によって、K君の家庭内での緊張感は徐々に緩み、次第にリビングでの会話や、一緒に食事をする時間が戻ってきました。
一方でK君の父親は、「何を言っても響かない」と、少し距離をとっていた時期もありました。
しかし私たちは、「ここぞという時に短く、力強い言葉を伝えることが重要です」とアドバイスしました。
「お前は大切だ」「一緒に乗り越えていこう」——このようなシンプルでまっすぐな言葉は、思春期の子どもにとって心に残る“支え”となります。
特に、K君が東京・水道橋のサポート校へ初めて来た日の出来事。実はこの日、K君を連れてきたのは父親でした。
無言のドライブ、必要以上の会話をしない静かな時間。しかし、その存在と行動が、K君に「信頼されている」「支えられている」と実感させたのです。
子どもが引きこもり状態にあるとき、家庭は時に“戦場”のようになってしまいます。
怒り、失望、不安、無力感……それぞれが交錯する中で、家族関係は壊れていきます。
しかし、家族が「この子は変われる」「私たちも変わろう」と覚悟を決めたとき、家庭はもう一度、“安心できる居場所”へと再生します。
私たちは何度も、「子どもよりも先に、大人が変わることができる」と伝えてきました。
なぜなら、子どもが“信頼できる相手”として親を見たとき、初めて自分の心を開くからです。
K君のご両親は、それを実践されました。だからこそ、K君は変わることができたのです。
そして——このブログの主人公である高校1年生のK君保護者は、当協会でK君への対応をコーチング。
同時に、家庭訪問を通じて外出の練習を開始しました。
完全引きこもり状態から5ヶ月後、K君は当協会が提携する通信制高校サポート校に転校し、さらに学生寮に入寮。
ご両親の「何とかしたい」という想いと、支援チームの継続的な関わりが、彼の心の扉を少しずつ開いていきました。
「いまこの子に必要なのは、焦らせることでも、言い聞かせることでもない」——
ご両親の“本気の覚悟”と、支援チームの粘り強い関わりが、少しずつ彼の心の扉を開いていったのです。
変化は一夜には起こりません。でも、確実に“動き出す瞬間”があります。
その芽を見逃さず、そっと育てていくことこそが、私たちが大切にしている支援の在り方です。
さらに、K君は2025年7月19日、当協会主催の講演会で、支援を受けた経験について堂々と発表しました。
それは、かつて笑顔を失い、すべてを拒絶していた彼が、他者に向けて自らの言葉で語れるまでになった——そんな再出発の証でもありました。
日本では、未だに多くの場面で「不登校や引きこもりは様子を見ましょう」と言われることが少なくありません。
スクールカウンセラーは月に数回しか来校せず、担任の先生も多忙を極め、個別対応はどうしても後回し。
結果として、家庭は孤立し、子どもは長期にわたって社会との接点を失っていきます。
K君のような高校生は、決して“特別な存在”ではありません。
引きこもり状態になり、家庭内暴力や暴言が見られ、保護者も八方ふさがりになる——
そんなご家庭は、全国に数えきれないほどあります。
とくに地方では、支援団体すら存在しない地域も多く、相談先が学校や病院に限られてしまう現実があります。
K君のご家庭も、最初は誰にも相談できず、「このままではダメだ」と思いながらも、どう動いていいか分からずにいました。
しかし、動いたからこそ、変わりました。
親が変わり、支援者とつながり、段階的なステップを踏んで、K君は今、自らの力で社会に出ようとしています。
アルバイトに13回も落ちても諦めず、今では飲食店で働きながら、自分の人生を切り開こうとしています。
これは、ほんの一例です。
引きこもりの問題は、本人の“やる気のなさ”ではありません。支援の順番と仕組み、そして親のかかわり方で、大きく未来が変わるのです。
今、この記事を読んで「うちも同じ状況かもしれない」と思った方がいらっしゃれば、どうか一人で悩まず、ご相談ください。
私たち一般社団法人不登校・引きこもり予防協会では、初回30分の無料相談を受け付けています。
どんな些細な不安でも構いません。声をあげたその瞬間から、支援は始まります。
K君のような一歩を、あなたのお子さんにも。
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