本当の失敗は何もやらない事だ|なぜ私は「見守るだけ」を勧めないのか

一般社団法人未来自律支援機構(JADA)代表理事・杉浦孝宣

私は40年以上にわたり、不登校・高校中退・引きこもりの若者たちと向き合ってきました。

これまで1万人以上の相談を受けてきた中で、何度も感じてきたことがあります。

本当の失敗は、失敗することではありません。何もしないことです。

不登校や引きこもりの相談では、保護者の方からよくこう言われます。

「専門家から、しばらく見守りましょうと言われました」
「本人が動くまで待った方がいいのでしょうか」
「刺激しない方がいいと思って、何も言わないようにしています」

もちろん、不登校初期には休息や見守りが必要な時期もあります。

しかし、私は40年以上の現場経験から知っています。

見守りが放置に変わった瞬間、問題は深刻化します。

お子さんの状態が長引いている方へ

「見守るべきか」「動くべきか」は、状態によって異なります。まずは現在のステージを整理することが大切です。

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目次

「様子を見ましょう」で10年が過ぎることがある

中学2年生で不登校になったY子さんは、その後10年間引きこもりました。

最初は、親御さんも「そのうち動くだろう」と思っていました。

本人の気持ちを尊重し、無理に外へ出そうとはしませんでした。

しかし、時間だけが過ぎていきました。

10年後、24歳になった頃にご相談をいただきました。

そこから学び直しを始め、アルバイトに挑戦し、通信制高校を卒業。短大へ進学し、保育士資格を取得し、最終的には公務員として働くようになりました。

この事例から、私は二つのことを学びました。

一つは、人はいつからでも変われるということ。

もう一つは、もっと早く動けば、もっと早く楽になれた可能性があるということです。

成功事例を詳しく知りたい方へ

Y子さんをはじめ、カイト君、リョウタ君、カズキ君、タツマ君など、不登校・引きこもりから再出発した実例をまとめています。

▶ 中高生の引きこもりに悩む親必見!成功事例から学ぶ対処法17選

不登校35万人時代に必要なのは「次の一手」

現在、不登校は一部の家庭だけの問題ではありません。

小中学生の不登校は過去最多水準となり、1クラスに複数人いても珍しくない時代です。

つまり、不登校は誰にでも起こり得ます。

だからこそ大切なのは、原因探しだけで止まらないことです。

「なぜ不登校になったのか」も大切です。

しかし、それ以上に大切なのは、

これからどう動くのか

です。

2026年5月の相談実績から見えること

私は理論だけで話しているわけではありません。

現在も全国の保護者から、日々ご相談をいただいています。

2026年5月の実績では、以下のようなご相談・反応がありました。

  • 新規相談者数:13件(MOSH・LINE経由)
  • LINE友だち追加数:19件
  • LINEからの面談着座数:7件(着座率37%)
  • 成約件数:4件

数字だけを見ると小さく感じるかもしれません。

しかし、その一件一件の背景には、切実な家庭の悩みがあります。

  • 昼夜逆転で部屋から出られなくなった高校生
  • 中高一貫校で不登校になった中学生
  • ゲーム依存と家庭内暴力に悩む家庭
  • 通信制高校に通いながら引きこもり状態になった若者

相談に来られる保護者の多くは、すでに長い間悩んでいます。

「このまま見守るしかないのか」

「本人が動くまで待つべきなのか」

「親として何をすればいいのか分からない」

そうした不安を抱えながら、LINEやMOSHを通じて相談につながっています。

そして実際に相談し、親が学び、家庭の関わり方を変え、必要な支援を組み合わせた家庭から変化が生まれています。

私は40年以上の支援経験から確信しています。

行動した家庭には変化が生まれる。

もちろん、すぐに結果が出るとは限りません。

しかし、何もしなければ状況は変わりません。

だから私は今日も保護者の方にお伝えします。

本当の失敗は、失敗することではありません。

本当の失敗は何もやらない事だ。

2026年5月も、行動したご家庭から変化が始まっています

「相談するほどではない」と思っている間に、状況が進んでしまうことがあります。まずは今の状態を整理しましょう。

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見守りと放置は違う

私は「見守り」そのものを否定しているわけではありません。

子どもが疲れ切っている時、傷ついている時、心身の回復が必要な時期には、休ませることも大切です。

しかし、次のような状態が続いている場合は注意が必要です。

  • 昼夜逆転が続いている
  • 部屋からほとんど出ない
  • 親との会話がない
  • お風呂に入らない
  • ゲームや動画だけで一日が終わる
  • 学校や進路の話になると激しく拒否する
  • 家庭内暴言や暴力が出ている

この状態で「本人が動くまで待ちましょう」と言い続けると、見守りではなく放置になってしまいます。

JADAでは、状態をステージで見極めます。

ステージ1〜2なら、親の関わり方や学校との調整で改善することもあります。

しかし、ステージ3以上、つまり引きこもり段階に入っている場合は、親コーチング、家庭訪問、生活改善、第三者支援が必要になることがあります。

「見守り」で時間だけが過ぎていませんか?

今の状態が不登校なのか、引きこもり段階なのか。判断を誤ると、対応が遅れることがあります。

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成功例だけでなく、失敗例からも学んできた

私は成功例だけを見て、支援方法を作ってきたわけではありません。

うまくいかなかったケースもありました。

もっと早く出会えていれば、違う未来があったかもしれないと思うケースもありました。

中には、自ら命を絶ってしまった子もいました。

長期の治療や投薬の中で、社会との接点を失い続けた若者もいました。

もちろん、その原因を一つに決めつけることはできません。

自死や精神疾患には、さまざまな要因が重なります。

しかし、40年以上の現場で痛感してきたことがあります。

何もしない時間が長くなるほど、再出発のハードルは高くなる。

だから私は、失敗例からも学び続けてきました。

なぜ長期化したのか。

どの段階で介入すべきだったのか。

親に何を伝えるべきだったのか。

その検証を積み重ねてきたものが、現在のJADA Stage OSであり、7つの自律支援ステップです。

カイト君、リョウタ君、カズキ君のように道は開ける

動くことで変わった子どもたちはたくさんいます。

カイト君は、中学1年生で不登校となり、引きこもり状態になりました。

親とも話さず、お風呂にも入らず、部屋にこもる日々が続きました。

しかし、家庭訪問やフリースクール、通信制高校への進路変更を経て、最終的には自衛隊へ進みました。

リョウタ君も、不登校から家庭訪問、生活改善、通信制高校を経て、航空自衛隊へと進みました。

カズキ君は、中高一貫校で不登校となり、家庭内暴力や暴言もありました。

しかし、通信制高校を経て、区役所勤務という道を歩みました。

このような成功例を見ると、私はいつも思います。

人は変われる。

しかし、変化は待っているだけでは起きない。

きっかけを作る必要があります。

親が学ぶ必要があります。

本人が動ける環境を整える必要があります。

17の成功事例はこちら

「うちの子も変われるのか」と悩む保護者の方は、まず実例をご覧ください。状態が厳しく見えても、再出発した子どもたちはいます。

▶ 成功事例17選を読む

Learning by Doing|やりながら学ぶ

私は子どもたちに魚を与えません。

魚の釣り方を教えます。

なぜなら、自律とは、誰かに答えをもらうことではないからです。

自分で考える。

自分で動く。

失敗する。

改善する。

また挑戦する。

この繰り返しの中で、人は強くなります。

Learning by Doing.

やりながら学ぶ。

これは、私自身の人生そのものでもあります。

小学3年生で不登校を経験し、アメリカへ留学し、家庭教師から支援を始め、四国お遍路1200kmを子どもたちと歩き、養老乃瀧で教室を始め、JR学割問題にも取り組んできました。

最初から成功が見えていたものなど、一つもありません。

しかし、やってみなければ分かりません。

だから私は動くのです。

本当の失敗は何もやらない事だ

失敗は怖いものです。

親御さんもそうです。

「余計なことをして、子どもを刺激したらどうしよう」

「対応を間違えたら、もっと悪くなるのではないか」

そう不安になる気持ちは分かります。

しかし、私はこう考えています。

失敗は改善できます。

やり直しもできます。

しかし、何もしなかった時間だけは戻ってきません。

だから私は、今日も親御さんに伝えます。

本当の失敗は何もやらない事だ。

行動すれば、必ず何かが見えてきます。

子どもがすぐに変わらなくても、親の関わり方が変わります。

家庭の空気が変わります。

次の一手が見えてきます。

関連動画|「見守るだけ」では終わらせない支援

以下の動画では、私が「見守るだけは絶対NG」と考える理由についてお話ししています。

【見守るだけは絶対NG】これまで1万人の不登校・引きこもり相談者を支援|1クラスに2人!不登校生徒過去最多35万人|「見守らない」解決法を発信

本動画は、現在の一般社団法人未来自律支援機構(JADA)の前身である「一般社団法人不登校・引きこもり予防協会」代表理事として出演・発信したものです。

当時から一貫してお伝えしているのは、「見守ること」と「放置すること」は違うということです。

不登校初期には見守りが必要な場合もあります。しかし、長期化したケースでは適切な働きかけや環境調整、第三者支援が必要になることがあります。

本記事でお伝えした「本当の失敗は何もやらない事だ」という支援哲学にもつながる内容です。

▶ 動画を見る

不登校・引きこもりで悩む保護者の方へ

「見守るだけでよいのか」「今、動くべきなのか」と悩んでいる方は、まず現在の状態を整理しましょう。

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支援哲学②|行動が未来を変える

第一話では、私は「未来は見つけるものではなく創るもの」とお伝えしました。

では、未来は何によって創られるのでしょうか。

答えは、行動です。

親が学ぶ。

家庭の関わり方を変える。

第三者の支援を入れる。

本人が小さな一歩を踏み出す。

その積み重ねが未来を創ります。

私は「見守るだけ」を勧めません。

なぜなら、見守ることと放置することは違うからです。

失敗は改善できます。

しかし、不作為からは何も生まれません。

本当の失敗は何もやらない事だ。

これが、一般社団法人未来自律支援機構(JADA)代表理事・杉浦孝宣が40年以上の現場でたどり着いた支援哲学です。

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著者プロフィール

杉浦孝宣(すぎうら・たかのぶ)

一般社団法人未来自律支援機構(JADA)代表理事。認定NPO法人高卒支援会創業者。

小学3年生で不登校を経験。その後アメリカ留学を経て、40年以上にわたり不登校・高校中退・引きこもり支援に従事。

これまで1万人以上の相談に携わり、家庭訪問、生活改善合宿、学生寮、学び直し支援、就労支援などを通じて、多くの若者の社会的自律を支援してきた。

JADAでは「真の自律(Autonomy)」をゴールとし、JADA Stage OSと7つの自律支援ステップを体系化している。

著書に『不登校・ひきこもりの9割は治せる』『高校中退 不登校でも引きこもりでもやり直せる』『もう悩まない!不登校・ひきこもりの9割は解決できる』などがある。

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杉浦 孝宣
杉浦孝宣(すぎうら・たかのぶ)は、一般社団法人未来自律支援機構(JADA)代表理事、認定NPO法人高卒支援会創業者。自身も小学3年生で不登校を経験し、その体験を原点に40年以上にわたり不登校・高校中退・引きこもり支援に携わってきた。 これまで1万人以上の相談に対応し、家庭訪問、生活改善合宿、学生寮、学び直し支援、就労支援などを通じて、多くの若者の社会的自律を支援している。 「子どもは必ず変われる」を信念に、学校復帰だけをゴールとせず、一人ひとりが自ら考え、行動し、社会に参加していく「社会的自律(Autonomy)」を目指した支援を実践している。 著書に『不登校・ひきこもりの9割は治せる』『高校中退 不登校でも引きこもりでもやり直せる』『もう悩まない!不登校・ひきこもりの9割は解決できる』など。近年は一般社団法人未来自律支援機構(JADA)を通じて、JADA Stage OSと7つの自律支援ステップを体系化し、国内外へ発信している。 台湾版著書も出版され、教育・福祉・行政・企業・国際社会との連携を通じて、若者の社会的自律支援モデルの普及に取り組んでいる。
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