「やはり離れて暮らす方が成長できる」――自律を確信に変えるための再スタート

「ゴールデンウィークの帰省を機に、せっかく戻り始めていた生活リズムがまた崩れてしまった……」

こうした長期休暇明けの「揺り戻し」に、頭を抱える親御さんは少なくありません。しかし、私は40年の支援経験から断言します。これは本人の意志が弱いからではなく、

実家という「安心できる場所」の構造的な限界なのです。実家は本来、心身を休める聖域。そこで自律に必要な「規律」を維持するのは、プロの目から見ても至難の業です。

今回は、中京圏から東京へと環境を変え、社会的自律への道を力強く歩み始めたM君の事例を通じて、なぜ「環境調整」こそが最優先されるべき支援なのかを詳しくお伝えします。


目次

ステージ4(長期ひきこもり)からの脱却を阻む「不作為の過失」

M君が当機構に相談に来られた際、判定は「ステージ4(長期ひきこもり)」という深刻な段階にありました。この段階に達すると、親子間での解決はほぼ不可能です。親の言葉は「雑音」となり、むしろ関係を悪化させる原因にすらなります。ここで「様子を見ましょう」と放置することは、支援ではなく『不作為の過失』であり、解決をさらに遠ざけることになります。

そこで、当機構の実働部隊であるJPC(実動支援チーム)が中京圏の自宅へアウトリーチ(訪問支援)を行いました。オンラインでの相談とは違い、スタッフが直接対面し、本人の心に寄り添いながらも、現状の行き止まりを打破するために東京へと連れ出したのです。現在は私が創業した通信制高校サポート校に入校し、学習面だけでなく、起床から就寝まで「生活全般の管理」を徹底して行っています。


「中京圏のリズム」と「東京のリズム」——保護者が確信した事実

連休中、M君は中京圏の実家へ帰省しました。そこで待っていたのは、かつての「のんびりペース」への逆戻りでした。昼夜が逆転し始め、せっかく体に馴染んでいた「自律のリズム」が崩れかけてしまったのです。

しかし、今回お父様が仰った言葉が、支援の正しさを証明してくれました。
「やはり、東京で一人で生活している時の方が、明らかにリズムが良かった。離れて暮らす方が、本人は成長できる」

このお父様の冷静な現状認識こそ、解決への第一歩です。当機構が提唱する「7つの支援ステップ」のステップ3(生活改善)において、規則正しい生活を習慣化するには、実家を離れた「外部の規律」が不可欠なのです。


スタッフが責任を持って「再起動のスイッチ」を押す

今週末、M君は再び東京の拠点へ戻ります。私たちはこのタイミングを逃しません。竹村理事長を中心にスタッフが万全の体制で迎え入れ、名古屋でののんびりムードから、東京での「自律ペース」へと、責任を持ってスイッチを切り替えさせます。

先日紹介した「アツヤ君(内田君)」も、こうした揺り戻しを何度も経験し、その度に私たちは伴走し続けました。その結果、彼は日本最高峰のメゾンへと羽ばたいたのです。M君もまた、その途上にあります。

JADA(未来自律支援機構)の強みは、画面越しの指導ではなく、「訪問」「寮」「合宿」「同行支援」という圧倒的な実動支援にあります。

本人が「やはり東京のリズムこそが、自分が輝ける場所だ」と自己効力感を実感できるまで、私たちは全力で伴走してまいります。


「うちの子も、環境を変えれば変われるのだろうか」
そう悩まれる前に、まずは科学的な視点でお子さんの現在地を可視化してください。不作為をやめることが、自律への唯一の道です。

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一般社団法人 未来自律支援機構(JADA)
代表理事 杉浦 孝宣

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杉浦 孝宣
杉浦孝宣(すぎうら・たかのぶ)は、一般社団法人未来自律支援機構(JADA)代表理事、認定NPO法人高卒支援会創業者。自身も小学3年生で不登校を経験し、その体験を原点に40年以上にわたり不登校・高校中退・引きこもり支援に携わってきた。 これまで1万人以上の相談に対応し、家庭訪問、生活改善合宿、学生寮、学び直し支援、就労支援などを通じて、多くの若者の社会的自律を支援している。 「子どもは必ず変われる」を信念に、学校復帰だけをゴールとせず、一人ひとりが自ら考え、行動し、社会に参加していく「社会的自律(Autonomy)」を目指した支援を実践している。 著書に『不登校・ひきこもりの9割は治せる』『高校中退 不登校でも引きこもりでもやり直せる』『もう悩まない!不登校・ひきこもりの9割は解決できる』など。近年は一般社団法人未来自律支援機構(JADA)を通じて、JADA Stage OSと7つの自律支援ステップを体系化し、国内外へ発信している。 台湾版著書も出版され、教育・福祉・行政・企業・国際社会との連携を通じて、若者の社会的自律支援モデルの普及に取り組んでいる。
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