JADAが定義する「解決」とは?復学をゴールにしない“自律”へのステップ

「9割解決」と聞いて、違和感を持たれる方もいるかもしれません。

「本当にそんなに改善するのですか?」
「何をもって“解決”というのですか?」
「学校に戻れば解決なのですか?」

当然のご質問だと思います。

私は、一般社団法人未来自律支援機構(JADA)代表理事の杉浦孝宣です。
40年以上にわたり、不登校・高校中退・引きこもり・社会的に停滞した若者たちと向き合ってきました。
これまでの相談・支援実績は1万人を超えます。

だからこそ、この「9割解決」という言葉については、曖昧にせず正直にお伝えしたいと思います。

JADAが考える「解決」は、単に学校へ戻ることではありません。

私たちが目指しているのは、
本人が再び、自分の人生を動かし始めること。

つまり、
社会的自律(Autonomy)です。

この記事では、JADAが定義する「解決」とは何か、なぜ復学だけをゴールにしないのか、そして保護者として何を見極めるべきなのかを、40年以上の現場経験からお伝えします。

目次

「9割解決」と聞いて違和感を持つ方へ

この言葉だけを切り取れば、強く聞こえるかもしれません。

実際、保護者の方からもよくこう聞かれます。

  • 本当にそんなに改善するのですか?
  • 学校復帰率のことですか?
  • 通信制高校に進学したら解決ですか?
  • 一時的によくなっただけではありませんか?

率直な疑問だと思います。

なぜなら、不登校や引きこもりの問題は、そんなに単純ではないからです。

一度学校へ戻っても、また行けなくなる子もいます。
通信制高校に進んでも、その後に動けなくなるケースもあります。
大学へ進学したのに、大学不登校になるケースもあります。

だからJADAでは、「学校に戻った」「進学した」という表面的な結果だけで“解決”とは考えていません。

JADAにおける「解決」は学校復帰ではありません

ここが最も大切なポイントです。

JADAが定義する「解決」とは、
本人が自分の意思で人生を再び動かし始めることです。

例えば、

  • 朝起きられるようになった
  • 自室から出てくるようになった
  • 家族と会話するようになった
  • お風呂に入るようになった
  • 外出できるようになった
  • 面談に参加した
  • 家庭訪問を受け入れた
  • アルバイトを始めた
  • 学校へ戻った
  • 通信制高校へ転校した
  • 進学した
  • 就職した

これらはすべて、「自律への一歩」です。

もちろん、進学や就職まで行けば大きな変化です。
しかし、その前段階にある“小さな動き”こそ、本当は非常に重要なのです。

長く止まっていた子ほど、その最初の一歩が一番難しいからです。

なぜ「学校復帰=ゴール」にしないのか

40年以上この仕事をしてきて、何度も見てきた現実があります。

それは、
「学校へ戻った=人生が動き続ける」とは限らない
ということです。

例えば、

  • 学校へ戻ったが、再び不登校になった
  • 通信制高校へ進んだが生活リズムが崩れたまま
  • ネットコース中心で人との接点がない
  • 高校卒業後、そのまま家にいる
  • 大学に進学したが通えなくなった

近年、非常に増えています。

特にオンライン型の通信制高校は選択肢として意味があります。
しかし、状態によっては、
「外に出なくても卒業できる環境」が、逆に社会との接点を減らしてしまうこともあります。

表面的には、

「進学した」
「卒業した」

ように見えても、その先の人生が止まってしまっていることがあるのです。

だからJADAは、
復学だけをゴールにしません。

JADAが目指す「自律(Autonomy)」とは

JADAの中心理念は、
自律(Autonomy)
です。

これは、「一人で全部やれ」という意味ではありません。

むしろ逆です。

必要な支援を受けながらでも、自分の意思で前へ進み始めること。
それが自律です。

例えば、

  • 朝起きる
  • 外へ出る
  • 人と話す
  • 学ぶ
  • 働く
  • 将来を考える

こうした行動が積み重なることで、受け身だった人生が、主体的な人生へ変わっていきます。

JADAが目指しているのは、単なる「復学支援」ではありません。

社会的自律への支援です。

40年前から変わらないJADAの原点

今でこそ、

  • 不登校支援
  • 通信制高校
  • 学び直し

という言葉は広く知られています。

しかし40年前は違いました。

当時は、高校進学が“当たり前”の時代でした。

高校へ進めない。
高校を辞める。

それだけで、本人も家族も深く傷つく時代でした。

親戚に隠す家庭もありました。
将来を悲観する子もいました。

そんな時代に、私は東京都内でも数少ない
中卒浪人予備校「学力会」を立ち上げました。

支えていたのは、

  • 高校受験への再挑戦
  • 1年遅れての進学
  • 高校中退からのやり直し
  • 転編入による再出発

でした。

今では「やり直し」は珍しくありません。

しかし当時は、その道自体がほとんどなかったのです。

私の原点は、今も変わっていません。

止まった人生にも、必ず再出発の道はある。

これがJADAの支援哲学です。

「9割解決」とは何を意味するのですか?

ここが最もよく聞かれるポイントです。

JADAで掲げている「9割解決」という言葉を見て、

「何を母数にしているのですか?」
「学校復帰率のことですか?」
「本当にそんなに改善するのですか?」

とご質問をいただくことがあります。

当然の疑問だと思います。

だからこそ、曖昧にせずお伝えします。

JADAでいう「9割解決」とは、
学校復帰率ではありません。

また、
「全員が同じゴールへ到達した」
という意味でもありません。

杉浦孝宣が、

  • 学力会時代
  • 高卒支援会時代
  • 現在のJADA

40年以上にわたり向き合ってきた中で、
本人が自律へ向けて実質的な一歩を踏み出し、人生が再び動き始めた状態
を「解決」と定義しています。

それは、
「昨日まで部屋から出なかった子が、今日はリビングに来た」
という変化かもしれません。

「家族と会話が再開した」
かもしれません。

「家庭訪問を受け入れた」
かもしれません。

「アルバイトを始めた」
「進学した」
「就職した」
かもしれません。

大切なのは、
本人の人生が止まった状態から動き始めたかどうか
です。

具体的にどんな状態を「解決」と考えるのか

言葉だけでは分かりにくいと思いますので、具体例をお伝えします。

生活の回復

  • 昼夜逆転が改善した
  • 朝起きられるようになった
  • 食事の時間が整った
  • お風呂に入るようになった
  • 身だしなみを整えるようになった
  • 家族との会話が増えた

行動の変化

  • 自室から出るようになった
  • 自分の意思で外出した
  • 面談に参加した
  • 家庭訪問を受け入れた
  • 通院できるようになった

学びへの再接続

  • 学校復帰
  • 通信制高校への転校
  • フリースクール参加
  • 高卒認定への挑戦
  • 高校受験の再挑戦

社会との接点

  • アルバイト
  • ボランティア
  • インターン
  • ピアサポート
  • 社会活動

自律への移行

  • 進学
  • 就職
  • 将来を自分で考えて動き始めた

「学校へ戻った」だけが成功ではありません。

本人の状態によって、必要なステップは違います。

実際の成功事例|17人の再出発

実際にJADAでは、多くの子どもたちがそれぞれの形で再出発しています。

例えば、

  • 10年引きこもりから公務員になったY子さん
  • 中1不登校から自衛隊へ進んだカイト君
  • 中高一貫校不登校から公務員になったカズキ君
  • 高校中退から美大進学したG君
  • 引きこもりから農業大学進学・JA内定したケース

など、さまざまな再出発があります。

成功の形は一つではありません。

詳しい実例はこちらをご覧ください。

不登校・引きこもり成功事例17選|40年・1万人超の支援実績から見る回復の道

どれくらいで改善しますか?

これも本当によくいただく質問です。

正直にお伝えすると、ケースによってまったく違います。

比較的早く変化するケースもあります。

一方で、
長く引きこもっていたケースほど時間がかかる
ことも珍しくありません。

私はよく、

「引きこもっていた期間以上かかることもあります」

とお伝えしています。

なぜなら、頭で分かることと、身体が動くことは別だからです。

本人も、

  • このままではいけない
  • 変わらなければ
  • 将来が不安

と思っていることは少なくありません。

でも、長く動かない生活が定着すると、すぐには身体が反応しないのです。

長期化すると何が起きるか

長期化したケースでは、こんな状態になることがあります。

  • 半年以上の不登校
  • 昼夜逆転
  • ゲーム・YouTube中心
  • お風呂に入らない
  • 身だしなみの崩れ
  • 家庭内暴言
  • 家庭内暴力
  • 自室から出ない
  • 家族との会話がない
  • 外出できない
  • 電車に乗れない
  • コンビニにも行けない

これは怠けではありません。

動かない生活が身体に深く定着してしまった状態です。

今は見守るべき?それとも介入?

ここで大切なのは、感情ではなく「状態」を見極めることです。

「もう少し様子を見るべきか」
「そろそろ動くべきか」

迷う保護者の方は非常に多いです。

そんな方は、まず現在地を整理してください。

JADAでは無料のステージ判定をご用意しています。

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「まだ見守る段階か」
「すでに介入が必要か」

客観的に確認することが、最初の一歩です。

なぜJADAは「見守るだけ」に慎重なのか

誤解しないでいただきたいのですが、すべてのケースで介入が必要とは考えていません。

短期の登校しぶり。
環境調整で改善するケース。
休息が必要なケース。

もちろんあります。

ただ、長期化・深刻化したケースでは、時間だけでは改善しにくい現実を何度も見てきました。

だからJADAは、
「見守るか」「介入するか」
ではなく、
今どの段階かを見極める
ことを重視しています。

最後に|再出発の道は必ずある

もし今、

「もう遅いのではないか」
「このままずっと続くのではないか」

そう感じているなら、お伝えしたいことがあります。

止まった人生にも、必ず再出発の道はあります。

JADAの目的は、数字を誇ることではありません。

学校へ戻すことだけでもありません。

本人がもう一度、自分の人生を動かし始めること。

それが、私たちの考える「解決」です。

一人で抱え込まず、まずは今の状態を整理するところから始めてください。

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