ステップアップスクールに載る生徒達

―この学校に来たきっかけは?
藤田 僕は高校1年生の11月から来ています。ある理由で全日制高校を9月に退学になって、2カ月くらいアルバイトをしながら次の学校を探していたんです。そんなとき、インターネットでこの学校のことを知り、「ここなら自分でも通えそうだ」と思い、すぐに面接を受けに来ました。
寺井 私も全日制高校から移って来ました。1年生のとき単位不足になって、進級できなくなってしまったからです。この学校のことは親が調べてくれました。自由な雰囲気だって聞いていたんですが、実際に相談に来てみるとその感じが伝わってきて、先生に「来てみる?」と聞かれ、「はい!」と即答しました。
R.H 4月に私立の全日制高校に入学したんですが、校則が厳しすぎて強制的に髪を切られたことに嫌気がさし、1週間で辞めてしまいました。その後インターネットでNPO法人教育支援協会連合会のHPを見つけ、そこに無料教育相談をやっています、と書かれていたので、電話をかけてみたんです。高校を中退したけど、やっぱり全日制高校には通いたい、どうしたらいいでしょうか、と。すると、その協会の理事がこの学校の先生で、「8月の都立高校の転入試験に向けていろいろとアドバイスできるよ」といってくれたので、ここに入ることにしたんです。おかげで試験に合格することができました。9月からは都立の高校に行くことになっています。


―今の1日のスケジュールは?
藤田 僕は、月・水・金の週3日登校です。朝は10時からなので、わりとゆったりできます。ここは授業が10時から3時までなので、5時のアルバイトの始業に合わせて、4時くらいまで学校で友だちとしゃべっていることが多いですね。
寺井 私は週5回の毎日登校で、10時くらいに学校に来て3時までいるという感じです。ちょっと遅く来てしまったときは、その分居残ることもあります。
―授業はどう?
藤田 基本的にレポート学習を中心にやっているんですが、近くに先生が付いてくれているので、わからないことがあったらすぐ聞けるのがいいですね。
寺井 レポートもきちんとやらなきゃ結構難しいので、真面目に取り組んでいます。たま~に提出が遅れることもありますけど……。
R.H 僕の場合は転入試験が控えていたので、レポートを早めに終わらせて、試験対策の勉強を頑張るという感じでした。
―先生はどう?
藤田 若い先生もいるので、友だち感覚で付き合えます。中学や前の高校の先生とはまったくタイプが違うというか、生徒と一体化しているような感じなんです。ここに来るまではそんな先生がいるなんて想像もできなかったです。
R.H わずかな期間でしたが、先生と生徒の差がない、こんなアットホームな雰囲気を体験できて良かったと思います。
寺井 生徒同士も仲良しですよ。先輩と後輩のカベがなくて、だれにでもいいたいことは何でもいえるような関係です。

―この学校に来て思い出に残ることは?
藤田 やっぱり三重県の本校スクーリングですね。僕はもう4回行きました。2泊3日の行程で近くのホテルに泊まり、伊勢神宮や伊賀忍者村などにも遊びに行きました。
寺井 みんなで寝泊りするのが楽しいですね。朝方まで部屋でしゃべりまくっていました。おかげで昼は眠くて眠くて……。
藤田 今はみんなと居ることが自然なので気づかないのかもしれませんが、卒業したあとに、みんなと過ごした時間がすごく懐かしくなる気がするんです。だから今の学校生活を大切にしたいと思っています。
R.H そうですね。僕はもうすぐここを出るんですが、先輩がみんな親切に接してくれたので、ちょっと寂しくなります。ここで過ごした日々をいい思い出にしたいです。
―この学校のいいところは?
藤田 自由で温かいところです。学校の出入りがいつでもできるし、友だちも先生も隔てなく話すことができます。そういう束縛感のないところが自分には合っていると思います。
寺井 私は前の学校で単位不足になってしまったので、きちんと単位を取得させてくれるところがいいですね。レポートも大変ですが、その分しっかりサポートしてくれるので、卒業まで安心して居られます。
―将来の夢は?
藤田 具体的にこの職業という夢はないんですが、来年から中国へ留学することが決まりました。4年間ほど上海の方へ行きます。行ってみてこれがやりたいっていうものが見つかるとうれしいですね。
寺井 昔からネイルに関心があったのでネイルアーティストになりたいんです。卒業したらそのための専門学校に進学したいと考えています。
R.H 僕は大学進学が当面の目標です。新しい学校に転入してもしっかり頑張りたいと思います。

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杉浦 孝宣
杉浦孝宣(すぎうら・たかのぶ)は、一般社団法人未来自律支援機構(JADA)代表理事、認定NPO法人高卒支援会創業者。自身も小学3年生で不登校を経験し、その体験を原点に40年以上にわたり不登校・高校中退・引きこもり支援に携わってきた。 これまで1万人以上の相談に対応し、家庭訪問、生活改善合宿、学生寮、学び直し支援、就労支援などを通じて、多くの若者の社会的自律を支援している。 「子どもは必ず変われる」を信念に、学校復帰だけをゴールとせず、一人ひとりが自ら考え、行動し、社会に参加していく「社会的自律(Autonomy)」を目指した支援を実践している。 著書に『不登校・ひきこもりの9割は治せる』『高校中退 不登校でも引きこもりでもやり直せる』『もう悩まない!不登校・ひきこもりの9割は解決できる』など。近年は一般社団法人未来自律支援機構(JADA)を通じて、JADA Stage OSと7つの自律支援ステップを体系化し、国内外へ発信している。 台湾版著書も出版され、教育・福祉・行政・企業・国際社会との連携を通じて、若者の社会的自律支援モデルの普及に取り組んでいる。
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2026年度高卒支援会卒業式の集合写真。JADAロゴ入り。

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