支援哲学⑦|希望は行動の後にやってくる|なぜ私は小さな一歩を重視するのか

一般社団法人未来自律支援機構(JADA)代表理事 杉浦孝宣

不登校や引きこもりの相談を受けていると、保護者からよく聞く言葉があります。

「本人がやる気になったら動くと思います」

「まずは本人が変わろうと思わないと」

確かに、そのお気持ちはよく分かります。

しかし、40年以上にわたり1万人以上の子どもたちを支援してきた私は、少し違う景色を見てきました。

実際には、

「やる気が出たから動く」のではなく、「動いたからやる気が出る」

ことの方が圧倒的に多いのです。


目次

希望は待っていても生まれない

引きこもり状態の子どもたちは、希望を失っているように見えます。

  • 学校に行けない
  • 友達とも会わない
  • 将来の話を嫌がる
  • 親と話さない
  • 昼夜逆転
  • ゲームばかり

そんな姿を見ていると、親は「まず希望を持ってほしい」と願います。

しかし現実は逆です。

希望は待っていても生まれません。

小さな行動の積み重ねの中から生まれるのです。


カイト君も最初は何も変わらなかった

カイト君は中学1年生のゴールデンウィーク明けから不登校になりました。

昼夜逆転。

ゲーム中心の生活。

親との会話も減っていきました。

当時のカイト君に、

「将来は自衛隊に入りたいか?」

と聞いても、おそらく答えは「分からない」だったでしょう。

しかし、

  • 家庭訪問を受ける
  • フリースクールに来る
  • 同世代と話す
  • イベントに参加する

そうした小さな行動を積み重ねるうちに、自分の未来が見えるようになりました。

そして現在は自衛隊で活躍しています。

行動が先だったのです。

カイト君の成功事例はこちら


リョウタ君は1日1食だった

リョウタ君は、

  • カップラーメンだけ
  • 1日1食
  • 昼夜逆転
  • 完全な引きこもり

という状態でした。

航空自衛隊に入りたいなどとは、一言も言っていませんでした。

しかし、

  • 家庭訪問
  • 通信制高校への転校
  • 生活改善
  • 仲間との出会い

こうした経験を積む中で、少しずつ未来を考えられるようになりました。

結果として、航空自衛隊への入隊を実現しました。

希望は最初からあったのではありません。

行動の後に生まれたのです。

リョウタ君の成功事例はこちら


ショータ君も「友達はいらない」と言っていた

1年半引きこもったショータ君も同じです。

通信制高校へ入学した当初、彼は

「友達なんて作らなくていい」

と言っていました。

ところが、

  • イベントに参加する
  • 仲間と話す
  • 少しずつ外へ出る

ようになると考え方が変わりました。

農業大学へ進学し、そしてJA内定を獲得しました。

最初から希望に満ちていたわけではありません。

一歩動いたから未来が見えたのです。

ショータ君の成功事例はこちら


JADAが重視するのは「次の一歩」

私たちは、

「将来どうしたい?」

と問い続けるより、

「次に何をやってみようか?」

を大切にしています。

  • 散歩でもいい
  • 面談でもいい
  • 家庭訪問でもいい
  • フリースクールでもいい
  • アルバイトでもいい

どんなに小さな一歩でも構いません。

その一歩が、未来を変えるからです。


7つの自律支援ステップも同じ考え方です

JADAの7つの自律支援ステップは、一気に社会復帰を目指す仕組みではありません。

  1. ステージ判定
  2. 親コーチング
  3. 家庭訪問・アウトリーチ支援
  4. 居場所づくり
  5. 学び直し
  6. 社会参加
  7. 社会的自律

一段ずつ階段を上るように進んでいきます。

だからこそ、多くの子どもたちが再出発できるのです。


保護者の皆様へ

今、お子さんに希望が見えなくても大丈夫です。

希望がないから動けないのではありません。

動き始めることで希望が生まれるのです。

まずは小さな一歩から。

親だけで抱え込まず、現状を整理するところから始めてみてください。

その一歩が、未来を変えるかもしれません。


支援哲学シリーズ


成功事例17選

Y子さん(10年引きこもり→公務員)

カイト君(不登校→自衛隊)

カズキ君(中高一貫校不登校→区役所勤務)

リョウタ君(引きこもり→航空自衛隊)

ショータ君(1年半引きこもり→JA内定)

アツヤ君(長期引きこもり→最高級メゾン就職)

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杉浦孝宣 著書一覧


一般社団法人未来自律支援機構(JADA)
代表理事 杉浦孝宣

40年以上にわたり不登校・引きこもり支援に従事。1万人以上の支援実績をもとに、JADA Stage OSと7つの自律支援ステップを体系化し、全国のご家庭を支援している。

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杉浦 孝宣
杉浦孝宣(すぎうら・たかのぶ)は、一般社団法人未来自律支援機構(JADA)代表理事、認定NPO法人高卒支援会創業者。自身も小学3年生で不登校を経験し、その体験を原点に40年以上にわたり不登校・高校中退・引きこもり支援に携わってきた。 これまで1万人以上の相談に対応し、家庭訪問、生活改善合宿、学生寮、学び直し支援、就労支援などを通じて、多くの若者の社会的自律を支援している。 「子どもは必ず変われる」を信念に、学校復帰だけをゴールとせず、一人ひとりが自ら考え、行動し、社会に参加していく「社会的自律(Autonomy)」を目指した支援を実践している。 著書に『不登校・ひきこもりの9割は治せる』『高校中退 不登校でも引きこもりでもやり直せる』『もう悩まない!不登校・ひきこもりの9割は解決できる』など。近年は一般社団法人未来自律支援機構(JADA)を通じて、JADA Stage OSと7つの自律支援ステップを体系化し、国内外へ発信している。 台湾版著書も出版され、教育・福祉・行政・企業・国際社会との連携を通じて、若者の社会的自律支援モデルの普及に取り組んでいる。
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2026年度高卒支援会卒業式の集合写真。JADAロゴ入り。

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