不登校相談が過去最多|PIVOT44万回再生の一年を振り返る

不登校相談が過去最多|PIVOT44万回再生の一年を振り返る

一般社団法人不登校・引きこもり予防協会 代表理事 杉浦孝宣

2025年は「不登校」という言葉が日本の社会に深く突き刺さった一年でした。文科省が発表した数字は過去最多を更新し続け、
私たちの協会にも相談が殺到しました。PIVOT出演(44万回再生)をきっかけに、これまで届かなかった層からの相談も増え、
“日本の不登校は今、本当に転換点を迎えている”という実感があります。

ここでは、2025年の支援現場を振り返りながら、家庭の変化・社会の変化・そして2026年に向けての展望をまとめます。
この記事が、今まさに悩んでいるご家庭の希望につながることを願っています。

目次

第1章|2025年、日本の不登校・引きこもりの現状

2025年の日本は、不登校が「特別なケースではない」レベルにまで広がりました。

2024年度(令和6年度)不登校児童生徒数

  • 小中合計:35万3,970人(過去最多)
  • 相談件数:76万9,022件

この増加は単なる数字ではなく、“家庭だけではもう抱えきれない時代”が来ていることを示しています。

■ スマホ依存・ゲーム依存の深刻化

朝起きられない、小学生でも昼夜逆転、ゲームが止められない…。今年、最も増えた相談がこれでした。

■ 家庭内暴力の増加

小中学校での暴力行為数も過去最多。家で起きている問題が学校に表面化している例が多く、家庭環境の不安定さが顕在化しました。

■ 8050,9060 問題の若年化

通信制高校卒業後、引きこもりに移行する若者が増加。“支援の空白地帯”が拡大しました。

■ 行政の支援強化

自治体が本気で動き始めた一年でした。講演依頼も急増し、行政の危機感が高まっています。

第2章|2025年の相談データから見えた課題

今年の当協会の相談件数は約700件。地域は新宿区・品川区・港区・名古屋市・横浜市・大阪府など全国に広がりました。

■ 年齢層の広がり

小中学生の相談はもちろん、20代・30代からの相談が急増。PIVOT出演の影響が大きく、「大人の引きこもりでも相談していいんだ」という流れが生まれました。

■ 相談内容のトップは生活不安定&ゲーム依存

  • 朝起きられない
  • 昼夜逆転
  • 部屋から出られない
  • ゲームから離れられない
  • 親への暴言

■ 親の共通の悩み

「この状態はいつ終わるのか」「見守るだけで本当に良いのか」。この迷いが、長期化の最大要因でした。

■ 見守り続けて悪化したケース

  • 小4から見守り続け、中2で完全引きこもり
  • 高校1年の休みが3年の不登校に延長
  • ゲーム依存を許容した結果、昼夜逆転が固定化

第3章|親のコーチング需要が急増した一年

■ 親の迷いが子どもの停滞を生む

親が不安を抱える家庭ほど、子どもは動けません。「待つ・見守る」で止まっている家庭は、一歩も進めない状況でした。

■ 父親の巻き込みが成功率を上げた

最初は母親任せでも、支援が進むと父親が前向きになる家庭が増加。当協会では「父親の関わり方」を個別コーチングしています。

■ 母親コーチング3ヶ月の変化

イライラが減り、声掛けが変わり、子どもの表情が柔らかくなる。「親が変われば、家庭が変わる」ことを実証した一年でした。

第4章|訪問支援・合宿・寮生活で動いた子どもたち

■ 家庭訪問(アウトリーチ)の急増

家から出られない子の「最初の一歩」へつなぐ重要な支援として依頼が増えました。

■ 八王子・生活改善合宿の成果

数日の合宿で、朝起きれる・会話が戻る・生活が整う・表情が柔らかくなるなど大きな変化が見られました。

■ 通信制高校サポート校での学び直し

集団が苦手な子でも通いやすい環境が整い、“もう一度学びたい”という気持ちを取り戻す子が増えました。

■ 象徴的な成功例(2025年)

  • 10年引きこもり → 公務員へ
  • 高校中退 → 美大合格 → 学生インターン
  • 暴言・暴力の中学生 → 大学進学
  • ゲーム依存 → 自衛隊合格

第5章|2025年に起きた社会的動き

「見守りでは変わらない」というメッセージが全国へ届き、相談の質が大きく変わりました。

▶︎再生回数40万回超 前編・後編!YouTube番組「#Pivot」

中学受験を頑張り抜き、晴れて中高一貫の私立校に進学したわが子——
順調に見えていたのに、ゴールデンウィーク明けに突然「学校に行きたくない」と言い出す…。
そんなご相談が、今まさに急増しています。

私・杉浦孝宣が出演した教育系YouTube番組「#pivot」では、
「中高一貫校進学後に不登校になった」というリアルな事例が多く寄せられ、大きな反響を呼びました。

▼【前編】不登校・引きこもりは9割解決できる!
スマホ・ゲーム依存対策/「見守り=放置」の落とし穴/重症度チェック付き
▶️ https://youtu.be/UjT1xHGcLO0?si=b8wo9Bu4CiqgQqh4

▼【後編】年齢別の対応法と立ち直りの3ステップ
同性の親の関わり方/学力の壁への向き合い方
▶️ https://youtu.be/qLQnFUBvG6M?si=ggFwi3Tky0QFcjWI

番組では、花まる学習会・高濱正伸先生とともに、
『もう悩まない!不登校・ひきこもりの9割は解決できる』をベースに、
親の具体的な関わり方、そして子どもの立ち直りのプロセスについて詳しく解説しています。

私たちははっきりと断言します。
見守るだけでは、子どもの未来は変わりません。親の行動こそが、未来を変える鍵なのです。
ぜひご視聴の上、ご家庭での対応のヒントにしていただければと思います。

■ 行政連携

自治体からの講演依頼が増え、行政の危機感が急上昇。

■ 若者の孤立が社会問題として議論され始めた

8050、9060問題や若者の孤立が、政治・経済の課題として取り上げられた一年でした。

第6章|私自身の一年:支援と健康と向き合った時間

希少ガンを克服し、現場へ復帰。「支援できること」そのものが奇跡であり、使命だと感じた一年でした。

支援者育成(引きこもり予防士)にも力を入れ、人材育成が進みました。

第7章|「7つの支援ステップ」が確立した一年

  • ステージ判定:1〜5の可視化が浸透
  • 親のコーチング × 子の実動支援の両輪が定着
  • 訪問 → 合宿 → 学び直し → 就労の流れが標準化
  • 「見守るだけ」の限界を社会に伝えられた一年

第8章|子どもたちから受け取った“学び”

  • 子どもは「動けない」だけで、「できない」のではない
  • 小さな一歩が人生を変える
  • 親の変化は、子どもの背中を大きく押す
  • 居場所と理解が、必ず力になる

第9章|2025年を締めくくるメッセージ

支援を信じて託してくださったご家庭へ心から感謝します。そして、どんな状況でもあきらめなかった子どもたちへ敬意を表します。

2025年は、「家庭が変われば、子どもは変わる」ことを何度も目の前で見せてもらった一年でした。

今悩んでいるご家庭にも、必ず道があります。これからも、伴走者であり続けます。

第10章|2026年への展望

  • 行政連携の拡大
  • オンライン × 実動支援の融合
  • 新しい合宿・寮プログラムの開始
  • 支援者育成(引きこもり予防士)の全国展開
  • 「誰も取り残さない支援」の実現へ

日本の不登校問題は転換期にあります。2026年も、全国の家庭に希望を届け続けます。

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