不登校に悩む家庭へ|全国から集まる“生活改善合宿”の現場を公開

不登校、引きこもりで悩み、
特に「生活リズムを立て直したい」と強く望まれている保護者の皆さんへ。

不登校・引きこもりの解決には、実は“特効薬”があります。
それが「生活改善合宿」です。

私は、一般社団法人 不登校・引きこもり予防協会 代表理事の 杉浦孝宣 です。
40年以上にわたり、1万人以上の子どもたちを社会復帰へ導いてきました。
その中で確信しているのは、「生活が整えば、心も整う」 ということ。

朝6時半の起床から、食事・掃除・共同生活を通して、
子どもたちは少しずつ自信と自律を取り戻していきます。
「見守る」だけでは変わらなかったご家庭が、
わずか数日の合宿で笑顔と会話を取り戻すことも珍しくありません。

今回は、2025年10月26日から八王子で行われた
最新の「生活改善合宿」の現場を、具体的なエピソードとともにお伝えします。

目次

不登校に悩む家庭へ|全国から集まる“生活改善合宿”の現場を公開

2025年10月26日、東京都八王子市の自然豊かな環境で、「生活改善合宿」がスタートしました。
今回の参加者は全国から集まった男子4名。
中学2年から高校3年まで、年齢も背景も異なりますが、共通しているのは「不登校・引きこもり状態から抜け出したい」という思いです。

引きこもり歴3年の子、ADHD傾向や睡眠リズム障害を抱える子、学習の遅れに不安を抱く子…。
彼らが同じ屋根の下で生活を共にしながら、少しずつ自律を取り戻していく様子を、ここでは現場からお伝えします。

「見守る」だけでは届かない現実──家庭の限界を越えて

「もう見守るしかない」と言う保護者は少なくありません。
しかし、実際には“見守る”だけでは現状は変わらないことが多いのです。
朝起きられず、昼夜逆転が続き、親の声かけにも反応しない。
そんな日々が続くと、家庭内には焦りと無力感が広がります。

私たち一般社団法人 不登校・引きこもり予防協会では、
そうした家庭に「生活改善合宿」や「学生寮プログラム」という“動く支援”の選択肢を提示しています。
現場での生活を通して、規則正しいリズム・人との関わり・小さな成功体験を積み重ねていく。
それが、どんな薬や言葉よりも大きな変化を生むのです。

第2章|朝6時半起床、食事・掃除・共同生活から始まる“再起動”

合宿では、毎朝6時半に起床します。
まだ眠そうな表情で布団から出てくる生徒たち。
それでも、声をかけ合いながら顔を洗い、朝食を準備し、テーブルを囲みます。
その“最初の一歩”こそが、再出発の象徴です。

朝食の後は掃除、軽い運動、午前中は学習や面談。
午後にはウォーキングや買い出しなど、できる範囲で外に出る練習をします。
夜はミーティング形式で1日の振り返りを行い、「今日できたこと」を言葉にします。
この“できた”の積み重ねが、やがて「自分も動ける」という自信につながっていきます。

S君|3年の不登校を経て、高卒後は自衛隊を目指す

S君は中学1年のとき、クラスでの人間関係のトラブルが原因で学校に行けなくなりました。
「グループにはぶられて居場所がなかった」と話す彼は、以来3年間ほとんど外出せずに過ごしてきました。

合宿初日は表情が固く、会話も少なめ。
「おまえ大丈夫か?」と声をかけると、「風邪気味です」と小さな声。
「まぁ、若いんだから頑張れよ」と返すと、少しだけ笑顔を見せました。
その後も無理のない範囲でプログラムに参加し、少しずつ場の雰囲気に慣れていく姿が見られました。

中学の学習内容が抜けていることへの不安もありますが、
私たちは「フリースクールで勉強を取り戻せば大丈夫」と伝えています。

高校卒業後は自衛隊への入隊を希望しており、合宿中も筋トレやランニングを欠かしません。
生活の基盤を整えることで、将来への道筋が少しずつ明確になっていく。
S君の姿は、他の生徒たちにとっても励みになっています。

I君|留年をきっかけに心が折れた高校生の再挑戦

I君は地方から参加し、現在は当協会の学生寮で生活しています。
中高一貫校に進学したものの、中3の夏から朝起きられなくなり、
高1の6月を過ぎた頃から欠席が増え、ついに登校できなくなりました。

2025年に入り、部屋にこもる時間が長くなり、睡眠リズム障害とADHD傾向の診断を受けます。
「このままでは留年」とわかっていながらも動けず、自己否定の言葉が増えていきました。

現在は通信制高校に毎日通学することに挑戦しています。
生活リズムを整えながら、自分のペースで社会とのつながりを取り戻す日々が始まっています。

W君|“学校に戻れない”と感じた中学生が見つけた新しい道

W君は中学1年の時に不登校となり、現在は当協会のフリースクールで学んでいる高校生です。
勉強へのストレスが強く、「学校に行くのが怖い」と話していました。
ゴールデンウィーク明けには登校できなくなり、家からも出られない日が続きました。

私立中高一貫校には戻りたくないという強い気持ちがあり、
一時は「地元の公立中に転校したい」と話していましたが、
知り合いが多いことや転校手続きへの抵抗感から、実行できずにいました。

彼は合宿の初日、アルバイトのために遅れて参加しました。
現在は通信制高校サポート校に通い、かつては生徒会長も務めていた経験を持ちます。
自らの引きこもり経験を活かし、今では不登校や引きこもった生徒の支援活動にも関わっています。

T君|兄の影響で不登校になった中学2年生の挑戦

T君は中学2年生。兄もかつて不登校を経験しており、家庭の雰囲気に敏感に反応していました。
中学に入ってからは不安が強く、学校への足が遠のいていきました。
現在はフリースクールに所属しながら、少しずつ外に出る練習をしています。

合宿では最年少ながらも元気に挨拶をする姿が印象的でした。
一方で、夜になると寂しさを感じるようで、スタッフの大倉と話す時間を楽しみにしていました。
「兄も乗り越えたから、僕もできると思う」と言葉にできたことが大きな進歩です。

合宿がもたらす“生活の再起動”という変化

4人の生徒たちは、それぞれに違う背景と課題を抱えています。
それでも共通しているのは、「朝起きて、人と関わり、役割を果たす」ことで、
少しずつ自分を取り戻していく姿です。

合宿では“できなかったこと”を責めず、“できたこと”を認め合う文化があります。
掃除をした、会話をした、外に出た——どれも立派な一歩です。
その積み重ねが、家では得られなかった自信を育てます。

支援者の関わり方──“叱らず、甘やかさず”の中間支援

生活改善合宿を担当するのは、認定引きこもり予防士の大倉星耶。
これまで訪問支援400件超、解決率84%の実績を持つベテランです。
大倉は「大人が先に信じることが、子どもを動かす第一歩」と話します。

支援の基本は「叱らず、甘やかさず」。
規則やルールはありますが、それを押し付けるのではなく、
「一緒にやってみよう」という姿勢で伴走します。
この“中間支援”のスタンスこそが、子どもたちの心を開かせるのです。

合宿後の支援とステップアップ

合宿が終わっても、支援は続きます。
希望者は学生寮プログラムやフリースクールで生活と学習を継続。
通信制高校や定時制高校への進学、またはアルバイト・ボランティアを通じた社会参加を目指します。

S君は自衛隊、I君は通信制高校、W君は支援活動、T君は学習サポートへ。
それぞれの未来に向けて、新しい一歩を踏み出しています。

「家庭が動けば、子どもも動く」

合宿で最も印象的なのは、子どもたちの変化だけでなく、保護者の変化です。
「見守る」から「動く」へ。
親が行動を起こすと、子どもも不思議と反応し始めます。

生活改善合宿は“家庭の再起動ボタン”でもあります。
一歩外に出て、支援を受ける決断をすることで、
親もまた「孤立」から抜け出すことができるのです。

まとめ|9割の解決率が示すもの

不登校や引きこもりは、「待てば治る」ものではありません。
生活リズムを整え、他者と関わり、自信を取り戻すプロセスを通じてこそ、回復は始まります。
当協会の40年以上の実績、1万人超の支援経験からも、その確信があります。

全国どこからでも参加できる「生活改善合宿」と「学生寮プログラム」。
まずは、無料個別相談で現状をお聞かせください。
家庭が動けば、子どもも動きます。
その一歩を、今ここから一緒に踏み出しましょう。

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