留年から高卒資格を目指す

 

高校3年生は3年間の集大成として大学受験をする人も多いでしょう。1・2年生は1年間の締めくくりとして学年末試験があり、無事クリアすれば晴れて新学期を迎えることが出来ます。単位制の高校だと、科目ごとの単位の取得の有無が問題になるので、生徒ごとに取得単位にはばらつきがあります。
 しかし、全日制の高校となると、そうはいきません。
全日制高校は必履修科目のうちで一つでも単位取得不可となると、その年度に履修した科目すべての単位が出ないことになります。
いわゆる「留年」です。これは一大事です。
卒業が1年ずれるだけでなく、精神的にも大きな負担となります。
NPOの窓口に寄せられる相談でも、留年によるものがかなり多くあります。

「周りのみんなと同じタイミングで卒業出来ない」
「一つ年下の後輩と一緒に勉強はしたくない」。

10代の気持ちはとてもナイーブで、大学入試で1年浪人してしまうのとわけが違うのです。
当然ですが、「留年」という事態は避けなければいけません。
原因としてはいくつか挙げられますが、まずは単純に試験の点数が悪いと留年に一歩近づいてしまいます。学校ごとに定められた基準点を取らないと、「赤点」となり、追試や追加レポートが待っています。多くの高校はこのような救済措置を用意しているようです。
しかし一部の私立校では、生徒の態度などを見て「留年」の文字をちらつかせ、どうにかならないかと言う保護者と生徒に、一方的に退学を迫ってくるケースもあるようです。
もう一つの原因は、欠席と遅刻の多さです。学校にきちんと行かない生徒には、これも当たり前ですが単位は出ません。
 では、実際に「留年」が決定してしまったら、どうすればよいのでしょうか。
やはり本来は、「留年」を受け入れるという決断をすべきでしょう。様々な理由があったかもしれませんが、自分の油断で招いてしまった事態です。責任を取って反省をし、一からやり直すことが大切でしょう。
しかし、学年を落とさないで卒業する道もあります。
まずは、私立の通信制高校に転校することです。サポート校と呼ばれる私立通信制高校は、1年中転校可能なところが多いです。試験の有無はそれぞれあるようですが、これなら高校生活を継続させることが出来ます。
 または、都立新宿山吹高校などの2年次欠員募集を受験する道もあります。
毎年3月に募集がありますが、一定の基準を満たしていれば受験が可能です。3教科の学力試験と面接があるので、しっかりとした準備が必要です。
さらに、高校には通わずにその先の大学や専門学校を目指す道もあります。高等学校卒業程度認定試験、「高認」受験という道です。高校を卒業しなくても大学や専門学校を受験する資格を得ることが出来ます。高校のキャンパスライフを仲間と共に送ることは出来ませんが、じっくりと大学入試の準備に専念することは出来るでしょう。
 しかし実際は、私立通信制高校に転校するケースが多いようです。学費はかかりますが、高校を卒業するには一番容易な方法かもしれません。
 

まずは留年しない努力を 

 重なりますが、まずは留年しないようにしっかり努力することが大切です。もし留年の危機に直面している方がいましたら、当会にて相談を承っております。

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杉浦 孝宣
杉浦孝宣(すぎうら・たかのぶ)は、一般社団法人未来自律支援機構(JADA)代表理事、認定NPO法人高卒支援会創業者。自身も小学3年生で不登校を経験し、その体験を原点に40年以上にわたり不登校・高校中退・引きこもり支援に携わってきた。 これまで1万人以上の相談に対応し、家庭訪問、生活改善合宿、学生寮、学び直し支援、就労支援などを通じて、多くの若者のSocial Autonomy(社会的自律)を支援している。 「子どもは必ず変われる」を信念に、学校復帰だけをゴールとせず、一人ひとりが自ら考え、行動し、社会に参加していくSocial Autonomyを目指した支援を実践している。 著書に『不登校・ひきこもりの9割は治せる』『高校中退 不登校でも引きこもりでもやり直せる』『もう悩まない!不登校・ひきこもりの9割は解決できる』など。近年は一般社団法人未来自律支援機構(JADA)を通じて、Autonomy Stage OSと7 Steps to Autonomyを体系化し、国内外へ発信している。台湾版著書も出版され、教育・福祉・行政・企業・国際社会との連携を通じて、若者のSocial Autonomyを実現する支援モデルの普及に取り組んでいる。
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