
40年以上の指導歴と不登校・ひきこもりの
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「医者の子どもなのに、なぜ不登校に?」
一般社団法人不登校引きこもり予防協会の杉浦孝宣として、支援現場で40年以上、不登校や引きこもりに向き合ってきた私が驚いたのは、在籍してきた子どもたちの約1割が医師家庭のお子さんだったという事実です。経済的にも恵まれ、教育に理解のあるはずの医師家庭。ところが実際には、不登校や引きこもりに苦しむケースが決して少なくありません。
「医者の子どもに限って不登校なんて…」と思われる方もいるかもしれません。しかし、それは誤解です。むしろ医師家庭だからこそ、特有の背景や要因が重なり、不登校につながることがあるのです。
本記事では、医者の子どもに多い不登校の実態と背景、そして支援の現場から見えた解決への道筋をお伝えします。同じように悩む保護者の方に「うちだけではない」と安心していただき、行動の一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。
私はアメリカの大学を卒業して、最初に取り組んだ仕事は家庭教師でした。実はその初年度から、医者の子どもの英語指導や不登校支援に関わってきました。医師家庭の子どもと接する機会は当初から多く、その経験を通じて「なぜ医者の子どもに不登校が多いのか?」という疑問を深めるようになったのです。
医師という職業は、日本社会の中でも高い社会的地位と信頼を得ています。そのため「子どもも当然優秀でなければならない」という暗黙のプレッシャーが家庭内に存在します。親御さん自身が医学部を突破してきた経験を持つからこそ、「自分はできたのだから、子どももやれるはずだ」という無意識の期待を抱きやすいのです。
しかし、その期待は子どもにとって大きな重荷となります。
「兄や姉は優秀なのに、自分はついていけない」
「親の期待を裏切ってしまった」
そうした気持ちが積み重なり、学校に行けなくなるケースは少なくありません。
医師家庭の子どもは、中学受験を経て難関中高一貫校に進学することが多いです。ところが入学後、早い段階で学力の壁に直面します。特に中学2年〜3年は、基礎から応用へ学びが一気に難しくなる時期。小学校時代に「優秀」と言われていた子どもが、急に成績不振に陥ることも珍しくありません。
一般家庭であれば転校や進路変更の選択肢が出やすいですが、医師家庭では「せっかく合格した学校を辞めるのは恥」という考えが強く、子どもを苦しい環境に留めてしまうことがあります。その結果、心身のバランスを崩し、不登校につながるのです。
医師という職業は非常に多忙で、親が夜遅くまで勤務に追われることも多いです。結果として、家庭内で子どもとじっくり話す時間が不足しやすくなります。相談や悩みを抱えたときに「親は忙しいから言えない」と子どもが思い込むケースも多く見られます。
さらに、親が限られた時間の中でかける言葉が「もっと頑張れ」「勉強しなさい」といった指示や励ましに偏りがちになると、子どもは理解されないと感じて孤立感を強めます。こうしたすれ違いが積み重なり、不登校を深刻化させてしまうのです。
実際に、私が家庭教師として支援した医師家庭のご兄弟がいます。お二人とも中高一貫校に通っていましたが、思春期に成績が伸び悩み、不登校の兆候が見られました。
私は英語を中心に、作文対策まで丁寧に指導しました。また、他の家庭教師もすべて私を通じて派遣し、学習体制を整えました。その結果、兄弟そろって見事に復活。最終的には 山梨大学医学部と慶應義塾大学医学部 に進学しました。
このケースは「不登校や成績不振があっても、正しい支援を受ければ医師家庭の子どもは再び力を取り戻せる」という大きな証明となりました。親御さんも「不登校は恥ずかしいことではなく、成長の一過程だ」と受け止め直すことができたのです。
このように、医師家庭の不登校には独特の背景がありますが、的確な支援と環境調整を行えば、子どもたちは十分に力を発揮し、未来へと歩み出すことができます。
「なぜ全国から、しかも医者の子どもを含む不登校の生徒が東京に集まってくるのか?」――その背景には、東京都立高校の存在と転編入制度があります。
東京都立新宿山吹高校は、全国的にも珍しい「新しい学び直しの場」として知られています。定時制・通信制高校という形態をとり、柔軟なカリキュラムで不登校経験者や学び直しを希望する生徒を数多く受け入れてきました。
この学校からは、東京大学をはじめとする難関大学の合格者も輩出されており、「不登校からでも大学進学を目指せる」という確かな実績があります。医者の子どもにとっても「不登校を経ても、再び医学部や難関大学を目指せる」ことを示す希望の象徴的な存在となっています。
東京都立高校は、転編入制度が全国の中でも特に整備されています。
これにより、不登校や引きこもりを経験した子どもでも「高校生活を取り戻す」ことができます。特に医師家庭の親御さんは「我が子にももう一度チャンスを与えたい」という思いが強く、この制度を大きな希望と捉えています。
こうした制度と実績を背景に、東京には全国から不登校の生徒が集まってきます。特に医師家庭の場合、
といった要因が重なり、実際に山形や福岡といった遠方からも相談が寄せられています。さらに、首都圏はもちろん、関西や中京地域からも数多くの問い合わせがあります。
一方で地方には、東京都立高校のような単位制高校や転編入制度が整備されていません。選択肢が限られており、あったとしても「地元で評判の悪い定時制高校」や「私立の通信制高校」に偏ってしまうのが現実です。だからこそ、東京での再スタートを目指す家庭が後を絶たないのです。
私は家庭教師としての活動を2〜3年で切り上げ、都立転編入学試験対策と新宿山吹高校を中心とした不登校塾を立ち上げました。当時、過去問は受験した本人しか入手できないもので、情報はほとんど出回っていませんでした。
そこで私は、過去問を体系的に集めてデータベース化し、さらに面接問答集も独自に作成しました。また、新宿山吹高校特有の集団面接対策にも取り組み、不登校経験者でも自信を持って受験に挑める環境を整えました。
こうした取り組みを通じて、多くの医師家庭の子どもを含む不登校生を合格へと導くことができました。現在では「医者の子どもを含め、不登校からでも再出発できる」という確かな実績が積み重なり、全国から相談が寄せられるようになっています。
医者の子どもが全国から東京に集まるのは偶然ではありません。
この3つの要因が重なり、東京は「不登校からのやり直し」を目指す家庭にとって特別な場所になっているのです。
不登校や引きこもりに悩む家庭からの相談は、首都圏に集中しています。特に医者の子どもを持つご家庭からは、東京にある支援拠点を目指してご相談いただくケースが少なくありません。実際に、当協会には関東圏だけでなく、関西・中京地域・東北・九州といった全国各地から問い合わせが寄せられています。
親御さんは口をそろえてこう言います。
「地元では子どもがやり直せる学校がない」
「評判の悪い定時制や、合わない通信制しか選択肢がなかった」
「それなら、実績のある東京で子どもを再スタートさせたい」
こうした切実な声が、全国から私たちのもとに届いているのです。
特に医師家庭の場合、経済的に上京させることが可能である一方で、地方では理解ある受け皿が限られているため、「東京での支援」を選択せざるを得ない事情があります。
また、医師という職業柄、親御さんが多忙で子どもと十分に関われないことも珍しくありません。地方で孤立するよりも、東京の支援機関に託した方が安心できるという心理も働きます。
実際、これまでに支援した医師家庭の子どもの中には、地元で不登校に陥り、親御さんが「一度環境をリセットさせたい」と考えて、東京の寮や合宿に参加させたことで生活リズムを取り戻したケースもあります。
全国から医者の子どもが集まるもうひとつの理由は、「成功事例」の存在です。
こうした実例は、同じ悩みを抱える親御さんにとって「希望の灯り」となります。口コミや紹介を通じて広がり、「うちの子にもチャンスがあるかもしれない」と全国から相談が寄せられるのです。
かつては「不登校=家庭内の問題」とされ、地域の中だけで解決しようとする風潮がありました。しかし今や、不登校や引きこもりは全国的な課題であり、支援を受ける場所を選ぶ時代になっています。
医者の子どもだからといって不登校を避けられるわけではありません。むしろ、学力や期待の高さゆえに不登校に陥るケースも少なくないのです。そして、そうした子どもたちが新しいスタートを切るために、全国から東京へ、そして私たちの協会へと支援を求めて集まっているのです。
全国から医者の子どもを含む不登校生が東京を目指すのは、
この3つの理由が重なっているからです。
「不登校は東京に行かないと解決できないのか?」と悩む方もいるかもしれません。しかし大切なのは、支援の選択肢を知り、行動に移すことです。
医師家庭の兄弟が中高一貫校に在籍していたときのことです。二人とも優秀ではありましたが、中学・高校の思春期に差しかかる時期に成績が伸び悩み、不登校の兆しが見え始めました。
私はまず、🟢STEP1|ステージ判定を行い、「学習への意欲はあるが生活リズムが乱れているステージ2」と評価。
そのうえで、英語を中心とした学習支援を担当し、作文や小論文の対策も徹底しました。
また、他教科の家庭教師もすべて私を通じて派遣し、🟤STEP5|学び直しの体制を整えました。
結果として、兄弟はそれぞれ山梨大学医学部と慶應義塾大学医学部に進学することができました。
「ステージを正しく見極め、必要な支援を的確に投入することで、子どもは再び立ち上がれる」――その証明となったケースです。
ある医師家庭の生徒は、地方の中高一貫校に通っていましたが、成績不振と家庭内のすれ違いから完全不登校に。地元には選択肢がなく、親御さんは「東京で環境を変えるしかない」と判断しました。
この生徒はまず、🟣STEP4|生活改善合宿・学生寮に参加し、規則正しい生活を取り戻しました。
毎朝の起床、食事、学習時間の習慣化を経て、自信を少しずつ回復。その後、🟤STEP5|学び直しとして都立高校へ編入しました。最終的には希望していた医療系大学に進学。地方にとどまっていれば長期化していたであろう不登校を、環境リセットと支援ステップによって乗り越えることができたのです。
医師家庭の子どもは、学力や知的関心が高い一方、不登校になった際の落差も大きく、親御さん自身が「なぜうちの子が」と強いショックを受けやすい傾向があります。
ただし、支援ステップを一段ずつ踏めば回復は早いのも特徴です。生活習慣を整え(STEP4)、学び直しを通じて成功体験を積み(STEP5)、アルバイトやインターン(🔴STEP6)に挑戦することで、短期間で社会に復帰するケースも多いのです。
注意すべきは、親御さんの「焦り」です。すぐに学力回復や医学部合格を求めるのではなく、生活改善→学び直し→自信回復という順序を守ることが、長期的に見て子どもの可能性を最大化します。
医師家庭の不登校克服には、適切な支援ステップの活用が欠かせません。
これらを組み合わせることで、兄弟そろって医学部進学や、地方からの上京による再スタートといった成功事例が数多く生まれてきました。
「医者の子どもでも不登校になる」――これは現実です。しかし同時に、「医者の子どもでも支援を受ければ必ず立ち直れる」というのも、私たちが40年以上の現場で証明してきた真実なのです。
当協会では、不登校や引きこもりに悩む子どもを「規則正しい生活 → 自信と自律 → 社会貢献」という流れで支援しています。その具体的な方法が「7つの支援ステップ」です。医師家庭の子どもに対しても、このステップを丁寧に踏んでいくことで大きな成果を上げてきました。
🟢STEP1|ステージ判定
まずは現状を把握します。医師家庭の場合、学力は高いが生活リズムが乱れている「ステージ2」、あるいは完全に引きこもり状態の「ステージ3」から支援が始まることが多いです。
🟡STEP2|親のためのコーチング
医師の親御さんは仕事の関係で「厳しく指導」しがちですが、その関わり方が逆効果になることもあります。親御さんに対し「見守りすぎず、責めすぎない」コーチングを行うのが重要です。
🔵STEP3|家庭訪問支援
忙しい親に代わって支援スタッフが訪問し、子どもと信頼関係を築きます。医師家庭の子は「親は理解してくれない」と感じやすいため、第三者の関わりが効果的です。
🟣STEP4|生活改善合宿・学生寮
長期化した不登校を改善するために、環境をリセットする合宿や寮生活を導入します。特に医師家庭は地方からの参加も多く、生活習慣の改善によって大きく変化します。
🟤STEP5|学び直し
フリースクールや通信制高校での学習を通じて、勉強への自信を取り戻します。医師家庭の子は「成績が落ちた自分はダメだ」という思い込みが強いため、小さな成功体験を重ねることが不可欠です。
🔴STEP6|アルバイト・インターン
勉強以外で自信を取り戻す場として、アルバイトや社会体験を取り入れます。親が医師である場合、家庭内では得られない「社会で必要とされる感覚」を育てるのに有効です。
🟠STEP7|社会貢献・自律支援
ボランティア活動や進学・就職を通じて、社会に自分の居場所を見つけます。医師家庭の子でも「自分は親とは違う生き方をしていい」と思えるようになることが大切です。
医師家庭の不登校は決して珍しいことではなく、むしろ特有の背景によって起こりやすい問題です。しかし、7つの支援ステップを一つひとつ踏んでいけば、子どもは必ず立ち直れる。
生活改善から学び直し、自律支援までの流れを支えることで、「医学部合格」「公務員就職」「社会での活躍」といった成果を挙げてきた数多くの事例があります。
医者の子どもだからこそ不登校になる。しかし同時に、医者の子どもだからこそ立ち直りの可能性も大きいのです。
これまで40年以上の支援を通して、多くの医師家庭のお子さんと出会ってきました。はっきり申し上げます。医者の子どもでも不登校になるのは珍しくありません。 むしろ学力への期待や環境の特殊さから、不登校や引きこもりに陥るケースは少なくないのです。
「うちの子だけがダメなのではないか」
「親である自分の責任なのではないか」
そう思い詰めてしまう親御さんは非常に多いです。しかし、それは事実ではありません。不登校は決して家庭の恥でも、親の失敗でもないのです。
医師というお仕事は、常に結果を出す世界です。そのため、親御さんは「どうすれば最短で復帰できるか」「どうやったら大学進学に間に合うか」と焦る気持ちを抱きがちです。
ですが、不登校支援の現場で確信しているのは、焦りこそが回復を遅らせる最大の要因だということです。子どもの心は時間をかけて回復し、生活のリズムを整え、少しずつ自信を取り戻していきます。
親御さんの役割は「治療者」や「監督者」ではなく、伴走者です。
これらが、子どもにとって何よりの安心になります。
不登校は「待っていれば自然に治る」ものではありません。特に医師家庭の子どもは、学力の高さや環境の厳しさゆえに、放置すれば引きこもりが長期化する危険もあります。
だからこそ、親御さんが一歩を踏み出すことが大切です。
この行動が、子どもの未来を大きく変えるのです。
医師家庭の親御さんに伝えたいのは、次のことです。
子どもは「信じてくれる人」がいる限り、必ず立ち直ります。どうか一人で抱え込まず、私たちのような支援者を頼ってください。40年以上の現場経験から、私はそう断言できます。