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はじめに|「もう手遅れかもしれない」と思ったときこそ、始まりのとき
「30代で引きこもっている息子に、もうできることはないんじゃないか」
「本人が動かない限り、親が何をしても無駄ではないか」
そう思ってしまうお気持ち、よくわかります。
今回ご紹介するのは、引きこもり歴2年以上・30代後半・外出は月数回のコンビニだけ・家族との会話はタバコ代のやり取り程度という状況にあったご家庭の記録です。
ご家族は「手遅れかもしれない」という不安の中で、支援の扉を叩きました。
そこから始まったのは、家族の絆を取り戻す過程であり、
ご本人が「もう一度、自分の人生を歩いてみよう」と立ち上がるまでの物語です。
この記録が、今まさに悩んでいるご家庭の“光”になればと願っています。
「引きこもりの支援は若いうちじゃないと難しい」
「30代はもう自己責任だろう」
そんな声が、世の中にはまだ根強く残っています。
けれど、それは本当に“正しい認識”でしょうか?
実際には、30代・40代からでも社会復帰を果たした事例は数多く存在します。
問題は、**周囲の大人たちが“諦めてしまうこと”**にあるのです。
今回のご相談は、ご本人の親御さんからいただいたものでした。
息子さんは、まじめに働いていたものの、突如として会社が倒産。
以後、就労意欲を失い、徐々に引きこもるようになっていきました。
最初は「少し休めば元気になるだろう」と考えていたご家族も、
1ヶ月、3ヶ月、半年と時間が過ぎるうちに、何も変わらない現実に危機感を募らせていきます。
会話がまったくない。
目を合わせない。
声をかけても、返事がない。
ただ、「タバコ代ください」と言われたときだけ、お金を渡す会話が発生する──。
日常生活の中で、こうした“断片的な接点”だけが残り、親子の関係は見えない溝に覆われていました。
このご家庭でも、ご夫婦で意見が割れていました。
お父様は私たちの著書『不登校・引きこもりの9割は治せる』を読み、「もしかしたら希望があるかも」と感じてくださいました。
一方で、お母様は過去の失敗から強い不信感を持たれていました。
「以前、高額な料金を払って支援を受けたけど、何も変わらなかった」
「どうせまた失望するだけ」──。
それでも、お父様の熱意が家族の空気を変えはじめます。
お父様は、ご本人と話ができない状況の中で、筆談で手紙を書きました。
「無理に何かを変えろとは言わない。
でもこのままだと、将来あなたが困る。
家族はあきらめていない。一緒に考えよう。」
そのメモは、ご本人が夜中に食事をとるテーブルの上に、そっと置かれました。
翌朝、メモは消えていました。
返事はありませんでしたが、確かに届いていたのです。
よくいただくご質問の一つに、
「本人が全く乗り気でないのですが、支援はできますか?」
というものがあります。
結論から申し上げますと、ご本人の同意がなくても、支援は始められます。
まずはご家族だけが相談に来られることがスタートです。
家族の空気が変わると、本人も敏感にその変化を感じ取ります。
私からの提案はシンプルでした。
「週末に一緒にご飯を食べてみてください。
会話しなくてもいい。とにかく“家族の時間”をもう一度。」
半信半疑ながらもご両親は実行してくださり、
週末、ご本人を外食に誘いました。
すると、ご本人は外に出ることを受け入れ、店内では小さな会話も生まれました。
この「たった1回の食事」が、人生を変える第一歩になったのです。
外食後、ご本人の中で何かが動き始めました。
数日後、自らの部屋の片付けを始めたのです。
それらを、軽トラック4台分のゴミとして処分しました。
ここで重要なのは、「親にやらされた」のではなく、
本人が自主的に掃除を始めたということです。
部屋の整理が終わると、次は「髪を切りに行きたい」という言葉が出てきました。
何年も散髪に行っていなかったご本人が、自分の見た目を気にするようになったのです。
その後、支援員が付き添いのもと、ハローワークへ同行。
求職登録を行い、再就職への道筋をつくっていきました。
当協会では、引きこもりの状態を以下のような【5ステージ】で整理しています。
ステージ | 状態の目安 |
🟢ステージ1 | 行き渋り・対人不安 |
🟡ステージ2 | 学校・仕事に行けない状態が継続 |
🔵ステージ3 | 生活リズムの乱れ(昼夜逆転) |
🟣ステージ4 | 外出困難、対人回避 |
🟤ステージ5 | 希望喪失、自責、感情のフラット化 |
今回のご家庭は、明らかにステージ4〜5に該当していました。
それでも、ステージを1つずつ下げていく支援で、少しずつ外の世界へと戻っていったのです。
このご家庭のように、
…そんなご家庭でも、あきらめなければ、変化は起こります。
私たちが見てきた限り、支援の“成功の鍵”は、
家族がもう一度、希望を持てるかどうかにかかっています。
「手遅れ」と感じる状況からでも、人は変われます。
本人に変化の兆しがなくても、家族の一歩から流れは変わっていきます。
今回の事例が、
「もう無理だ」と悩んでいるご家庭にとって、
再スタートへのヒントになれば幸いです。
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