支援哲学⑩|虚往実帰|なぜ私は現場主義を貫くのか

一般社団法人未来自律支援機構(JADA)代表理事 杉浦孝宣

私は40年以上、不登校・引きこもり支援に携わってきました。

しかし、私が支援を始めた頃は、今のように「不登校」や「引きこもり」という言葉すら一般的ではありませんでした。

当時あった言葉は、

「登校拒否」

「虚弱体質」

程度です。

当然、不登校支援の専門家もいません。

引きこもり支援団体もありません。

私には師匠がいませんでした。

だから、自分で答えを探すしかなかったのです。

お子さんの状態を一度整理してみませんか?

不登校と引きこもりでは対応が異なります。まずは現在の状態を5ステージ判定で確認することが大切です。

▶ 30分無料相談はこちら

目次

40年前、不登校支援という仕事は存在しなかった

40年前、学校へ行かない子どもたちは「登校拒否」と呼ばれていました。

今のように、不登校支援、引きこもり支援、親コーチング、アウトリーチ支援といった言葉はありませんでした。

高校を中退すれば、人生が終わったように扱われる時代でした。

家から出られなくなった子どもに対して、どう関わればよいのか、誰も明確な答えを持っていませんでした。

私にも師匠はいませんでした。

だから、現場で考えるしかありませんでした。

子どもに会う。

保護者の話を聞く。

家庭を訪問する。

一緒に過ごす。

失敗する。

また考える。

その繰り返しでした。

勉強だけでは子どもは救えなかった

私は最初、学習塾から支援を始めました。

学校へ行けない子。

高校を中退した子。

家から出られなくなった子。

人生を諦めている子。

そうした子どもたちと向き合う中で、最初は「勉強を教えれば何とかなる」と考えていました。

しかし現実は違いました。

勉強だけでは立ち直れない。

学力だけの問題ではない。

生活が乱れている。

親子関係が壊れている。

自信を失っている。

人との関わりを避けている。

将来を考える力がなくなっている。

では、何が必要なのか。

支援の哲学は何なのか。

私は答えを探し続けました。

空海との出会い

答えを探す中で、私は図書館などで空海の本を読みました。

空海は、日本初の私設学校とも言われる「綜芸種智院」を創設した人物です。

身分や貧富を問わず、学びの場を提供した教育者でもあります。

私は強く惹かれました。

そして、ある言葉が目に飛び込んできました。

即身成仏

虚往実帰

この二つの言葉に出会った時、私は腹の底から思いました。

「すごい人だ」

そして、私が探していた支援の哲学はここにあるのではないかと感じました。

即身成仏|未来を先に生きる

私は即身成仏を、現場の支援に置き換えて考えました。

目標を決めたら、すでに成就したつもりで行動する。

「いつか変わったら動く」のではありません。

「動くから変わる」のです。

不登校の子も同じです。

引きこもりの子も同じです。

自信がついてから動くのではありません。

動くから自信がつくのです。

これは、私が支援哲学①で書いた「未来を先に見る」という考え方にもつながっています。

▶ 支援哲学①|最初は何もないものです|なぜ私は未来を先に見るのか

虚往実帰|空っぽの人を充実させる

もう一つ、私の心に深く残った言葉が、虚往実帰です。

私はこの言葉を、こう受け止めました。

空っぽの状態で来た人が、充実した状態で帰っていく。

不安を抱えた親子が、自信を持って社会へ帰っていく。

これこそ、私がやりたかった支援だと思いました。

引きこもっている子どもたちは、本人もご両親も自信を失っています。

「もう無理です」

「この子の人生は終わりです」

「将来が見えません」

そんな状態で相談に来られます。

しかし、その状態のままでは何をやってもうまくいきません。

本人が自分を信じていない。

親も子どもを信じられなくなっている。

だから私は最初に、その子の可能性を見ます。

今の状態ではなく、未来の姿を見ます。

そして、保護者へ伝えます。

「大丈夫です」

「この子は伸びます」

「こういう力があります」

すると、最初は半信半疑だった親御さんが、少しずつ希望を持ち始めます。

保護者が変わる。

家庭の空気が変わる。

すると、子どもも動き始めるのです。

だからJADAでは、子どもの支援と同じくらい、親コーチングを大切にしています。

▶ 支援哲学⑥|親が変われば子どもも変わる

レッテルではなく可能性を見る

最近、相談の中で気になることがあります。

それは、ご両親が子どもに様々なレッテルを貼ってしまうことです。

「発達障害だから」

「起立性調節障害だから」

「HSPだから」

もちろん、本当に専門医による診断があり、適切な支援が必要なケースもあります。

しかし実際には、医療機関で正式な診断を受けていないにもかかわらず、インターネットやSNSの情報だけで、ご両親自身が判断してしまっているケースが少なくありません。

私は40年以上、不登校・引きこもり支援を続けてきました。

その経験から言えることがあります。

子どもたちは、レッテルでは変わりません。

そして、多くの場合、レッテルは問題の本質ではありません。

成功事例17選をご覧ください。

相談当初は、何かしらのレッテルをつけて相談に来られるご家庭もあります。

しかし、卒業する頃になると、そうした言葉はほとんど聞かれなくなります。

なぜでしょうか。

子ども自身が動き始めるからです。

生活が整う。

仲間ができる。

学び直す。

アルバイトをする。

社会との接点を持つ。

自信がつく。

すると、何の診断名かよりも、これから何をするかの方が大切になっていきます。

私は診断名を否定しているのではありません。

しかし、診断名が未来を決めるわけではありません。

私が見ているのは、発達障害という言葉ではなく、HSPという言葉でもなく、起立性調節障害という言葉でもありません。

その子が本来持っている可能性です。

子どもはレッテルどおりには成長しません。

10年引きこもった子が公務員になり、家庭内暴力があった子が政治家を目指しています。まずは成功事例をご覧ください。

▶ 不登校・引きこもり成功事例17選を見る

答えは現場にあった

本を読むことは大切です。

理論を学ぶことも大切です。

しかし、答えは本の中だけにはありませんでした。

答えは現場にありました。

家庭訪問。

保護者会。

生活改善合宿。

学生寮。

アルバイト。

四国遍路1200km。

子どもたちは、話を聞いて変わるのではありません。

体験して変わるのです。

私はこれを、後にLearning by Doingという言葉で整理するようになりました。

やってみる。

失敗する。

またやってみる。

人と関わる。

役割を持つ。

感謝される。

自信を取り戻す。

これが、JADAの現場主義です。

▶ 支援哲学⑦|希望は行動の後にやってくる

コウタ君が教えてくれたこと

コウタ君も、現場で変わった一人です。

コウタ君は元々、不登校だった子でした。

不登校を克服して大学進学しましたが、入学した年はコロナ禍でした。

入学式はオンライン。

大学の敷地内に入ることすら許されない状況でした。

せっかく大学へ進学したのに、人との交流もなく、自宅に閉じこもる日々が続きました。

当時は完全に引きこもり状態。

体中に発疹が出て、顔は吹き出物だらけでした。

そんな彼が、私のところへ来て言いました。

「先生、ボランティアでも何でもやるから、手伝わせてください」

私は答えました。

「お前のその自信のない状況がいいんだよ」

「後輩の引きこもり、アウトリーチ支援にぴったりだ」

そして、後輩たちの家庭訪問に同行させました。

S君をはじめ、1件1件、成果が出始めました。

部屋から出てきた子。

フリースクールに来られるようになった子。

アルバイトを始めた子。

進学を決めた子。

後輩たちが変わっていく姿を見て、今度はコウタ君自身が変わっていきました。

見違えるほど元気になり、以前のような明るさを取り戻しました。

そして受験にも励むようになりました。

現在は自衛隊幹部候補生として勤務しています。

支援される側だった子が、支援する側になる。

これこそ、JADAが目指す社会的自律です。

関連動画|コウタ君の成功事例

Mission × Passion × Action

私はこれまで多くの不登校・引きこもりの子どもたちを見てきました。

最初から自信があった子はいません。

引きこもった子は、本人もご両親も、まったく自信を失っています。

人生が終わったような状態で相談に来ます。

その状態では、何をやってもうまくいきません。

だから私は、まず本人のポテンシャルを見いだします。

そして保護者に伝えます。

「この子は大丈夫です」

「こうすれば伸びます」

「この方向なら可能性があります」

先に保護者が「やれる」と思わなければ、本人は動けません。

親が希望を取り戻す。

家庭の空気が変わる。

子どもが一歩を踏み出す。

そこからMissionが生まれます。

Missionとは使命です。

自分は何のために生きるのか。

誰の役に立つのか。

何を成し遂げたいのか。

そこにPassion、情熱が加わります。

そして最後はAction、行動です。

Mission(使命)。

Passion(情熱)。

Action(行動)。

この三つが揃った時、夢は叶うのです。

関連動画|通信制高校卒業生へ贈る言葉

JADA自律支援の三原則

40年以上、1万人以上の子どもたちと保護者を支援する中で、私は三つの原則にたどり着きました。

1. 他律を排し、自律を促す

親や支援者が人生を決めるのではありません。

本人が自ら考え、自ら選び、自ら行動できるようになることが大切です。

▶ 支援哲学⑧|他律を排し、自律を促す

2. 虚往実帰

不安を抱えて来た親子が、自信と希望を持って社会へ帰っていく。

空っぽの状態で来た子どもが、実りを持って帰っていく。

それが私の願う支援です。

3. Mission × Passion × Action

使命を持ち、情熱を持ち、行動する。

この三つが揃った時、夢は叶うのです。

保護者の皆様へ

今、お子さんが不登校でも、引きこもりでも、昼夜逆転でも、ゲーム依存でも、未来まで決まったわけではありません。

診断名やレッテルが未来を決めるわけでもありません。

大切なのは、今の状態を正しく見極め、適切な支援を入れることです。

私は40年以上の現場で学びました。

子どもは、現場で変わります。

人との出会いで変わります。

役割を持つことで変わります。

そして、行動することで未来を創っていきます。

「この子は本当に大丈夫でしょうか?」

そう感じたら、まずはご相談ください。40年以上・1万人超の支援経験をもとに、5ステージ判定と7つの自律支援ステップで現状を整理します。

▶ 30分無料相談はこちら

結び

私は40年間、不登校・引きこもり支援の現場に立ち続けてきました。

師匠はいませんでした。

だから、現場が師匠でした。

子どもたちが先生でした。

保護者が先生でした。

不安を抱えて来た親子が、自信と希望を持って社会へ帰っていく。

それが私の願う「虚往実帰」です。

そして、Mission × Passion × Action。

この三つが揃った時、夢は叶うのです。

一般社団法人未来自律支援機構(JADA)代表理事 杉浦孝宣


支援哲学シリーズ


関連する成功事例


杉浦孝宣 著書一覧


筆者プロフィール

一般社団法人未来自律支援機構(JADA)代表理事 杉浦孝宣

不登校・引きこもり支援40年以上。これまで1万人以上の子どもたちと保護者を支援。JADA Stage OS(5ステージ判定)およびJADA Autonomy OS(7つの自律支援ステップ)を体系化し、全国の家庭に対して親コーチング、家庭訪問(アウトリーチ支援)、ピアサポート、自律支援を行っている。

お子さんの未来は、
まだ変えられます。

40年以上・1万人超・9割以上の支援実績

NHK・PIVOTでも紹介された支援モデル

まずは無料で、お子さんの現在地を確認してください

LINEで簡単・すぐに分かる

LINE無料5ステージ判定

登録すると、次のことが分かります

  • お子さんの現在のステージが分かる
  • 親として今やるべきことが分かる
  • JADA Stage OSで現状を整理
  • 登録無料
  • 保護者だけでも相談できます
  • しつこい営業は一切ありません
LINE LINEで無料判定を受ける

※ご登録だけでは契約にはなりません

じっくり相談したい方はこちら

30分無料相談

現在のお子さんの状況を整理し、
今後の方向性をご提案します

  • 現在地を整理します
  • 今後の方向性をご提案します
  • オンライン全国対応
  • 保護者だけでも相談可能
  • 無理な勧誘・営業は一切ありません
30分無料相談を予約する

※相談は無料です。安心してご利用ください。

さらに詳しく知りたい方はこちら

40年以上の支援実績
1万人超の支援
9割以上の解決実績
全国・海外からの相談に対応
author avatar
杉浦 孝宣
杉浦孝宣(すぎうら・たかのぶ)は、一般社団法人未来自律支援機構(JADA)代表理事、認定NPO法人高卒支援会創業者。自身も小学3年生で不登校を経験し、その体験を原点に40年以上にわたり不登校・高校中退・引きこもり支援に携わってきた。 これまで1万人以上の相談に対応し、家庭訪問、生活改善合宿、学生寮、学び直し支援、就労支援などを通じて、多くの若者の社会的自律を支援している。 「子どもは必ず変われる」を信念に、学校復帰だけをゴールとせず、一人ひとりが自ら考え、行動し、社会に参加していく「社会的自律(Autonomy)」を目指した支援を実践している。 著書に『不登校・ひきこもりの9割は治せる』『高校中退 不登校でも引きこもりでもやり直せる』『もう悩まない!不登校・ひきこもりの9割は解決できる』など。近年は一般社団法人未来自律支援機構(JADA)を通じて、JADA Stage OSと7つの自律支援ステップを体系化し、国内外へ発信している。 台湾版著書も出版され、教育・福祉・行政・企業・国際社会との連携を通じて、若者の社会的自律支援モデルの普及に取り組んでいる。
  • URLをコピーしました!
LINE無料相談 30分無料相談
目次