いじめ・中学不登校からLEC就職へ|スキー合宿を転機に3年間通ったK.S君
中学生のとき、いじめをきっかけに学校へ行けなくなったK.S君。
長く学校へ通えない状態から、高卒支援会で仲間やスタッフと出会い、スキー合宿、キャンプ、海外留学、さまざまなイベントを経験しました。
初めて参加したスキー合宿では、スタッフに上級者コースへ連れて行かれ、泣きながら「こんなところ、もう絶対来ない」と言っていました。
ところが翌年も参加。その翌年も参加し、卒業するまで毎年スキー合宿を楽しむようになりました。
そして、高卒支援会へ3年間通い続け、2026年3月に高校を卒業。長年、高卒支援会を支援してくださっているLEC東京リーガルマインドに採用されました。
学校へ行けなかった中学生が、人とつながり、さまざまな経験を重ね、自分の言葉で自分自身を語れるようになり、最後には社会で働く側へ進んだ。
これは、学校復帰だけをゴールにしないJADAの支援が目指すSocial Autonomy(社会的自律)を具体的に見ることのできる成功事例です。
いじめをきっかけに、中学時代は学校へ行けなくなった
K.S君は、中学生時代にいじめを経験しました。
人間関係で傷つき、学校へ行くことが難しくなり、不登校が長期化しました。
不登校が長くなると、問題は「学校へ行っていない」ということだけではなくなります。
- 朝起きられない
- 人と会う機会が減る
- 勉強から離れる
- 自信をなくす
- 進路について考えられなくなる
- 社会との接点が減っていく
私は40年以上、不登校・高校中退・引きこもりの子ども・若者を支援してきました。
その経験から強く感じるのは、学校へ戻すことだけを考えていても、その先の人生までは立て直せないということです。
生活を整え、人とつながり、学び、さまざまな経験をし、最終的に社会へ出ていく。
K.S君の3年間は、その過程をよく示しています。
JADAと高卒支援会は、役割を分けながら支援しています
K.S君の支援を理解するうえで、一般社団法人未来自律支援機構(JADA)と認定NPO法人高卒支援会の役割を整理しておきます。
JADAは、本人と家庭の現在地を整理し、保護者へのコーチング、支援方針の策定、必要な支援の組み立てを行う機関です。
一方、認定NPO法人高卒支援会は、本人が実際に通い、学び、人と関わり、さまざまな経験を積む実動の現場です。
高卒支援会では、フリースクール、通信制高校サポート、学習支援、進路指導に加え、合宿、キャンプ、海外留学、イベント、アルバイトや就職につながる社会経験などを通して、本人が家庭の外で人と関わりながら成長していく機会をつくってきました。
現在のJADAの支援哲学の核心は、「親へのコーチング × 本人への実動支援」です。
英語では、Parent Coaching × Direct Support for the Young Personと表現しています。
JADAが家庭と保護者への支援方針を整え、高卒支援会が本人の学び・生活・社会参加を実際の現場で支える。
この二つを連動させながら、学校復帰だけではなく、その先の進学、就職、社会参加まで支援していきます。
「もう絶対来ない」――初めてのスキー合宿
K.S君にとって、大きな転機の一つとなったのがスキー合宿でした。
初めて参加したとき、スタッフがK.S君を上級者コースへ連れて行きました。
本人にとってはかなり怖かったのでしょう。
泣きながら、「こんなところ、もう絶対来ない」と言っていました。
この場面だけを切り取れば、「合宿は失敗だった」と思うかもしれません。
しかし、実際には違いました。
スキーだけではありません。仲間と一緒に食事をし、話し、笑い、みんなで寝泊まりする。合宿全体では、K.S君は仲間たちと楽しく過ごしていました。
翌年、K.S君はまたスキー場にいた
そして翌年。
K.S君は、再びスキー合宿に参加しました。
さらにその翌年も参加。結局、卒業するまで毎年スキー合宿に参加し、楽しむようになりました。
最初の年には泣きながら「もう絶対来ない」と言っていた場所が、後には仲間と楽しむ場所になったのです。
もちろん、これは「嫌がる子を無理やり上級者コースへ連れて行けばよい」という話ではありません。
大切なのは、一度嫌がった、一度失敗した、その一場面だけでその後の可能性まで閉じないことです。
本人との関係を切らず、次の機会を残す。そして安心できる仲間や大人と経験を積み重ねていく。
K.S君の場合、その積み重ねがその後の3年間につながりました。
合宿だけではない。海外留学、キャンプ、イベントへ
K.S君が経験したのは、スキー合宿だけではありません。
海外留学、キャンプ、そのほかさまざまなイベントにも参加しました。
初めて会う人と話す。仲間と一緒に行動する。自分の役割を果たす。失敗しても、また挑戦する。人前で自分の経験を話す。
こうした経験は、教室で勉強するだけでは身につきにくい社会性を育てます。
そして、その経験は就職活動でも大きな力になります。
就職活動では、学校の成績だけを聞かれるわけではありません。
- 高校生活で何を経験したか
- 苦労をどう乗り越えたか
- 人と協力した経験があるか
- 自分自身についてどのように説明できるか
こうした質問に、自分の経験を自分の言葉で答えられることが大切です。
K.S君は、3年間にわたるさまざまな活動を通して、その材料をたくさん積み重ねていきました。
本人が顔を出して語った、不登校からの再出発
これは支援者側から見た成功談だけではありません。
K.S君本人が、自分の経験をYouTubeで語っています。
動画情報
- 動画タイトル
- いじめで不登校になった中学生が再出発!K.S君から学ぶ進学のヒント
- 公開日
- 2025年9月5日
- 公開チャンネル
- JADA 一般社団法人 未来自律支援機構【公式】不登校・引きこもり解決率90% 杉浦孝宣
- 動画URL
- 内容
- 中学時代のいじめをきっかけに不登校となったK.S君が、 高卒支援会での経験や再出発について、本人の言葉で語っている動画です。
支援を受けていた本人が、自分の過去を振り返り、人前で語れるようになる。
この変化自体も、人との関係を取り戻し、自分の経験を整理し、社会へ向かっていく過程の一つです。
3年間、高卒支援会へ通い続けた
K.S君の変化は、一度のイベントだけで起きたものではありません。
その後、高卒支援会へ3年間通い続けました。
仲間と会う。活動に参加する。学ぶ。失敗する。また来る。
こうした日常を繰り返していきました。
不登校支援では、一度学校へ行けた、一度外出できた、一度イベントに参加できた、という一回の成果だけで終わらせないことが大切です。
その経験を日常へつなげ、本人が少しずつ自分の生活を動かしていく。
そこまで支援する必要があります。
2026年3月、高校卒業。そしてLEC東京リーガルマインドへ
2026年3月、K.S君は高校を卒業しました。
そして卒業後の進路として、LEC東京リーガルマインドに採用されました。
LEC東京リーガルマインドとは、高卒支援会が長年にわたり協働してきた企業です。
10年以上にわたり、教室スペースを無償で提供していただいてきました。
その関係は、場所の提供だけでは終わりませんでした。
卒業生の採用へとつながり、2026年には2年連続で卒業生を採用していただくことになりました。
支援を受ける側だった若者が、社会で働く側へ進む。
これは、私たちが長年目指してきた姿の一つです。
ゴールは「学校へ戻ること」ではありません
K.S君の成功事例を、「不登校だった子が高校を卒業できました」だけで終わらせるつもりはありません。
学校へ戻る。高校へ進学する。卒業する。
もちろん、どれも大切な節目です。
しかし、JADAの最終目標はそこではありません。
生活を整える。人とつながる。学ぶ。社会と接点を持つ。働く。そして、自らの人生を自ら歩んでいく。
JADAでは、この状態をSocial Autonomy(社会的自律)と位置づけています。
現在の「7 Steps to Autonomy」から振り返るK.S君の歩み
K.S君を支援していた当時から、「7 Steps to Autonomy」という現在の名称を使っていたわけではありません。
40年以上の実践を後から整理し、体系化したものが現在のJADAの支援モデルです。
現在の体系から振り返ると、K.S君の歩みには次のようなプロセスが見えます。
- STEP 1 親コーチング&ステージ判定
本人と家庭の現在地を整理し、支援方針を考える。 - STEP 2 アウトリーチ・本人との接点
本人と支援者との関係をつくる。 - STEP 3 生活改善・環境調整
合宿など、家庭や学校とは違う環境で生活と人間関係を経験する。 - STEP 4 学び直し支援
高校卒業へ向けて学びを継続する。 - STEP 5 社会接点づくり
仲間、スタッフ、キャンプ、海外留学、イベントなどを通して社会との接点を増やす。 - STEP 6 進路・社会参加支援
卒業後の進路を考え、働く準備をする。 - STEP 7 Social Autonomy
2026年、LEC東京リーガルマインドに採用され、社会で働く側へ進む。
これは、現在のJADAの支援体系からK.S君の過程を振り返ったものであり、当時からこの名称で支援していたという意味ではありません。
よくある質問|K.S君の成功事例から、親が明日からできること
このFAQは、保護者が実際に迷う場面に対して、 JADAの考え方と「明日から親ができるTo Do」までを具体的に示しています。
Q1.本人が「もう絶対行かない」と言ったら、二度と誘わない方がいいですか?
一度の拒否だけで、その後の可能性まで閉じないことが大切です。
K.S君も、初めてのスキー合宿で上級者コースに連れて行かれた際、泣きながら「こんなところ、もう絶対来ない」と言いました。
しかし、合宿全体では仲間と楽しく過ごし、その後は卒業まで毎年スキー合宿に参加しました。
【明日から親ができるTo Do】
- 「何が一番嫌だった?」と一つだけ聞く
- 説得せず、まず本人の答えを最後まで聞く
- 嫌だった部分と、楽しかった部分を分けて考える
- 「もう行かなくていい」と即断せず、次の機会は残しておく
- 翌日に同じ話を何度も蒸し返さない
Q2.不登校の子に合宿やイベントへ参加させる意味はありますか?
大いにあります。
JADA・高卒支援会では、合宿やイベントを単なるレクリエーションとは考えていません。
家庭で昼夜逆転している子でも、合宿へ行けば周囲のみんなが朝起きます。
決められた時間に起きる。みんなで朝食を食べる。着替えて外へ出る。体を動かす。夜になれば休む。
暴力的に従わせるという意味ではありません。
集団生活の中では、周囲のみんなが同じ生活をしているため、家庭ではなかなか直せなかった生活リズムが、半ば強制的に規則正しい生活へリセットされます。
実際、40年以上の支援の中には、「合宿から帰ってきたら、嘘のように生活が変わった」という子も少なくありません。
また、イベントには社会性を養う大きな意味があります。
K.S君も、海外留学、キャンプ、さまざまなイベントへ参加しました。
初めて会う人と話す。仲間と一緒に行動する。役割を持つ。失敗してもまた挑戦する。自分の経験を人前で話す。
こうした経験の積み重ねは、就職活動でも大きな力になります。
K.S君は最終的に、私・杉浦孝宣と一緒にYouTube動画にも出演し、自分自身の不登校経験を語れるようになりました。
【明日から親ができるTo Do】
- 学校以外で、本人が少しでも興味を持つ活動を3つ書き出す
- スポーツ、キャンプ、旅行、ボランティアなど「人と一緒に行動する体験」を一つ探す
- 「学校へ行ったら参加させる」という交換条件にしない
- 最初から成果を求めず、まず参加する機会をつくる
- 帰宅後は「ちゃんとできた?」ではなく「何が一番印象に残った?」と聞く
- 一回嫌がったからといって、すべてのイベント参加を諦めない
- 家庭だけで生活リズムが改善しない場合は、合宿など環境そのものを変える方法も検討する
Q3.学校へ行けるようになれば、不登校は解決ですか?
JADAでは、復学だけを解決とは考えていません。
生活、人との接点、学び、進路、社会参加まで見ていきます。
【明日から親ができるTo Do】
- 起床時間を確認する
- 一日の食事回数を確認する
- 家族以外と会っているか確認する
- 勉強や進路の話が完全に止まっていないか確認する
- 「学校へ行ったか」だけを一日の評価基準にしない
Q4.本人が動かないとき、親は何をすればいいですか?
本人だけに「動きなさい」と言っても変わらない場合があります。
JADAでは、親へのコーチングと本人への実動支援を両輪で考えます。
【明日から親ができるTo Do】
- 父母で本人への対応方針を10分だけ話し合う
- 「学校へ行かせる」以外の目標を一つ決める
- 朝の声掛け方法を統一する
- スマホ、ゲーム、課金、金銭の家庭ルールを確認する
- 親の一方が厳しく、一方が全部許す状態になっていないか確認する
- 本人に一度に複数の要求をしない
Q5.見守っていれば、そのうち本人から動きませんか?
自分から動き出す子もいます。
一方で、昼夜逆転、外出なし、家族以外との接点なし、スマホ中心の生活が長期化している場合は、見守るだけでは状態が固定化することがあります。
【明日から親ができるTo Do】
- この1か月で本人が自発的に外出した回数を書く
- 起床時間を7日間記録する
- 家族以外と話した回数を確認する
- 一日のスマホ・ゲーム時間を大まかに把握する
- 「3か月前より良くなったか、同じか、悪化したか」を夫婦で確認する
変化がほとんどなければ、「もう少し様子を見る」以外の選択肢を考える時期です。
Q6.本人が「学校は嫌だけど、働くならできる」と言ったらどうしますか?
学校復帰だけにこだわる必要はありません。
年齢や状態によっては、アルバイト、ボランティア、インターン、職場見学などから社会との接点をつくる方法があります。
【明日から親ができるTo Do】
- 本人が興味を持つ仕事を3つ書き出してもらう
- 近所のアルバイト求人を一緒に見る
- いきなり応募させず、まず仕事内容を見るだけでもよい
- 家の中で毎日一つ役割を持たせる
- 「働くなら学校へ行け」と交換条件にしない
Q7.成功事例と同じことをすれば、うちの子も変わりますか?
同じ方法をそのまま真似すればよいわけではありません。
重要なのは、成功事例の「何をしたか」だけではなく、いつ、誰が、どんな状態の本人に、どの順番で関わったかを見ることです。
【明日から親ができるTo Do】
- 現在の本人の生活状態を書き出す
- 親子の会話量を書く
- 外出頻度を書く
- 学習状況を書く
- 家族以外との接点を書く
- 今一番困っていることを一つに絞る
まず現在地を整理してから、次の行動を決めます。
Q8.JADAが考える「成功」とは何ですか?
学校復帰だけではありません。
本人が、生活を整え、人とつながり、学び、働き、社会の中で役割を持つ方向へ進んでいるかを見ます。
【明日から親ができるTo Do】
今夜、次の5項目を○△×で確認してください。
- 生活リズム
- 家族との会話
- 外出
- 学び
- 社会との接点
全部を一度に直す必要はありません。
一番改善できそうな項目を一つ選び、明日から具体的な行動を一つ始めてください。
不登校の解決は、学校復帰で終わらない
K.S君の歩みが教えてくれるのは、「学校へ戻れたか、戻れなかったか」だけで子どもの未来を判断してはいけないということです。
中学時代に学校へ行けなくても、その後の人生まで決まるわけではありません。
環境を変え、人と出会い、経験を重ね、学び、働く。
その道はつくることができます。
JADAが目指しているのは、単なる不登校解決ではありません。
教育
↓
勤労
↓
納税
↓
社会貢献
へとつながり、本人が社会の一員として自分の人生を歩んでいくSocial Autonomy(社会的自律)です。
K.S君の歩みは、その過程を具体的に見ることのできる成功事例の一つです。
JADA Success Hubでは、K.S君の事例を成功事例として整理し、不登校から社会参加・就労へ進む過程を、次の家庭への支援に活かしていきます。
関連: Autonomy Stage OS / JADA Support Philosophy / 7 Steps to Autonomy / 不登校・引きこもりから再出発した成功事例
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