不登校、暴力、父との別居を越えて――アツヤ君が日本を代表する最高級メゾンに就職するまで

『不登校ひきこもりの9割は治せる』に登場したアツヤ君が、このたび日本を代表する最高級メゾンに就職しました。

かつて彼は、不登校、家庭内の混乱、暴力、そして父との別居という深い葛藤の中にいました。

いま、この文章を読んでおられる保護者の中にも、
「うちの子も、このまま社会から離れてしまうのではないか」
「家庭の中まで壊れてしまうのではないか」
そんな不安を抱えておられる方がいらっしゃるでしょう。

だからこそ、私はこの事実を、希望としてお伝えしたいのです。

私は40年にわたりこの現場を見てきましたが、若者は決して見捨てる存在ではありません。大人が不作為をやめ、自律へと導けば、若者はここまで羽ばたけるのです。

まず大切なのは、お子さんの「今の段階」を正しく知ることです。
感情だけで判断せず、まず現在地を把握してください。
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目次

あのアツヤ君が、日本を代表する最高級メゾンに就職した

この知らせを受けた時、私は率直に思いました。

若者は、ここまで変われるのだ。

不登校になった子は、その先の人生が閉ざされる。
ひきこもりになった子は、社会に戻れない。
家庭内で暴力が出たら、もう手遅れ。

そう考えている保護者や教育関係者は、いまも少なくありません。

しかし、それは違います。アツヤ君は、その思い込みを現実で打ち破ってくれた一人です。

彼の価値は、単に一流の就職先を得たことだけにあるのではありません。自分自身の人生を立て直しただけでなく、組織を変え、仲間を救い、壊れかけた家族関係まで修復した。私はそこにこそ、本当の意味での社会的自律を見るのです。

JADAが一貫して掲げてきた支援のゴールは、単なる復学ではありません。自らの意思で歩み、社会とつながり、自らの規範を持って生きることです。アツヤ君は、それを現実で証明してくれました。

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不登校、暴力、父との別居――2016年、彼は人生の底にいた

いまのアツヤ君だけを見れば、順風満帆に見えるかもしれません。

ですが、出発点は決して甘いものではありませんでした。

エリート家系の期待の中で育ち、私立進学校に進んだ。けれども、その環境がそのまま本人の力になるとは限りません。逃げ場のない重圧は、時に若者を深く追い詰めます。アツヤ君もそうでした。

不登校が始まり、家庭内の緊張は高まり、やがて暴力にまで至った。そして、父との別居。2016年、最初に相談に来られたのはお母さんでした。

家の中には、将来への見通しどころか、今日をどう乗り切るかという切迫感があったのです。

私は何度も申し上げていますが、不登校は怠けではありません。ひきこもりも甘えではありません。若者が限界まで追い詰められた時に出す、極めて重いサインです。

そこに対して「しばらく様子を見ましょう」と言って放置することは、支援ではありません。不作為の過失です。

もし今、ご家庭の中に
「会話が減ってきた」
「昼夜逆転が進んでいる」
「怒りや暴言が強くなっている」
そんな兆候があるなら、なおさら段階を見誤ってはなりません。

不登校か、ひきこもり初期か、家庭内暴力を伴う深刻段階か。
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若者は見捨てる存在ではない――アツヤ君は現場で自律を取り戻した

私は40年、この現場で一万人を超える若者たちを見てきました。

そこで断言できることがあります。
若者は、適切な関わりと環境があれば変わります。
見捨てる存在ではありません。

アツヤ君が変わり始めたのは、ただ居場所ができたからではありません。役割ができたからです。

高卒支援会での学生インターン時代、彼は支援される側に留まりませんでした。人の役に立つ経験、任される経験、やればできるという実感を積み重ねていったのです。

若者は、甘やかしても変わりません。説教しても変わりません。生活を立て直し、役割を持ち、自分の力が誰かの役に立つと知った時に変わるのです。

JADAが重視しているのは、規則正しい生活、自信の回復、自律、そして社会貢献へとつながる道筋です。復学だけをゴールにしていては浅い。本人が再び社会の側へ踏み出すところまで行かなければ、本当の解決にはなりません。

「うちの子も、まだ変われるのだろうか」
そう思われる保護者の方にこそ、私は申し上げたい。変われます。ただし、放置していては変わりません。

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「この組織はブラックだ。クリーンにしないと発展しない」――彼の一言が組織を変えた

アツヤ君の真価は、ここからです。

学生インターンとして現場に入った彼は、遠慮なく言いました。

「この組織はブラックだ。クリーンにしないと発展しない」

私は、この言葉を重く受け止めました。若者は、支援されるだけの存在ではありません。時に組織の盲点を見抜き、組織そのものを鍛え直す存在になります。

善意だけでは、組織は続きません。使命感だけでも、組織は健全になりません。持続可能で、働く人が守られ、次の世代に受け継げる仕組みに変わらなければ、本当の支援組織にはならないのです。

アツヤ君の率直な指摘があったからこそ、今の認定NPO法人の礎が築かれました。育休取得率の向上を含め、組織文化をより健全なものへ変えていく流れも、その延長線上にあります。

私ははっきり言います。
彼がいなければ、今の組織はなかったのです。


彼のおかげでカイト君は救われた――ピアサポートは若者の未来を変える

アツヤ君のもう一つの大きな功績は、カイト君を救ったことです。

不登校やひきこもりが深刻化し、家庭内暴力まで出ている段階では、親の声も、教師の正論も、届かなくなることがあります。そういう時に必要なのは、机上の理屈ではありません。同じ痛みを知る若者によるピアサポートです。

アツヤ君は、自分が救われただけで終わりませんでした。今度は、自分が誰かの扉を叩く側に回ったのです。

彼のおかげでカイト君は救われた。

この一点だけでも、彼がどこまで成長したかは明らかです。若者の回復とは、自分が立ち直ることだけではない。支えられた経験を、今度は他者支援へ転化できるところまで行って、初めて本物になるのです。

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父との別居を越え、今は同居している――家庭再生もまた社会的自律の証明である

私はこの点を、就職以上に重く見ています。

最初は、お母さんだけが相談に来られました。家庭は分断され、父子関係も壊れていた。けれど今、アツヤ君は父と同居するまでに関係を修復しています。

これは偶然ではありません。生活が整い、本人の自己否定が薄れ、家族の関わり方も変わり、互いに現実を引き受け直したからです。

就職だけなら、外から見える成果です。しかし、壊れかけた家族関係の修復は、内側からしか起こりません。

私は、ここに社会的自律の本質があると考えています。自分の足で立つとは、単に稼ぐことではない。自分の人生を引き受け、人との関係を再び築き直し、社会の中で役割を果たしていくことです。

アツヤ君は、その地点まで来たのです。

ここで保護者の皆さんに強く申し上げたい。家庭が壊れかけて見えても、まだ間に合います。しかし、放置してよいという意味ではありません。早く段階を見極め、早く動くことです。

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不登校・ひきこもり支援のゴールは復学ではない――社会的自律である

私は何度でも言います。

不登校・ひきこもり支援のゴールは、復学ではありません。社会的自律です。

規則正しい生活を取り戻す。
自信を回復する。
自分を律し、役割を果たす。
そして、社会に貢献する。

この一連の流れを実現してこそ、支援は本物になります。

アツヤ君は、不登校、暴力、父との別居を越え、日本を代表する最高級メゾンに就職した。しかも、組織を変え、仲間を救い、父との関係まで修復した。これ以上分かりやすい証拠はありません。

だから、保護者の皆さんに申し上げたい。希望はあります。間に合います。しかし、今動かなければなりません。

不作為は、子どもの可能性を削ります。
様子見は、家族の関係をさらに遠ざけます。
放置は、若者の自律OSを止めたままにします。

逆に、大人が不作為をやめ、適切な支援によって自律OSを再起動させれば、若者はここまで羽ばたけるのです。若者は変われます。だからこそ、大人はもう不作為をやめなければならないのです。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 不登校・ひきこもりの子どもでも、将来は社会的自律できますか?

A. はい、できます。

不登校やひきこもりは、そこで人生が終わる状態ではありません。問題は、放置して長期化させることです。生活を立て直し、第三者の支援を入れ、役割と成功体験を積み重ねていけば、若者は社会と再接続できます。

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Q2. 不登校からひきこもり、家庭内暴力に進んだ場合でも回復できますか?

A. 回復できます。ただし、様子見では改善しません。

家庭内暴力が出ている段階は、親子だけで抱え込んでよい状態ではありません。第三者の介入、生活の立て直し、具体的な支援が必要です。

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Q3. 不登校・ひきこもりで家庭内暴力がある子どもに、親だけで対応してはいけませんか?

A. 親だけで抱え込むのは危険です。

親の愛情や忍耐だけで解決しようとするほど、状況はこじれます。親子関係が膠着した局面では、外部の具体的介入が必要です。親だけでは限界がある段階があるのです。

Q4. 不登校や家庭内暴力で父と別居した場合でも、父子関係の修復は可能ですか?

A. 可能です。

生活が整い、本人の自己否定が薄れ、家族側の関わり方も変わることで、父子関係は修復に向かいます。家庭の分断が起きている段階でも、今動く意味は十分にあります。

Q5. 不登校・ひきこもり支援のゴールは復学ですか、それとも社会的自律ですか?

A. ゴールは復学ではありません。社会的自律です。

学校に戻ることだけを目標にすると、かえって親子ともに行き詰まります。規則正しい生活、自信の回復、自律、社会貢献まで含めて、若者が自分の足で立つことが本当の解決です。

FAQを読んで、「まず何をすればいいのか」と思われた方へ。
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