不登校・引きこもり中学生に共通する”親の落とし穴”とは?


支援現場40年のプロが語る”本気で向き合う”ということ

中学生の引きこもり、増加する現実

「まさか、うちの子が――」

そう感じるご家庭が、年々増えています。

文部科学省の統計でも、不登校の中学生数は11年連続で過去最多。中でも”一度学校に行けなくなった子が、家からも出られなくなる”という状態、つまり”引きこもり”への進行が深刻化しています。

特に中学生という年齢は、思春期・反抗期・学力の壁・スマホ依存・人間関係の揺れなど、複数の要因が重なるタイミング。

保護者が「様子を見ているうちに」数ヶ月、半年、1年が経ち、子どもが完全に自室に閉じこもってしまうというケースも少なくありません。

私たちは、40年以上の支援経験をもとに、そうした”引きこもり予備軍”を見逃さないためのステージ判定を活用しています。

目次

放っておくと”ステージ3以上”に

「見守ることが大切」

そう言われたから何もせずにいた――これは、保護者の誤解です。

確かに”見守り”は大切ですが、何もしないことではありません。

不登校や引きこもりには、状態の段階(ステージ)があります。

  • ステージ1:疲れやストレスで休みがち
  • ステージ2:心のエネルギーが下がり、家にこもる
  • ステージ3:昼夜逆転・ゲーム依存・外出拒否(引きこもり)
  • ステージ4:親子関係悪化、暴言、暴力
  • ステージ5:将来への希望喪失、長期化

ステージ3以降に進行すると、改善に時間がかかるだけでなく、家庭内トラブル、学力の断絶、社会不安なども重なっていきます。

親が「気づいたときに行動できるか」が、回復までのスピードを大きく左右します。

不登校・引きこもり中学生に共通する”親の落とし穴”とは?

私たちが現場で出会う、引きこもり中学生のご家庭には共通点があります。

それは、保護者が次のような行動を取ってしまっていることです:

  • ❌「何を言っても無駄」と諦めている
  • ❌「刺激しないように」話しかけずにいる
  • ❌「本人の意思を尊重」と言いながらスマホ・ゲームを与えている
  • ❌ 親自身が悩みを相談できずに抱え込んでいる

しかし、これらはすべて”悪化のスパイラル”を加速させる要因です。

家庭がピリピリしていたり、親同士が責任をなすりつけ合っていたりすると、子どもはますます心を閉ざします。

逆に、親が穏やかに・安定して・同じ方向を向いて接するだけで、子どもに小さな変化が生まれ始めます。

動画で解説!「親が変われば、子どもは変わる」

YouTube動画「引きこもり中学生 親の共通点|本気で向き合え」では、

私たちが支援してきた家庭の具体例と共に、親の姿勢がどれだけ重要かを解説しています。

https://youtu.be/pmbcKFH4eJw

動画の中では、次のような問いかけをしています:

  • 「あなたは、お子さんと本気で向き合っていますか?」
  • 「家庭の中は、安心できる空気になっていますか?」
  • 「声をかける勇気、行動する覚悟、持てていますか?」

感情的に叱ったり、逆に無関心になったりする前に、”親が変わる”ことがどれだけ大きな意味を持つか――

この動画には、そのヒントが詰まっています。

7つの支援ステップとは?

当協会が実践しているのは「就職まで見据えた伴走型支援」です。

「学校に戻す」ことをゴールとせず、最終的に“自律”して社会と関わりを持てるようになるまでを支える、7つのステップがあります。

🟢ステップ1|ステージ判定

まずは現状を知ることがスタートです。
お子さんの状態が「不登校」なのか「引きこもり」なのか、どの段階にいるのかを5段階のステージで判定し、今やるべきことを明確にします。

🟡ステップ2|親のためのコーチング(最重要)

支援のすべてはここから始まります。
親御さんが正しい関わり方を理解し、夫婦間で方針を統一し、家庭の安心感を取り戻すことが鍵です。
ステップ2が整わなければ、他の支援がうまく進まないケースが多くあります。

🔵ステップ3|家庭訪問支援

信頼できる支援員や学生インターンがご家庭を訪問し、本人と無理なく距離を縮めていきます。
“話しかけられない”“何を言っても返事がない”という状態から一歩ずつ関係を築きます。

🟣ステップ4|生活改善合宿・学生寮

昼夜逆転やスマホ依存など、生活リズムの乱れを改善するため、短期合宿や学生寮で規則正しい生活を取り戻します。
強制ではなく、自分の意志で朝起き、食事し、会話する――そのきっかけをつくります。

🟤ステップ5|学び直し(通信制高校・サポート校等)

「どうせ無理」とあきらめていた勉強にも、本人のペースで向き合える環境を用意。
進路を再構築することで、自信回復にもつながります。

🔴ステップ6|アルバイト・インターン

生活と学びが安定してきたら、社会との接点へ。
職場体験やインターン、軽作業などを通じて、外との関わり方や責任感を育てていきます。

🟠ステップ7|社会貢献・自律支援

最終ステップでは、進学・就職・ボランティアなど、本人の目標に合わせた社会参加のサポートを行います。

▶ 各ステップは“型通り”ではなく、ご家庭ごとの状況に合わせてオーダーメイドで対応します。

このステップを踏むことで、たとえ長期の引きこもり状態にあっても、本人が自分の足で社会に向かって歩き出せるようになるのです。

なぜステップ2「親のコーチング」が最重要なのか?

7つの支援ステップすべてが大切ですが、ステップ2「親のコーチング」は特に重要な“土台”です。

家庭内の空気が安定していなければ、どんなに効果的な支援策も根付かず、結果として子どもが支援を拒否してしまうことがあります。

支援の現場では、次のような失敗例がよく見られます:

  • 支援員が訪問しても、親がその支援に不信感を持っている
  • 片親だけが協力的で、もう一方は無関心または否定的
  • 子どもの前で、夫婦喧嘩や口論が頻繁に起きている

こうした状況下では、子どもは安心できる居場所を家庭内に見出せず、ますます引きこもっていきます。

逆に、次のような親の変化があると、支援の成功率は格段に上がります:

  • 母親が毎朝「おはよう」と笑顔で声をかけ続けた
  • 父親が「自分の考えを押しつけないよう意識する」と言動を変えた
  • 両親が話し合い、「方針は一つにしよう」と一致団結した

実際に支援を通して、親御さんが変わった瞬間に、子どもが明るい表情を見せたり、外に出るようになったケースも数多く見てきました。

親が変わることこそ、すべての支援の起点なのです。

家庭で今すぐできる3つの親のアクション

支援に入る前から、家庭で今日から始められる関わり方があります。

1. 否定しない・比べない

「他の子は頑張ってるのに…」
「どうしてお前はダメなんだ」

――こうした言葉は、子どもの心を閉ざしてしまいます。

まずは、どんな状況でも受け止める姿勢を。子どもの中にある”回復したい気持ち”を信じることが第一歩です。

2. 毎朝決まった時間に起きて、あいさつをする

生活リズムが崩れている子に、いきなり「朝起きなさい」と言っても届きません。

親がまず自分の生活を整えること。それを毎日見せること。
「おはよう」「朝ごはんどうする?」と自然に声をかけ続けましょう。

3. 親同士の方針を一致させる

片方の親が「もう放っておけ」と言い、もう片方が「このままじゃダメ」と焦っている――

子どもは、その“温度差”を敏感に察知しています。

夫婦で話し合い、支援方針をそろえる。
これが、子どもにとって最大の安心材料になります。

保護者のよくあるお悩みとその回答

私たちの元には、日々多くの保護者からの悩みが寄せられます。 ここではその中から代表的なものを取り上げ、支援現場からの具体的なアドバイスとともに紹介します。

「夫が子どものことで何も協力してくれません…」

よくあるご相談です。 実は、ご家庭の支援がうまくいくかどうかは「夫婦の足並み」が大きなカギを握っています。

支援が成功している家庭では、たとえ最初に温度差があっても、話し合いを重ねて“共通認識”を作っています。

▶まずは、子どもに直接関わる前に「夫婦で話し合う時間」を確保しましょう。

「本人に何を言っても無視されます」

子どもが心を閉ざしているとき、言葉は届きません。 大切なのは「言葉」より「空気感」。

食卓に一緒に座る、同じ空間にいる、テレビを一緒に見る―― それだけでも信頼関係の種はまかれています。

焦らず、距離を縮めていきましょう。

「学校も支援先も行きたくないと言っています」

その気持ちも、当然です。 不登校・引きこもり状態にある子にとって、“新しい環境”は強いストレスになります。

だからこそ、まずは【家庭=安心できる場所】にすること。 ステップ2の親コーチングで環境が整えば、次のステップ(訪問支援や合宿など)への移行もスムーズになります。

今からでも間に合う!支援を始めるタイミング

「もっと早く相談していれば…」

支援を開始した多くのご家庭が、最初にそうおっしゃいます。

でも、大丈夫です。気づいた“今”が、支援を始めるベストタイミングです。

引きこもりは、決して放っておけば良くなるものではありません。 むしろ、時間が経つほど本人も「動けない理由」が増えてしまいます。

✅ 生活リズムが崩れる ✅ 外に出るハードルが上がる ✅ 家族との会話が減る

これをリセットし、回復のスタートラインに立つためには、早期の対応が必要です。

【無料相談】では、まずはステージ判定を行い、現状の把握から始めます。 保護者だけのご相談でも大丈夫です。お気軽にお申し込みください。 ▶ https://bit.ly/3Jhp5pl

まとめ:引きこもりの解決は“親の変化”から

「子どもが動かない」

多くのご家庭が、最初にそう悩みます。

でも実際は、子どもが動けるかどうかは、家庭の空気が握っています。

40年以上、1万人以上の支援を行ってきた私たちは断言します。

✅ 親が変われば、子どもは必ず動き出します。 ✅ 親が“安心と方向性”を示せば、子どもは安心して回復に向かえます。

まずは「否定しない」「同じ時間に起きる」「方針を揃える」―― 今日からでも、家庭でできることはあります。

子どもが笑顔を取り戻すために、私たちが伴走します。

まずは一歩を踏み出してください。

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