
40年以上の指導歴と不登校・ひきこもりの
9割を立ち直らせた解決力
まずは30分無料相談へ
「うちの子が、気づけば一日中ゲームばかり…」
そんな悩みを抱えるご家庭は少なくありません。
中学生の不登校や引きこもりは、ただの“怠け”ではなく、心のSOSであることが多いのです。特にゲームやYouTubeに没頭している場合、その裏には不安や孤独、自己否定の感情が隠れています。
私たちは40年以上の支援活動の中で、こうした状況から立ち直った数多くの子どもたちを見てきました。
その経験から導き出したのが、【7つの支援ステップ】です。
このブログでは、ステージ判定をもとに「どんな状態で」「どんな支援を行えばいいのか」を実例とともに解説します。
そして今回、さらに深く学んでいただける機会として、Zoom講演会を開催いたします。
🎥 10月12日(日)Zoom講演会のご案内
テーマ:不登校とひきこもりの違い 〜 それに伴う“対応の違い”とは?
📅 開催概要
日 時:2025年10月12日(日)13:00〜14:30
形 式:Zoomオンライン講演会(全国どこからでも参加可能)
参加費:1,000円(税込)
申込締切:10月11日(土)18:00まで
招待方法:お申込みいただいた方に、Zoom招待URLをメールで送付
👉 お申込みはこちら
🗣 講演者
杉浦 孝宣(支援歴40年以上、1万人以上の支援実績)
大倉 星耶(中級引きこもり予防士/家庭訪問や寮支援を実践)
📖 前回の講演内容はこちら
🔗 【参加者の声あり】不登校オンライン講演会で得た親の気づきとは?
「ゲームばかりしている子どもをどうにかしたい」——親御さんからよく聞く言葉です。
でも、子どもたちの行動の裏には、必ず「理由」があります。
なぜゲームに依存するのか?
不登校や引きこもり状態にある中学生が、日々ゲームやYouTubeに没頭するのは、「楽しいから」ではありません。
現実に居場所がなくなったから、仮想の世界に居場所を求めているのです。
これらは、言葉にして伝えるにはあまりに重く、難しい感情です。誰にも相談できず、理解もされないと思い込んでいる子は、自分の心を守る手段としてゲームに逃げ込むのです。
実際にあった“引きこもりの始まり”の一例
例えば、ある男の子は中学受験で私立校に合格しましたが、周囲の雰囲気に馴染めず、ゴールデンウィーク明けのテスト結果にショックを受け、「もう行きたくない」と言い出しました。
その後、友達と距離ができ、次第に登校日数が減少。7月には担任から「出席が足りなければ進級できない」と伝えられましたが、親は本人にそれを伝えることができませんでした。なぜなら、「そんなことを言えば、もっとふさぎ込んでしまう」と恐れたからです。
夏休みに地元の友人とプールに行ったり、犬を飼ったりと一見“楽しく過ごしている”ように見えた時期もありました。しかし、あるきっかけで「自分は犬にも好かれていないのでは」と思い込んだ瞬間から、生活は一変。
昼夜逆転が始まり、親に対する暴言・暴力も見られるようになりました。風呂にも入らず、歯も磨かず、そして唯一会話が成立するのはゲームの話題のみ。
この子が「甘えている」と言えるでしょうか?
違います。誰にも言えない苦しみを、ゲームという安全な場所で紛らわしていただけなのです。
それでも、子どもは「変わりたい」と願っている
私たちが支援してきた子どもたちの多くは、初対面ではこう言います。
「別に変わりたくないし。今がラクだから」
でも、対話を重ねる中で、必ずこんな言葉が出てくるのです。
「本当は、朝起きて夜寝る生活に戻したい」
「学校にも行けたら行きたいと思ってる」
「でも、どうせ無理でしょ?」
——この「どうせ」が、引きこもりの最大の敵です。
だからこそ、私たちは「今できること」から始めていきます。
これらを通じて、少しずつ“どうせ”を“もしかして”に変えていくのです。
まとめ:ゲームは“敵”ではない、心の避難所
ゲームを否定するのではなく、「その背景にある気持ち」に目を向けてください。
中学生はまだ、言葉で自分の感情を上手く表現できません。だからこそ、ゲームやスマホという“行動”にサインが現れるのです。
私たちは40年以上にわたり、1万人以上の子どもたちを見てきました。
そして確信しています。
子どもは変われます。けれど、周りの大人がその“きっかけ”を作らなければ変わることはできません。
次章では、「中学受験後の葛藤」がきっかけでゲーム依存と家庭内暴力に陥ったケースを詳しく紹介し、そこからの支援の道をたどります。
中学受験を経て私立中学に進んだある男の子の話です。入学式には元気な姿で出席し、2ヶ月ほどは前向きに学校生活を送っていました。
ところが、ゴールデンウィーク明けのテストで思うような結果が出ず、自信を失ってしまいます。それをきっかけに学校に行きたくないと感じ始め、5月は週に2〜3回、6月はほとんど登校できなくなりました。
夏休みに入る直前、家庭訪問形式の三者面談が行われました。担任からは、「出席日数によっては進級が難しくなるかもしれない」と告げられたものの、そのことは本人にはまだ伝えられていません。もし伝えたら、もっとふさぎ込んでしまうのではないかという不安が、ご両親の判断にありました。
夏休み中は、一時的に笑顔も見られました。
地元の友達とプールに行ったり、泊まりでゲームをしたり、楽しい時間も確かにありました。新しく飼った犬は、本人にとって心の支えのように見えていたそうです。
しかし、ある日を境に状況は急変します。
友達と「誰が犬を一番呼び寄せられるか」という遊びをしていたときのこと。犬が友達の方へ走っていってしまい、自分のもとには来なかった。そのたった一度の出来事が、彼にとっては「自分は犬にも好かれていない」「選ばれなかった」と感じる大きなショックになってしまったのです。
その日から犬の世話を一切しなくなりました。
生活も徐々に崩れ、昼夜逆転が始まりました。夜になると感情が不安定になり、ボールを投げたり、親に暴力を振るったりするように。風呂に入らず、歯も磨かず、話しかけても返ってくるのはゲームの話題ばかり。親子の会話はほとんど成り立たなくなってしまいました。
ある日、彼はこう漏らしました。
「本当は受験なんてしたくなかった。地元の中学に行きたかった。でも言えなかった。言えなかった自分が悪いんだよ」
そう自分を責めていたかと思えば、別の日には「全部お前が悪い」と親を激しく責め立てる場面もありました。
思春期の子どもは、自分の本心を表現する言葉をうまく持ち合わせていません。親への遠慮と期待に応えたい思いが複雑に絡み合い、葛藤と怒りがコントロールできなくなってしまうのです。
このような状況に対して、「なぜうちの子は我慢ができないの?」「どうしてそんなに投げやりなの?」と責めたくなる気持ちもあるでしょう。
しかし、本質的には「自分の気持ちをうまく伝える方法がなかった」「親に失望されたくなかった」という、深い不安と恐れが隠れています。
ゲームはその逃げ場であり、安心できる“仮の世界”です。
無理に取り上げたり、否定してしまえば、子どもは「現実にも逃げ場がない」と感じてしまいます。結果的に、より激しい反応が出てしまうことも少なくありません。
このご家庭では、今後のために家庭外の支援、たとえば家庭訪問や生活改善合宿、ピアサポートなどの具体的な支援を検討し始めています。親だけで抱え込まないことが、解決への大きな一歩になるからです。
子どもは今、人生の岐路に立たされています。
本当は「戻りたい」「変わりたい」と思っている。でもそれを素直に言えない。そんな心の葛藤に、大人がどう寄り添えるかが問われているのだと思います。
帰国子女としての生活は、特別な体験のはずでした。
しかし、現実は理想通りにはいかないことがあります。
あるご家庭では、海外での中学生活を終え、地元の公立中学へ転校したお子さんが、不登校・引きこもりに悩んでいます。
帰国当初は、特に問題もなく学校に通えていたそうです。しかし、次第に「宿題をしない」「朝起きられない」といった行動が目立ち始め、やがて始業式にも参加できない状態に。
「学校に行く」と言って支度をしていたのに、直前で行けなくなる。
そんな朝が続くようになりました。
ご両親はなんとか状況を変えようと、スマホやゲームを取り上げました。しかしその日、暴れて部屋のものを壊すほど取り乱したといいます。
スマホの次はテレビ。テレビのコードを抜くと、今度は漫画。
とにかく“現実”から目を背けられるものにしがみつこうとする姿が、そこにはありました。
学校生活では、目立ったいじめやトラブルは確認されていません。
むしろ、もともとは男女問わず誰とでも仲良くできる明るい性格だったそうです。海外では積極的に会話もでき、日本語も問題なかった。
それなのに、なぜ――。
実はこのお子さん、帰国前に現地校で“あるトラブル”を経験していました。
パソコンのカメラで動画を撮影してしまい、それがプライバシー侵害にあたるという理由で退学となったのです。本人は悪気があったわけではなく、文化の違いに戸惑いながらも、どうして良いかわからなかった様子だったといいます。
この体験は、本人の中に「自分は失敗した」「日本に帰っても受け入れられないかもしれない」という不安の種を残してしまいました。
さらに、ご家庭内でも「お父さんの存在を拒否するような発言が増えた」といいます。
「酒を飲んでるからイヤだ」「なんか臭いし、かっこ悪い」
些細なようでいて、思春期の子どもにとっては大きな不満です。
共働きで忙しいご両親は、昼夜逆転している子どもとすれ違う生活になりがちです。
夕方〜夜の数時間、ようやくスマホ越しの会話ができるかどうか。
そんな中、たまに一緒に料理をする時間だけは、少しだけ穏やかになる。
それが家族の“唯一の接点”になっている状態です。
親としては、「学校に行かなくてもいい、でもせめて規則正しい生活を…」という気持ちもある。
一方、子どもは「朝起きて夜寝る生活に戻りたい」と言うものの、実際には夜中までスマホをいじり続け、翌朝も起きられない。
言葉と行動がかみ合わず、お互いに疲弊してしまう。
このような“適応のズレ”と“家庭内の信頼関係の揺らぎ”が、スマホやゲームに依存する土壌を作ってしまっているのです。
ここで大切なのは、「親だけで抱え込まないこと」。
教育相談や学校のソーシャルワーカーとの連携も大切ですが、それだけでは限界があると感じるご家庭も少なくありません。
特に本人が外に出ることを拒否している場合は、家庭訪問やピアサポートといった“アウトリーチ型支援”が効果的です。
第三者の関わりがあることで、家族では気づけなかった本音や希望が見えてくることも多いのです。
今はまだ、「自分を取り戻す」ためのエネルギーをためている時間。
しかし、それがただの“待機”ではなく、“回復の準備”になるように支えていくことが必要です。
子どもは、変わりたいと思っています。
その願いに、誰が最初に気づいてあげられるかが、回復への第一歩になるのです。
いつも明るく、誰とでも仲良くできて、先生からも信頼されていた中学生の男の子。
その子は、小学生の頃からバスケットボールが大好きで、地域のクラブチームで練習を重ねてきました。
中学では、U13の強豪クラブチームにトライアウトで合格。誰よりも真剣に練習に打ち込み、仲間たちと汗を流す時間が、彼にとってかけがえのない日常でした。
しかし、ある時、思いもよらない出来事が起きます。
1月、両足の薬指に疲労骨折の兆候。
続けて、3月にはギックリ腰、そして5月の診断で「腰椎分離症」と診断され、医師からは「しばらく運動禁止。コルセット着用」と言われてしまいました。
バスケができなくなった。
それは、彼にとって「自分が自分でなくなる」ような衝撃だったのです。
次第に朝起きられなくなり、布団から出ることが難しくなっていきました。
ただのサボりではありません。
大好きだったバスケの練習には行けない。学校に行けば「なぜバスケに来ないの?」「もう復帰しないの?」と聞かれるかもしれない。
そう考えると、身体ではなく、心が動けなくなってしまうのです。
この子は、実は学校でも「からかい」を受けていた過去がありました。
野菜が苦手だった彼は、給食の時間に女子生徒から「ちゃんと食べなよ」「また残すの?」と毎日のように突っ込まれていたといいます。
担任は「本人は笑っていたから気にしてないと思っていた」と話しました。
でも、彼はある朝、涙ながらにこう語ったそうです。
「女子が毎日しつこくて、うるさくて、残すと担任に言ってるかチェックしてくるんだ。だから僕は“担任に言った”って嘘をついた。でも先生に確認されたら“言われてない”って言われて……僕、嘘ついちゃったんだよ」
このときの心の痛みもまた、消えずに残っていたのです。
学校には時々、夜に体育館でシュート練習に行っていた時期もありました。担任の付き添いで、本人もリラックスして過ごせていたそうです。
でも、怪我の影響でその夜登校も続けられなくなり、「行ける場所」がまた一つ消えてしまいました。
それでも、家族や周囲の支えで、少しずつ外に出る機会が出てきました。
大学生のお兄さんとバスケのシュート練習を始めたり、友達に誘われて映画館やゲームセンターに行くこともありました。
夏には、友達と「一緒に宿題しよう」と約束もしたそうです。
学校にも時折登校し、クラスでは「〇〇くん、おかえり!」と声をかけてもらえた。
そんな嬉しい瞬間もあったのに、翌日にはまた行けなくなってしまう。
「教室に行くと、みんな話しかけてくれるから楽しいんだけど、学校に行くまでが怖いんだ」
彼の言葉は、心の奥の不安をそのまま映していました。
この子は小学校時代、障がいのある同級生の面倒をよく見ていたそうです。卒業式の日、そのお母さんから感謝の言葉をかけられ、記念に一緒に写真を撮っていたといいます。
本来、とても思いやりがあり、人の気持ちがわかる優しい性格の子なのです。
それでも今、「挑戦するのが怖い」「頑張ってもまた失敗する」と思っている。
頑張ってきた子ほど、心が折れたときに深く沈んでしまうことがあるのです。
だからこそ、私たちはその沈んだところから“引っ張り上げる”のではなく、“隣に寄り添う”支援が必要だと考えます。
無理に登校させることでも、スポーツを再開させることでもない。
まずは「今のあなたでも価値がある」と伝えること。
そして、社会の中で少しずつ「できた」「認められた」という体験を重ねていくこと。
それが、再び自信を取り戻すための第一歩になるのです。
「うちの子、ただのサボりなのか、本当に苦しんでいるのかわからない…」
そんなふうに感じている親御さんは少なくありません。
けれど、子どもがSOSを出しているとき、大人側の“判断ミス”は引きこもりを長期化させてしまう危険があります。
そこで私たちが支援の現場で活用しているのが、「ステージ判定」です。
これは、不登校・引きこもりの状態を5段階に分け、それぞれに必要な支援を明確にする指標です。特に中学生は心と身体のバランスが揺れやすく、早期の気づきと行動が将来を大きく左右します。
ここでは、中学生のゲーム依存や引きこもり傾向を、「ステージ1〜5」で整理してご紹介します。
🟢【ステージ1】学校に行き渋りはじめた
最初のサインは「朝になるとお腹が痛い」「制服を着たがらない」といった“行き渋り”です。
この時期は、体調不良を訴えながらも、気分の浮き沈みによって登校できる日もあります。
一方で、学校の話題を避けたり、登校時間が近づくと不機嫌になるなど、微妙な変化が見られます。
この段階で適切に関われば、学校復帰もしやすい状態です。
🟡【ステージ2】不登校が継続する
1週間以上、連続して学校を休むようになると「ステージ2」です。
生活リズムは比較的整っており、朝起きて昼間に活動しているものの、家の中に閉じこもる時間が長くなります。
YouTubeやゲーム、漫画などに熱中しはじめ、家庭以外の人との関わりがほぼなくなっていきます。
親が学校の話をしようとすると、反発する、あるいは黙り込んでしまうことも特徴です。
🔵【ステージ3】昼夜逆転と感情の不安定さが現れる
ここからは「引きこもり」の中度段階にあたります。
昼間は寝ていて、夜になると起き出してスマホ・ゲーム・YouTubeに没頭。親が寝静まった時間に活動し、朝にはまた布団にもぐるという生活です。
この状態が1〜2ヶ月以上続いている場合、心身に深刻な負荷がかかっていると考えられます。
感情が不安定になり、夜中に突然暴れる、物に当たる、親に暴言を吐くなどの行動も見られます。
“元の生活に戻す”には、家庭だけで対応するのが難しくなる段階です。
🟣【ステージ4】外出への強い拒否、現実からの逃避が進行
この段階では、日中もカーテンを閉めっぱなしにし、部屋から出ることすら難しくなります。
外の音や光を極端に嫌がり、ちょっとした声かけにも強く反応するようになります。
「どうせ自分なんて」「誰にも必要とされていない」というような、自尊感情の低下が見られるのもこの頃。
食事もおにぎり一個、カップラーメンだけなど、極端に偏ったものになりがちです。
親が何をしても、全て“攻撃”や“監視”のように感じてしまう状態で、家庭内でのアプローチはほとんど通用しません。
🟤【ステージ5】自己否定が固定化され、無気力に近づく
何を聞いても「別に」「どうでもいい」という返答しか返ってこなくなります。
親の呼びかけにも無反応、まばたきや表情の動きが減っていくこともあります。
ゲームやスマホすら触らなくなる場合、「自分はもうダメだ」「このまま終わればいい」と感じている危険なサインかもしれません。
この状態になると、通常のカウンセリングや家庭の声かけだけでは立て直すのが非常に困難です。
生活改善合宿や寮生活、ピアサポート、家庭訪問など、包括的な支援体制が求められます。
「うちの子はどのステージ?」と迷ったら…
子どもの状態を正しく見極めるには、親自身が「冷静に観察する目」を持つことが大切です。
一見、ゲームを楽しんでいるように見えても、それが「現実からの逃避」である場合もあります。
また、暴言や反抗が激しくても、その裏には「助けて」というサインが隠れていることもあります。
大切なのは、“できていない”ことに目を向けるのではなく、“できている”小さな一歩を見つけて支えること。
そして、ステージが3以上に進んでいると感じたら、家庭だけで抱え込まず、専門機関や第三者の力を借りることをためらわないでください。
「もう、ゲームばっかりやっていて…」
「これって依存症じゃないですか?」
不登校や引きこもりのお子さんを抱える親御さんから、こうした声がよく届きます。
確かに、昼夜逆転し、暴言を吐き、風呂にも入らず、話しかけても無視。
そんな我が子の姿を目の前にすれば、ゲームが悪い、スマホが原因だ——そう思いたくなるのは当然です。
でも私たちは、支援の現場で何度も目にしてきました。
「ゲームに夢中」なのではなく、「ゲームにしか居場所がない」子どもたちの姿を。
では、どう向き合えばいいのか。
ここでは、前章で紹介した「ステージ判定1〜5」に合わせて、ゲーム・スマホとの向き合い方を具体的に解説します。
【ステージ1・2】ゲームは“心のバランスを取る道具”
この段階では、学校への行き渋りや欠席が始まった時期。
ゲームやYouTubeに触れる時間は長くなりますが、それ以外の活動——家族との会話や外出など——がまだ可能です。
この時期、ゲームをいきなり制限することは逆効果になりがちです。
なぜなら、学校という“社会の場”に居場所がなくなった今、ゲームは数少ない「楽しい」「安心できる」時間だからです。
親としては不安でも、「ゲームがあるからまだ崩れていない」と捉えて、そのバランスが取れているうちに、少しずつ生活のリズムを整えていくことが重要です。
たとえば…
こうした関わりが、親子関係を繋ぐ“橋”になります。
【ステージ3】ゲーム依存が“昼夜逆転”と結びつく
ステージ3になると、昼夜逆転が進み、感情の波も激しくなります。
親がゲームを制限すると暴れたり、無気力になったり、「死にたい」と口にすることさえあります。
ここまで来ると、「もう限界だ」「このまま壊れてしまうのでは」と不安になりますよね。
ですが、この時期こそ、無理に“取り上げる”のではなく、“生活全体”を見直す必要がある段階です。
ゲームをしている理由は、暇だからではありません。
そんな感情を「考えないようにする」ために、ゲームを続けてしまうのです。
この段階では、第三者の支援が入ることが効果的です。
親が言っても反発する言葉でも、「支援の人」がそっと伝えることで、心に届くことがあるのです。
【ステージ4】ゲーム以外のことに興味を持てなくなる
ステージ4になると、部屋から出られない、カーテンを開けられない、昼間は寝て夜だけ活動するといった状態になります。
食事も不規則で、栄養バランスも偏り、入浴や歯磨きもできないことが多くなります。
この段階では、ゲームも「楽しむ」ためではなく、「考えたくない」「不安を感じたくない」からやり続けていることが多いのです。
実際には、ゲームも飽きているけれど、やめたら“現実の苦しさ”が一気に押し寄せてくる——そんな心の状態です。
この時期に「ルールを作ろう」「時間を決めよう」と話し合っても、本人には届きません。
親が関わろうとするほど、拒絶されてしまいます。
この段階では、「家庭以外の居場所」が必要です。
訪問支援やオンラインでのピアサポートなど、“否定しない大人”との関わりが回復の糸口になります。
【ステージ5】ゲームすらやらなくなったら、危険信号
「ゲームに依存していたのに、最近全然触らないんです」
それは一見、良くなったように感じるかもしれませんが、実は最も深刻な段階です。
食事もしない、表情もない、反応も薄い。
こうなると、もはや「退屈しのぎ」や「逃避」ではなく、「何も感じたくない」「もう消えてしまいたい」という気持ちが強くなっている状態です。
この段階では、医療的なアプローチや合宿・寮生活を通じて、生活をリセットする必要があります。
無理に引き出そうとせず、「一緒に暮らしてくれる人」「共感してくれる仲間」と過ごすことが、回復の第一歩になります。
ゲームを“敵”にしない。大切なのは、背景にある気持ち
ゲームを責める前に、子どもが何から逃げているのかに目を向けてください。
それらを一人で抱え込んでいるとき、ゲームは「唯一の避難所」になるのです。
だからこそ、取り上げるのではなく、そこに至った心の背景を理解することが最優先です。
そして、必要であれば「家庭外の支援」を使ってください。
私たちは、そのために存在しています。
「もう何を言っても無視される」
「話しかけても返事がない」
ゲームに没頭し、昼夜逆転し、部屋にこもっている我が子を目の前にして、親はどうすればいいのでしょうか。
私たちがこれまで1万人以上の子どもたちと向き合ってきた中で、明確に言えることがあります。
“親の関わり方”が、子どもが変わるかどうかを左右する。
ただし、それは「正論で諭すこと」でも「叱って言うことをきかせること」でもありません。
子どもが心を閉ざしてしまっている今、必要なのは「心の安全基地」としての存在になることです。
「信頼を壊す言葉」になっていませんか?
焦る気持ちから、つい言ってしまう言葉があります。
でも、こうした言葉は、思春期の子どもにとって「否定」や「管理」として届いてしまいます。
特に不登校や引きこもりの状態にある子は、自己肯定感が非常に低く、「また責められた」「どうせ自分はダメだ」と心を閉ざしてしまうのです。
声をかける前に、大切なのは“観察”
信頼関係を築き直すには、まず「相手をよく知ること」が大前提です。
子どもがどんな時間に起きて、何をしていて、どの瞬間に少し表情がやわらぐのか。
たとえば、
そんな“ゆらぎ”の瞬間を観察できれば、そこが「接点」になります。
無理に長い会話をしようとせず、その接点を少しずつ広げていくことが信頼回復への一歩です。
会話のコツは「教えて」「一緒に」から始めること
指示や命令ではなく、「お願い」や「興味」で話しかけるのが効果的です。
ここでは「役割を持たせること」がポイントになります。
子どもが自分の得意な分野で親に頼られることで、「自分にも価値がある」と感じられるようになるのです。
そして、会話ができた日は「ありがとう」「助かったよ」と言葉で伝えること。
この積み重ねが、失われた信頼を少しずつ取り戻していきます。
ステージごとの親の対応のポイント
「あなたが大事」だと、言葉で伝えていますか?
多くの保護者が「伝えなくても、わかってるはず」と思っています。
でも、子どもは意外と聞いていません。
むしろ、「嫌われたかもしれない」「呆れられてる」と思い込んでいます。
だからこそ、
という言葉は、たとえ直接返事がなくても、届いています。
今すぐには変わらなくても、心の奥に「受け入れられた記憶」が蓄積されていきます。
親子だけで抱えない。それが信頼を守るもうひとつの道
私たちはこれまで、多くの保護者とともに悩み、向き合ってきました。
中には「子どもに手を上げてしまった」「もう顔を見るのがつらい」と涙ながらに語る親御さんもいました。
でも、そこから子どもが再び立ち上がる姿を、何度も見てきました。
「親のせい」ではありません。
「ひとりで頑張りすぎないでください」
それが、子どもとの信頼関係を壊さずに、回復への道を歩むための最も確かな方法です。
「学校には行けない。でも、病院にも行けない。相談所にも行けない。もうこの子は、どうしたらいいのかわからない…」
私たちの元には、こうした声が日々届きます。
親御さんがどれだけ愛情を注ぎ、言葉を尽くしても、届かない。
何をしてもドアを開けてくれない。目も合わせない。声も返ってこない。
そこまで深く引きこもってしまったお子さんを動かすには、「家庭の中で変化を起こすこと」が不可欠です。
それが、当協会が行っている【訪問支援】です。
家に上がる前に、見るべきものがある
私たちはただ「話を聞きに行く」わけではありません。
まずご自宅に伺うのは、「引きこもり予防士」と呼ばれる専門の支援者。
いきなり本人に会うのではなく、まずは保護者の方としっかり面談し、生活環境を把握することから始めます。
この段階でチェックするのは以下のようなことです:
こうした「見取り」をもとに、家庭内の安心・安全を確保したうえで、次のステップに進みます。
「ゲーム」が心の扉を開くカギになる
次に行うのが、本人の好きなゲームの“聴き取り”です。
このとき、無理に話しかけたり、「学校行こうね」といった言葉をかけることは一切しません。
むしろ、親御さんから得た情報をもとに、ゲームのジャンルやタイトルを確認し、どのくらいの時間プレイしているのか、何に夢中になっているのかを丁寧に把握します。
例えば——
こうしたゲームの種類から、その子の“心の傾向”が見えてくるのです。
ここで得られた情報をもとに、次のステップ——「ピアサポート訪問」へと進みます。
同じゲームをやっている「1〜2歳上の先輩」が家庭訪問
ここが、当協会の訪問支援の最大の特徴です。
同じように不登校・引きこもりだった経験を持ち、今は支援スタッフとして活動している高校生・大学生たちが「ピア(仲間)」として訪問に参加します。
しかも、ただ年が近いだけではありません。
“同じゲームをやっている”という共通点があることが絶対条件。
すると、最初は顔も見せなかった子が、こう変わります。
「え、○○使ってるの?俺もだよ」
「今シーズン、ランクどこまで行った?」
「てか、お前、エイム上手くね?」
——これだけで、一気に空気が変わるのです。
最初は親の後ろに隠れていた子が、画面越しに会話し始める。
次第に「また来てくれる?」と自分から言うようになる。
そうしたやりとりを何度か重ねるうちに、ピアスタッフが「今度、一緒に外で○○買いに行こうよ」と誘うと、「うん、行く」と頷く瞬間が訪れます。
9割以上のご家庭で、引きこもりから脱出できている理由
このように、当協会の家庭訪問支援は、
「ちょっと先を歩く先輩」としての関わりをベースにしています。
それが、子どもにとって最も「怖くない大人」になれるのです。
そして、訪問を重ねた後、学生寮やフリースクール、合宿などにステップアップしていくことができれば、自律に向けた“流れ”が生まれます。
私たちは、この方法で 9割以上のお子さんの引きこもりを解決してきました。
家庭でできること、家庭ではできないこと
親御さんは、誰よりも子どものために動いてきたと思います。
だからこそ、限界を感じている今、「家族以外の誰か」との接点が必要です。
その最初のきっかけが、「家に来てくれる大人」であれば、子どもにとってもハードルはぐっと下がります。
子どもが部屋から一歩を踏み出すには、まず信頼できる人が“部屋に来る”ことが必要なのです。
家庭訪問によって、少しずつ信頼が生まれ、ゲームを通じて関係が築かれた子どもたち。
「今度、外に出てみようか」
「○○の店、一緒に行こうよ」
そんな一言をきっかけに、一歩外に出るようになったその先には、“日常を取り戻す”ためのステージが待っています。
当協会では、その“次の一歩”として、以下のような支援を用意しています。
生活改善合宿で、昼夜逆転からの脱出を
訪問支援で家から出るようになったあと、最も多く利用されているのが生活改善合宿です。
これは、「家でも学校でもない第3の場所」で、規則正しい生活リズムを取り戻すことを目的にした短期合宿です。
朝は決まった時間に起床し、朝食を取り、軽い運動や掃除をする。
午後は学び直しや交流の時間。夜はデジタルデトックス。
最初は「こんなの無理」と言っていた子が、3日目には「明日は何時に起きるんだっけ?」と自然に聞いてくる。
集団の中で役割を持つことで、安心感と責任感が育まれていきます。
特にゲーム依存や昼夜逆転が進んだ中学生にとって、生活リズムの“リセット”は再出発に不可欠な要素です。
寮生活で「社会性」と「自分らしさ」を取り戻す
合宿後は、自宅から通うことが難しいケースに備えて、学生寮やサポート付きの住まいを用意しています。
ここでは、「親元から離れる」という経験が、子どもにとって大きな成長につながります。
・洗濯を自分でする
・食事を仲間と一緒にとる
・当番制で掃除をする
・時にはケンカもある
でもその中で、「自分ってこんなにできるんだ」「誰かと一緒にいるのって悪くないな」という小さな“自己肯定”の芽が生まれます。
何より、「家庭ではうまくいかなかった関係性」が、一度リセットされることによって、親子関係が再び修復されることもあるのです。
学び直しと進路の再設計
心が落ち着き、生活リズムが安定してきたら、「学び直し」の段階に入ります。
不登校が長期化した場合、多くの子どもたちが「もう勉強なんて無理」「今さらついていけない」と感じています。
ですが、ここで大切なのは、“今のレベル”からでいいと伝えること。
中学生なら小学校の内容からでもかまいません。
私たちは一人ひとりに合ったペースで、「もう一度、学ぶ楽しさを思い出せる」ようサポートしています。
そして、興味関心が高まれば、次のような進路選択が見えてきます。
学び直しは、「社会復帰」の土台となる“自信”を育てるプロセスなのです。
アルバイト・インターンで“自律”へのステップ
生活と学びが安定してきたタイミングで、当協会が大切にしているのが「社会経験」の導入です。
それが、アルバイトやインターンです。
いきなりフルタイムで働くわけではありません。
週1回、2時間からでもいい。
「働く」「誰かにありがとうと言われる」「報酬を得る」という経験が、子どもにとっては圧倒的な成功体験になります。
たとえば——
そういった“小さな一歩”が、「自分にも社会の中でできることがある」と思えるきっかけになります。
最後に:社会貢献は、自己否定からの出口になる
不登校や引きこもりの状態が長くなると、子どもたちは「どうせ自分なんか」と口にするようになります。
その言葉を跳ね返すのは、「誰かに必要とされた経験」です。
当協会では、支援を受けた子どもが、やがて他の引きこもりの子を支えるピアスタッフとして活躍するケースも少なくありません。
それは、“助けられる側”から“誰かを助ける側”へと立場が変わる瞬間です。
社会貢献は、自己否定の出口です。
このステップにたどり着けた子どもたちは、最終的に「もう大丈夫、自分の人生を歩いていける」と思えるようになります。
ここまでの章で、中学生がゲーム依存や引きこもりに至る背景、段階別の対応、家庭訪問から合宿・学び直し・社会参加までの支援ステップを紹介してきました。
最後に、「本当に変われるの?」という疑問に答えるために、3つの事例を振り返りながら、どのように支援のステップを踏み、“社会とつながる力”を取り戻していったかをご紹介します。
❶ 私立中学からの挫折——「本当は地元に行きたかった」と言えなかった少年
中学受験を経て私立中学に入学した彼は、テストでつまずいたことをきっかけに登校できなくなりました。
親には「受験が嫌だった」とも「地元の中学に行きたかった」とも言えず、自分を責め続ける日々。
犬の世話をしなくなった日から、昼夜逆転と暴言が始まり、完全な引きこもり状態に。
当協会の訪問支援では、同じゲームをしていた1歳年上の先輩ピアスタッフが訪問を重ね、信頼を獲得。
「○○っていうスキン、俺も使ってる」と話したその日から、顔を上げ、外に出られるように。
その後、生活改善合宿で昼夜逆転をリセットし、通信制高校の学び直しに接続。現在は週3日の通学を継続しながら、フリースクールで後輩とトランプをする時間を楽しんでいます。
❷ 帰国子女の適応障害——「居場所がなくなった」女の子の再出発
カナダから帰国後、日本の公立中学に転校した女の子。
最初は登校できていたものの、文化や雰囲気の違いに戸惑い、担任とのすれ違い、友人関係の難しさから不登校に。
「スマホを取り上げたら暴れた」「テレビ、漫画…何かにしがみついていないと落ち着かない」
昼夜逆転と拒食が進み、家庭内でも会話がなくなりました。
当協会の支援では、まず母親との丁寧な面談からスタート。部屋の安全確認、本人の好きなアニメ・ゲームの傾向を分析し、オンラインで繋がれる女子ピアサポーターをマッチング。
「女の子で、しかも同じ作品が好きな人がいる」と知ったその日から、Zoomを通じた短時間の会話を続け、外出の一歩につながりました。
現在は、寮生活で生活リズムを取り戻し、週1回、好きなアニメショップでのボランティアに参加中です。
❸ バスケ少年の挫折——怪我と“からかい”が生んだ心の傷
小学生の頃からバスケットボールに打ち込み、U13選抜に選ばれるほどだった彼。
中学進学後も、体育館での夜登校を継続していたものの、怪我によって運動を禁止され、目標を見失っていきました。
加えて、給食での「野菜食べなよ」などのからかいが、本人にとっては深い傷に。
「自分はバスケができないなら、もうダメだ」
「担任にも嘘をついたから、もう終わりだ」
と涙ながらに話す姿が印象的でした。
当協会の支援では、彼の身体の状態を理解したうえで、無理のないステップで回復を支援。
怪我の回復とともに、大学生の兄とバスケの練習を再開。生活改善合宿を経て、今ではプールでのトレーニングや、後輩にドリブルを教える活動にも取り組んでいます。
3人に共通していたのは、「信頼できる誰か」と出会えたこと
どの子も、「最初は部屋から出られなかった」「親に向かって暴言を吐いていた」「スマホを取り上げたら暴れた」そんな状態でした。
けれど、家庭訪問というかたちで「家庭の中に入ってきてくれた信頼できる第三者」との出会いが、すべてのきっかけでした。
子どもにとって一番の支援は、「あなたの気持ちはわかるよ」「焦らなくていいよ」と、否定しない大人に出会うこと。
そして、その先にあるのが…
「助けられる側」から「誰かを支える側」へ。
この変化こそが、真の“自律”の姿です。
最後に|今、家族にできる一歩とは?
今、あなたのお子さんが、
そんな状態であっても、大丈夫です。
まずは【家庭訪問】という“家の中の支援”から始めてみませんか?
私たちはこれまで、9割以上のご家庭で解決に導いてきました。
部屋にこもる我が子に手が届かないと感じている今こそ、「家の中に入ってくれる人」との出会いが必要です。
私たちは、その役割を担います。
🌱 30分の無料相談から始めてみませんか?
ご希望の方は、Zoomによるオンライン相談が可能です。
「こんなこと聞いてもいいのかな」という段階からでも大丈夫です。
子どもの未来は、家庭の対応で必ず変わります。
一緒にその第一歩を踏み出しましょう。
📌【無料相談申込】▶︎ https://yoboukyoukai.com/soudan/