不登校の昼夜逆転を治したい!小学生から続く行き渋りの終止符

一般社団法人 未来自律支援機構(JADA)代表理事の杉浦孝宣です。

「うちの子、1日中ベッドで寝込んでいて……。精神科に連れて行くべきでしょうか?」

そんな切実なご相談をいただきました。中学1年生の女子。小学生時代から週2、3日の行き渋りが始まり、中1の2月になって急激に悪化。「月に2回」しか登校できず、1日中ベッドで寝込んでしまい、精神科の受診すら拒否する状態。お母様が途方に暮れてしまうのも無理はありません。

しかし、私は40年以上の支援現場で1万人以上の親子と向き合ってきた経験から、あえて断言します。
不登校は精神疾患ではありません。今、お子さんに起きているのは病気ではなく「生活習慣の劇的な乱れ」です。

病院に行く・行かないは本質的な問題ではありません。JADAは、不登校の本質は精神疾患ではなく生活習慣の乱れにあると考えているからです。薬で「生活リズム」は治りません。本質的な「自律」を目指すための、JADAの実動支援について詳しく解説します。


目次

1. 昼夜逆転の裏にある「罪悪感」と「完璧主義」

多くの親御さんは、昼夜逆転を「単なる怠け」や「遊びすぎ」だと捉えがちです。ですが、かつて深刻な不登校から立ち直ったM君の言葉は、その核心を突いています。

「日中、みんなが学校に行っている時間に動きたくない」
「学校に行っていないことを知られたくない」

これが、不登校の子どもたちが夜に活動する真の理由です。日中の明るい光は、社会からドロップアウトした自分を突きつける「責め苦」のようなものです。一方、静まり返った夜は、誰からも責められず、自分を肯定できる唯一の時間帯なのです。

また、真面目な子ほど陥るのが「完璧主義」です。
「朝一番から行けないなら、もう1日休んでしまおう」「遅刻して教室のドアを開け、みんなの注目を浴びるくらいなら、最初から行かないほうがマシだ」。こうした極端な思考が、引きこもりを長期化させます。この「完璧主義の呪縛」を解くことこそが、実動支援の第一歩となります。


2. スマホ・ゲーム依存は「原因」ではなく「結果」である

「スマホがあるから学校に行けない」と考える親御さんは多いですが、現実は逆です。「学校に行けない(居場所がない)から、スマホに逃げざるを得ない」のです。

不登校の子どもの心は、常に将来への不安や自己嫌悪でボロボロです。その苦痛を一時的に麻痺させてくれるのが、スマホやゲームという「デジタルの鎮痛剤」に過ぎません。したがって、スマホを無理やり取り上げることは、唯一の逃げ道を塞ぐことになり、ステージを3(断絶期)から4(深刻期)へと一気に悪化させるリスクがあります。

必要なのは「制限」ではなく、「スマホ以上に居心地の良い場所(実社会の居場所)」を作ること。そして、そこへ連れ出す「実動」です。


3. 実録・ドア一枚隔てた攻防戦:JPC大倉が動かした心

オンラインの画面越しや、形式的なカウンセリングでは、昼夜逆転の深い闇にいる子の心は開きません。現場で泥臭く動く「人」の力が必要です。

M君のケースでも、私は弟子のJPC(JADA公認 自律支援ペアレンツコーチ)大倉に家庭訪問を指示しました。私が厳命したのはたった二つ。「絶対に暴力的なことはするな」「とにかく、徹底して信頼関係を結べ」です。

大倉がM君の自宅を訪ねた時、M君はトイレに逃げ込み、鍵をかけて立てこもってしまいました。大倉はトイレのドアの前に座り込み、20分間語り続けました。

「僕は君を責めに来たわけじゃない。君の味方だ」
「このままだと君が将来選べる道がどんどん狭まってしまう。やり直す道はいくらでもある、一度だけでいいから話を聞いてくれ」

20分後、重いドアが数センチだけ開き、M君は「……今日は話さないけど、別の日にそっちへ行って話を聞く」と約束したのです。これが、止まっていた彼の時計が再び動き出した瞬間でした。


4. 「来たり来なかったり」の6ヶ月を伴走する

後日、M君は約束通り私の元を訪れ、通信制高校サポート校への入校を決めました。しかし、入校したからといって翌日から毎日通えるほど、不登校解決は甘くありません。

最初のうちは、来たり来なかったりの繰り返し。朝起きられず、またベッドに戻ってしまう日もありました。ここで重要なのが、JPCや学生インターンによる「見捨てない継続支援」です。

欠席するたびに繰り返し家庭訪問を行い、「昨日、君が来なくて寂しかったよ」「今日は一緒に行こうぜ」と、家族でも先生でもない「お兄さん的存在」が支え続けました。試行錯誤を繰り返すことおよそ半年。彼はついに「朝から毎日通学する」というリズムを完全に自分のものにしたのです。


5. 結び:M君の現在は、未来のわが子の姿

現在、M君は私の創業した通信制高校サポート校を卒業し、水産業を勉強するため、大学二年生として元気に大学生活を送っています。

かつて1日中寝込んでいた彼が、今は自分の適性を見つけ、社会へ向かって歩き出している。この事実は、今悩んでいる親御さんにとって最大の希望になるはずです。

もし、あなたがいま「これ以上、見守るだけでいいのだろうか」と感じているなら、それが介入のタイミングです。ステージ3を超えると、時間は解決策にはなりません。時間は解決を遠ざける「敵」になります。13歳の娘さんは、必ずまた笑顔で歩き出せます。一人で悩まず、まずは一歩踏み出してください。

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