不登校中学生がゲーム漬け・昼夜逆転になったら?取り上げる前に親がすべきこと
「朝になっても起きず、夜通しゲームをしている」
「注意すると暴言を吐き、物に当たる」
「食事を部屋の前に置くだけで、親子の会話がない」
不登校の中学生が昼夜逆転し、ゲーム漬けになると、多くの保護者は「ゲームを取り上げるべきか」「本人が動き出すまで見守るべきか」と悩みます。
一般社団法人未来自律支援機構(JADA:Japan Autonomous Development Association)代表理事の杉浦孝宣(Takanobu Sugiura)です。私は40年以上にわたり、不登校・高校中退・引きこもりの本人と家庭を1万人以上支援してきました。
実際に支援した中学2年生は、不登校になってから半年間、部屋にこもり、1日15時間以上オンラインゲームを続けていました。保護者は専門家から「本人のエネルギーがたまるまで見守りましょう」と言われ、食事を部屋の前に置き、本人を刺激しないように生活していました。
しかし、半年後に起きたのは自然な回復ではありません。昼夜逆転が定着し、母親が声をかけると激しい暴言が返り、部屋の壁には穴が開きました。母親は、自宅の中でも本人を刺激しないよう、息を潜めて暮らす状態になっていました。
ゲームは、不登校の根本原因とは限りません。不登校や引きこもりの子どもにとって、ゲームは共通言語です。学校や友人とのつながりを失い、自信をなくした子どもにとって、ゲームが最後に残された居場所になっている場合があります。
その状態で突然スマートフォンやゲーム機を取り上げれば、親子関係をさらに悪化させ、暴言や家庭内暴力につながる危険があります。しかし、ゲームが唯一の居場所だからといって、昼夜逆転やゲーム中心の生活を無期限に認めることも支援ではありません。
大切なのは、ゲームだけを悪者にすることではなく、まず5-Stage Assessmentで本人と家庭の現在地を確認することです。父母が一枚岩となって生活の基準を整え、Stage 3以上ではJADAのような専門機関による第三者支援につなげる必要があります。
この記事で分かること
- 不登校や引きこもりの子どもにとって、ゲームが共通言語になる理由
- ゲーム機やスマートフォンを突然取り上げる危険性
- 父母が一枚岩となって決めるべき家庭の基準
- 昼夜逆転を放置してはいけない理由
- 5-Stage Assessmentで確認する相談のタイミング
- 親へのコーチングと本人への実動支援の進め方
- ゲーム漬けや引きこもりから再出発した成功事例
昼夜逆転やゲーム中心の生活が続いている場合、まずお子さんの現在地を確認してください。
ゲームは不登校・引きこもりの子どもとの「共通言語」
不登校や引きこもりの子どもにとって、ゲームは単なる娯楽ではありません。学校での居場所を失い、友人と会えなくなり、勉強にも自信をなくした本人が、かろうじて人とつながり、自分の役割を感じられる場所になっていることがあります。
ゲームの中には、分かりやすい目標があります。失敗しても再挑戦でき、努力すればレベルが上がり、オンライン上の仲間から必要とされることもあります。現実の学校生活で自信を失った子どもにとって、この体験は大きな意味を持ちます。
また、ゲームは本人と同世代の若者や支援者をつなぐ共通言語にもなります。JADAのアウトリーチ(家庭訪問)でも、最初から学校や将来の話をするのではなく、本人が遊んでいるゲーム、好きなキャラクター、攻略方法などを話題にすることがあります。
これはゲーム漬けの生活を肯定するためではありません。本人が心を閉ざしたままでは、生活改善も学び直しも始められないため、まず信頼関係をつくる入口として活用するのです。
動画|不登校・昼夜逆転・スマホ・ゲーム中心の生活から抜け出すには
ゲームだけを取り上げるのではなく、生活と社会との接点をどのような順番で回復させるのか、実際の支援経験から解説します。
ゲームだけを原因にすると対応の順番を間違える
保護者から見れば、「ゲームさえなければ学校へ行けるのではないか」と思うのは当然です。しかし、現場では次のような順番で状態が進んでいることが少なくありません。
- 学校での人間関係、学習、部活動などにつまずく
- 欠席が増え、学校との接点が減る
- 日中に家族と顔を合わせることが苦しくなり、部屋で過ごす
- 夜になると気持ちが楽になり、ゲームや動画の時間が増える
- 昼夜逆転が定着し、朝に起きられなくなる
- 注意されると暴言を吐き、親との会話を避ける
- 外出、入浴、学習、進路の話まで拒否する
この場合、ゲームは問題を深刻化させる要因の一つではあっても、最初の原因とは限りません。ゲーム機だけを取り上げても、失われた自信、生活リズム、親子関係、学びや社会との接点は戻らないのです。
実例|「見守るだけ」で家庭が限界を迎えた中学2年生
杉浦孝宣が支援した中学2年生は、不登校になってから半年間、1日15時間以上オンラインゲームをしていました。母親は「本人のエネルギーがたまるまで見守る」という助言を守り、食事を部屋の前に置き、小言を言わずに待ち続けました。
ところが、昼夜逆転は改善せず、本人との会話は減り、声をかけると「うるせえ」「死ね」といった暴言が返るようになりました。壁には穴が開き、母親は自宅の中でも本人の機嫌を損ねないよう、息を潜めて生活するようになりました。
見守ることが必要な時期はあります。しかし、見守ることと何もしないことは違います。状態が悪化しているのに同じ対応を続ければ、本人も家庭も動けない状態が固定されます。
Autonomy Stage OSと5-Stage Assessmentで現在地を確認する
Autonomy Stage OSは、本人と家庭の現在地を把握し、必要な支援を選び、Social Autonomy(社会的自律)へ進むためのJADAの中核フレームワークです。
5-Stage Assessmentは、Autonomy Stage OSの中で現在地を確認するための評価枠組みです。医学的な診断や、本人の将来を決めつけるものではありません。
| Stage | 主な状態 | 基本的な対応 |
|---|---|---|
| Stage 1 | 行き渋りがあるが、学校・友人・家族など外部との接点が残っている | 家庭の対応と学校との連携を整える |
| Stage 2 | 欠席が増え、昼夜逆転やゲーム中心の生活が始まっている | 生活基準を見直し、早期に支援計画を立てる |
| Stage 3 | 半年以上の不登校が続き、外出や家族との会話が減っている | 専門機関へ相談し、第三者との接点をつくる |
| Stage 4 | 家庭内で孤立し、起床・食事・入浴など生活全体が崩れている | 親へのコーチングと本人への実動支援を並行する |
| Stage 5 | 引きこもりが長期化し、学び・就労・将来の話を強く拒絶している | 安全を確認しながら、関係機関を含む包括的支援を行う |
Stage 1〜2では、家庭の対応と学校との連携を整えることで改善を目指せる場合があります。昼夜逆転、ゲーム漬け、親との会話断絶、外出困難、入浴拒否、進路拒否などが重なるStage 3以上では、家庭だけで抱えず、JADAのような専門機関へ相談することを推奨します。
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ゲームの方針は、必ず父母で一致させる
ゲーム機やスマートフォンを突然取り上げることは勧めません。一方で、本人が怒ることを恐れ、無制限に認め続けることも適切ではありません。
最初に行うべきことは、父母が一枚岩になることです。ゲーム、スマートフォン、夜間の通信、課金、小遣いについて、夫婦で同じ基準を決めてください。
相談現場でよくあるのが、母親は決めたルールを厳格に守ろうとしている一方で、父親が本人と一緒にゲームをしたり、母親に相談せず課金を認めたりするケースです。
一方が制限し、もう一方が例外を認めれば、本人には家庭の基準が伝わりません。父母が先に次の項目を話し合い、本人へ同じメッセージを伝えます。
- ゲームやスマートフォンを使用できる時間
- 夜間に通信を終了する時刻
- 課金を認めるか、誰が費用を負担するか
- 食事中や家族で話す時間の扱い
- 約束を守れなかった場合の対応
- 例外を認める場合の条件
これは、保護者が力で本人を支配するという意味ではありません。家庭の生活資源を提供している保護者が、学齢期の子どもへ必要な生活基準を示すということです。
昼夜逆転は絶対に放置してはいけない
JADAでは、昼夜逆転を絶対に放置してはいけないと考えています。規則正しい生活を取り戻さない限り、不登校や引きこもりの根本的な解決にはつながりません。
昼夜逆転が続けば、朝食、日中の外出、学習、家族との会話、学校や社会との接点が失われます。夜間は家族から注意されず、オンライン上に仲間もいるため、本人にとって夜の方が安心できる時間になります。そのままでは、昼夜逆転がますます固定されます。
学齢期であれば、保護者には生活の基準を示す役割があります。
- 毎日、決まった時間に継続して声をかける
- 朝はカーテンを開け、日光が入る環境をつくる
- 朝食を用意し、朝の始まりを家庭全体で示す
- 昼寝を長時間させない
- 日中に散歩、買い物、運動、家事などの役割をつくる
- 夜間のゲーム・スマートフォン・通信環境を見直す
- 1日や2日で諦めず、同じ方針を継続する
ただし、怒鳴る、暴力を使う、無理に布団から引きずり出すことを意味しません。強い抑うつ状態、睡眠障害、服薬の影響、重い精神・身体症状が疑われる場合は、安全確認と医療機関との連携を優先します。
ゲームを取り上げる前に親がすべき3つのこと
1.ゲームだけを問題の中心にしない
本人が学校へ行けなくなった経緯、友人関係、学習、部活動、教師との関係、家庭での会話を確認します。ゲームをやめさせることだけを目標にすると、本人の苦しさや不登校の背景を見落とします。
2.親子の会話を学校と注意だけにしない
「学校へ行きなさい」「ゲームをやめなさい」「将来どうするの」という話だけでは、本人は親との会話そのものを避けるようになります。
最初は「そのゲームは、どんなところが面白いの?」「どんな役割を担当しているの?」など、評価や説教をしない会話から始めます。ゲームという共通言語を、本人との接点を回復する入口として使います。
3.家庭の外に第三者との関係をつくる
親の言葉が届かなくなっている場合、親子だけで解決しようとしても対立が繰り返されます。家庭訪問を行う支援者、同世代のピアサポーター、少し年上の学生インターンなど、家庭の外に第三者との関係をつくります。
第三者が本人とゲームや趣味の話から関係をつくり、外出、運動、学び直し、進路へ段階的につなぐことで、親子だけでは動かなかった状況が変わることがあります。
Stage 3以上では、学校や保護者だけの対応に限界がある
Stage 3以上では、昼夜逆転、ゲーム漬け、会話断絶、外出困難などが重なり、保護者が声をかけるだけで本人が「責められている」と受け取ることがあります。
学校や教育委員会は、学校内での支援や教育相談はできます。しかし、本人の部屋へ出向き、昼夜逆転した生活を整え、家庭内で信頼関係をつくり、外出、学び直し、進路、就労まで継続して支援することは、通常の役割や体制では困難です。
保護者だけで本人を動かそうとしても、長年の親子関係や過去のやり取りが影響し、話し合い自体が成立しない場合があります。だからこそStage 3以上では、JADAのように親へのコーチングと本人への実動支援を両方行う専門機関へ相談することを推奨します。
JADA Support Philosophy|親へのコーチング × 本人への実動支援
JADAの支援哲学の核心は、Parent Coaching × Direct Support for the Young Person、すなわち「親へのコーチング × 子ども・若者本人への実動支援」です。
親だけが変われば解決するわけではありません。本人だけに支援者をつければ解決するわけでもありません。
保護者には、父母の方針統一、起床、食事、ゲーム、スマートフォン、課金、金銭などの家庭環境を整えていただきます。同時に、JADAは必要に応じて本人のもとへ出向き、信頼関係をつくり、生活、学び、社会との接点を回復させます。
詳しい支援哲学は、JADA Support Philosophyで説明しています。
ゲーム漬けからSocial Autonomyへ進む7 Steps to Autonomy
JADAでは、ゲームをやめさせることだけをゴールにせず、本人が社会の一員として自分の人生を歩むまでを7 Steps to Autonomyとして整理しています。
- STEP 1 親コーチング&ステージ判定
父母の方針をそろえ、5-Stage Assessmentで現在地を確認します。 - STEP 2 アウトリーチ(家庭訪問)
本人のもとへ出向き、ゲームや趣味などの共通言語から接点をつくります。 - STEP 3 生活改善・環境調整
家庭、合宿、寮などで起床、食事、運動、就寝のリズムを整えます。 - STEP 4 学び直し支援
フリースクール、通信制高校、高卒認定、大学進学など、本人に合う学びを再設計します。 - STEP 5 社会接点づくり
外出同行、校外活動、ボランティア、学生インターンなどを通じて人との接点を増やします。 - STEP 6 進路・社会参加支援
進学、アルバイト、インターン、就職など、本人が社会で役割を持つための支援を行います。 - STEP 7 Social Autonomy
本人が自ら考え、選び、行動し、教育・勤労・納税を通じて社会へ貢献する状態を目指します。
成功事例|ゲーム漬け・引きこもりから再出発した若者たち
成功事例は、単なる体験談ではありません。JADAの支援哲学と実行プロセスによって、本人と家庭がどのように変化したかを示すEvidenceです。
カイト君|中学1年の不登校から自衛隊員へ
カイト君は、中学1年生で不登校となり、7か月以上の引きこもりとゲーム中心の生活を経験しました。家庭訪問では、支援者がゲームなど本人の関心から接点をつくりました。
その後、生活改善、フリースクール、通信制高校での学び直しを経て高校を卒業し、自ら進路を選び、自衛隊員として社会へ出ました。
S君|家庭内暴力から学び直しへ
S君は、ゲームを取り上げられたことをきっかけに、物を投げる、激しい暴言を吐くなど、家庭内での問題が深刻になっていました。
ゲームの制限だけを問題にせず、親へのコーチング、アウトリーチによる信頼関係づくり、学び直しの順番で支援しました。その結果、通信制高校へ通い、大学進学を目指して勉強へ取り組むところまで変化しました。
Y子さん|約10年間の引きこもりから公務員へ
Y子さんは、中学2年生から約10年間引きこもりました。保護者へのコーチング、本人への働きかけ、生活改善、学び直しを重ね、通信制高校、短期大学、保育士を経て、公務員として働くまでになりました。
ゲーム中心だった10代や長期間の引きこもりが、本人の人生の結論になるわけではありません。家庭と支援者が諦めず、必要な順番で働きかければ、再出発の可能性があります。
ほかの実例は、JADA Success Hub/不登校・引きこもり成功事例で紹介しています。
自傷・家庭内暴力がある場合は安全を最優先する
自傷、希死念慮、リストカット、家庭内暴力、激しい暴言、物を使った威嚇などがある場合、JADAは緊急事態として捉えます。
保護者だけで本人を押さえ込んだり、その場でゲーム機やスマートフォンを力ずくで取り上げたりしないでください。本人と家族の安全確保を最優先し、状況に応じて医療機関、警察、児童相談所等との連携を提案し、解決を目指します。
JADAは医学的診断を行う機関ではありません。医療が必要な状態と、教育・生活・家庭環境への支援が必要な状態を整理し、必要な関係機関と連携しながら支援計画を立てます。
まとめ|ゲームを奪う前に、家庭の方針と支援の順番を整える
不登校や引きこもりの子どもにとって、ゲームは共通言語であり、最後に残された居場所になっている場合があります。そのため、突然取り上げることから始めると、親子関係の断絶や家庭内暴力につながる危険があります。
しかし、昼夜逆転やゲーム中心の生活を無期限に認めることも解決ではありません。JADAでは、規則正しい生活を取り戻さない限り、不登校や引きこもりの根本的な解決にはつながらないと考えています。
まず父母が一枚岩となり、ゲーム、スマートフォン、課金、起床、食事、金銭について家庭の基準をそろえてください。そして5-Stage Assessmentで現在地を確認し、Stage 3以上ではJADAのような専門機関による第三者支援を検討してください。
目標は、ゲームをやめさせることや学校へ戻すことだけではありません。親へのコーチングと本人への実動支援を両輪として、生活、学び、社会との接点をつくり直し、Social Autonomy(社会的自律)へ進むことです。
親御さんが諦めない限り、JADAも諦めません。
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昼夜逆転、ゲーム中心の生活、暴言、家庭内暴力、会話断絶、外出困難などがある場合は、家庭だけで抱え込まず、30分無料相談をご利用ください。
よくある質問
1.不登校の中学生がゲーム漬けになるのは、なぜですか?
不登校や引きこもりの子どもにとって、ゲームは共通言語です。学校へ行けず、友人関係や学習への自信を失っていても、ゲームの話であれば、同世代や支援者と自然に会話を始められる場合があります。
ゲームの中では目標や役割が分かりやすく、失敗しても再挑戦でき、オンライン上の仲間ともつながれます。そのため、学校や社会との接点を失った子どもにとって、ゲームが唯一の居場所になっていることも少なくありません。
ゲームだけを不登校の原因と決めつけず、本人とつながるための共通言語として活用しながら、学校で何があったのか、生活リズム、親子関係、外出、学習、社会との接点がどう変化したのかを総合的に確認することが重要です。
2.ゲーム機やスマートフォンを取り上げてもよいですか?
突然取り上げることは勧めません。ゲームが本人の唯一の居場所になっている場合、予告なく取り上げると、激しい暴言、物を壊す行為、家庭内暴力、親子関係の断絶につながることがあります。
一方、本人が暴れることを恐れて、昼夜を問わず無制限に認め続けることも適切ではありません。ゲーム、スマートフォン、夜間の通信、課金、金銭について、必ずご両親の方針を一致させてください。
相談現場でよくあるのが、母親は決めたルールを厳格に守ろうとしている一方、父親が本人と一緒にゲームをしたり、母親に相談せず課金を認めたりするケースです。最初に父母が一枚岩となり、使用時間、課金、約束を守れなかった場合の対応を決め、例外をつくらず同じメッセージを伝えることが必要です。
3.昼夜逆転は、そのまま見守ってもよいですか?
JADAでは、昼夜逆転を絶対に放置してはいけないと考えています。規則正しい生活を取り戻さない限り、不登校や引きこもりの根本的な解決にはつながりません。
昼夜逆転が続けば、日中の外出、食事、入浴、学習、家族との会話、学校や社会との接点が失われます。「本人が自然に朝起きるようになるまで待つ」という対応だけでは、状態が固定される可能性があります。
保護者は、決まった時間の起床、朝食、日光を浴びること、昼間の活動、長時間の昼寝を避けること、夜間のスマートフォン・ゲーム・通信環境の見直しなど、家庭の生活基準を継続して示してください。
4.朝は本人を起こし続けるべきですか?
学齢期の子どもには、保護者が生活の基準を示す必要があります。決まった時間に声をかけ、カーテンを開け、朝食を用意するなど、朝が始まる環境を継続してつくります。
ただし、怒鳴る、暴力を使う、布団から無理に引きずり出すなどの危険な方法は避けてください。強い抑うつ状態、服薬の影響、睡眠障害、重い心身の症状が疑われる場合は、医療機関との連携も必要です。
5.父母が「一枚岩になる」とは、具体的に何をするのですか?
父母が本人の現状と支援目標を共有し、起床、食事、スマートフォン、ゲーム、課金、小遣い、学校、進路について、同じ基準で対応することです。
一方がゲームを制限し、もう一方が課金を認める状態や、一方が生活改善を求め、もう一方が無関心という状態では、本人へ一貫したメッセージが伝わりません。まず保護者同士で対応方針をそろえることが、Parent Coachingの出発点です。
6.ゲーム漬けの状態は、Autonomy Stage OSのどのStageですか?
ゲーム時間だけではStageを判断できません。欠席期間、昼夜逆転、家族との会話、外出、入浴や歯磨き、学習、進路への意欲などを総合して確認します。
ゲームをしていても家族と会話し、外出や学校との接点が保たれている場合と、昼夜逆転、会話断絶、外出困難、入浴拒否などが重なっている場合では、必要な支援が異なります。5-Stage Assessmentは、本人と家庭の現在地を整理するための評価枠組みです。
7.どの段階で専門家へ相談すべきですか?
行き渋りや欠席の増加が見られるStage 1〜2では、家庭の対応と学校との連携を整えることで改善を目指せる場合があります。
一方、半年以上の不登校、昼夜逆転、ゲーム漬け、親との会話断絶、外出困難、入浴拒否、進路拒否などが重なるStage 3以上では、家庭だけで抱えず、JADAのような専門機関へ相談することを推奨します。
8.Stage 3以上では、なぜ第三者による支援が必要なのですか?
Stage 3以上では、保護者が声をかけるだけで、本人が「責められている」「また学校の話をされる」と受け取ることがあります。親子関係だけで状況を動かすことが難しくなっているため、保護者だけで解決しようとすることには限界があります。
学校や教育委員会は、学校内での支援や教育相談はできます。しかし、本人の部屋へ出向き、昼夜逆転した生活を整え、家庭内で関係をつくり、外出、学び直し、進路、就労まで継続して支援することは、通常の役割や体制では困難です。
そのため、Stage 3以上では、JADAのように親へのコーチングと本人への実動支援の両方を行う専門機関へ相談することを推奨します。家庭と専門家が一枚岩となって本人へ働きかけることが、Social Autonomyへの第一歩です。
9.暴言や家庭内暴力がある場合は、どうすればよいですか?
本人と家族の安全確保を最優先してください。ゲーム機やスマートフォンをその場で力ずくで取り上げたり、保護者だけで本人を押さえ込もうとしたりすると、状況が悪化する危険があります。
自傷、希死念慮、リストカット、家庭内暴力、激しい暴言、物を使った威嚇などがある場合、JADAでは緊急事態として捉えます。状況に応じて、医療機関、警察、児童相談所等との連携を提案し、解決を目指します。
10.ゲーム漬けや引きこもりの状態からでも再出発できますか?
再出発できます。杉浦孝宣(Takanobu Sugiura)が実際に支援したカイト君は、中学1年生で不登校となり、ゲーム中心の生活と引きこもりを経験しました。その後、家庭訪問、生活改善、学び直しを経て通信制高校を卒業し、自衛隊員として社会へ出ました。
また、中学2年生から約10年間引きこもったY子さんも、親へのコーチング、本人への働きかけ、学び直しを重ね、通信制高校、短期大学、保育士を経て、公務員として働くまでになりました。
目標は、単にゲームをやめることや復学することではありません。生活を整え、人とつながり、学び、働き、自分で考えて行動するSocial Autonomyへ進むことです。本人が相談を拒否していても、保護者だけで相談できます。
監修・執筆
杉浦孝宣(Takanobu Sugiura)
一般社団法人未来自律支援機構(JADA:Japan Autonomous Development Association)代表理事
認定NPO法人高卒支援会 会長
40年以上にわたり、不登校・高校中退・引きこもりの子ども・若者と家庭を支援。1万人超の支援経験と9割以上の解決実績をもとに、親へのコーチングと本人への実動支援を組み合わせ、生活改善、学び直し、進学、就職、Social Autonomyまで一貫して支援しています。
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