引きこもりから松屋で週5勤務へ|13回の不採用を越えたK君と親がやめた3つのこと
「学校に行きなさい」
「早く起きなさい」
「いつまでこんな生活をしているの」
K君が不登校になってから、お母さんは何とか学校へ戻そうと、繰り返し注意し、叱っていました。
しかし、言えば言うほどK君は動かなくなり、やがて部屋に引きこもるようになりました。
一方、お父さんの考え方は正反対でした。
「放っておけば、そのうち治るでしょう」
お母さんは焦って働きかける。
お父さんは楽観的に見守る。
父母の対応は、バラバラでした。
一般社団法人未来自律支援機構(JADA:Japan Autonomous Development Association)代表理事の杉浦孝宣です。
私は40年以上、不登校・高校中退・引きこもりの子ども・若者とその家庭を支援し、1万人を超える相談・支援に関わってきました。
JADAへ相談に来られた時点で、K君はすでに5-Stage AssessmentでStage 3以上、つまりJADAでは引きこもり状態として捉え、本人への介入を検討する段階に入っていました。
そこで最初に取り組んだことの一つが、お父さんを支援に巻き込むことでした。
私はお父さんに、Stage 3以上まで進んでいる場合、「放っておけば自然に良くなる」と楽観的に考えるだけではなく、お母さん一人に対応を任せず、父親として支援に参加してもらう必要があることを伝えました。
同時に、お母さんにも「学校へ行け」「早く起きろ」と繰り返し本人を追い詰める対応を見直してもらいました。
つまり、K君の支援で最初に行ったのは、
「母親だけを変えること」ではありません。
父親と母親、双方の対応を見直し、家庭として同じ方向を向けるようにすることでした。
しかし、それだけでK君が部屋から出たわけでもありません。
ここから、当機構がアウトリーチ(家庭訪問)を行い、K君本人へ直接働きかけました。
そして、外出、生活改善、学生寮での生活、通信制高校サポート校での人との接点づくり、アルバイト応募、面接練習へと、段階的に支援を進めていきました。
すぐに結果が出たわけではありません。
不採用になっても挑戦を続けました。
そして、
13回の不採用を経験。
それでも挑戦を続け、14回目の面接で松屋に合格しました。
その後、週5日勤務するまでになりました。
K君は週5日勤務を継続しているため、JADAでは引きこもり状態は解決したと捉えています。
ただし、JADAの最終目標は引きこもりの解決だけではありません。その先のSocial Autonomy(社会的自律)へ向けた歩みは続きます。
Parent Coaching × Direct Support for the Young Person
親へのコーチング × 子ども・若者本人への実動支援
です。
この記事では、K君本人とお母さん、それぞれの実際の動画も紹介しながら、
- なぜK君は不登校から引きこもりへ進んだのか
- お母さんは何をやめたのか
- 「放っておけば治る」と考えていたお父さんを、どう支援に巻き込んだのか
- アウトリーチで本人へどう働きかけたのか
- なぜ学生寮や通信制高校サポート校が必要だったのか
- なぜ13回の不採用を経験しても、14回目までアルバイトへの挑戦を続けられたのか
- 週5勤務まで、どのような支援を積み重ねたのか
を具体的に紹介します。
K君はなぜ不登校から引きこもりへ進んだのか
K君の問題は、ある日突然始まったわけではありません。
最初は不登校でした。
学校へ行けなくなったK君を見て、お母さんは焦りました。
「学校に行きなさい」
「早く起きなさい」
「このままでどうするの」
親として心配だからこその言葉です。
しかし、本人がすでに動けなくなっている状態で同じ言葉を繰り返しても、状況は良くなりませんでした。
K君は次第に家族との接点を減らし、生活リズムも崩れ、家庭の外とのつながりも失っていきました。
そして、不登校から引きこもり状態へ進んでいきました。
一方、お父さんは、
「放っておけば、そのうち治るでしょう」
と考えていました。
つまり、この家庭では、
お母さんは「何とか動かそう」とする。
お父さんは「本人が動くまで待とう」とする。
父母が正反対の方向を向いていたのです。
不登校・引きこもり支援では、本人への対応だけを見るのではなく、家庭の中で父母がどのような方針を取っているのかを確認することが重要です。
相談時、K君はすでにStage 3以上でした
JADAでは、学校への出席日数だけで本人の状態を判断しません。
起床・睡眠、食事、入浴・身だしなみ、家族との会話、外出、家庭外の居場所、家族以外との接点、ゲーム・スマートフォン、学びなど、生活全体と社会との接点から現在地を整理します。
そのAssessment Frameworkが、5-Stage Assessment(5ステージ判定)です。
JADAでは、
Stage 1~2=主に不登校の段階
Stage 3以上=引きこもり状態として捉える段階
と整理しています。
K君の相談時は、すでにStage 3以上でした。
そのため、「本人が自分から動き出すまで待ちましょう」という対応だけではなく、家庭の対応を整えることと、本人へ直接働きかけることの両方が必要だと判断しました。
JADAの5-Stage Assessment(5ステージ判定)を詳しく見る
最初に、お父さんとお母さんの対応をそろえる
K君のケースで重要だったのは、お母さんだけに対応を任せなかったことです。
お母さんには、本人を心配するあまり、
「学校へ行きなさい」
「早く起きなさい」
と繰り返し追い立てる対応を見直してもらいました。
一方、お父さんには、
「Stage 3以上まで進んでいる状態で、放っておけば自然に良くなると考えるだけでは十分ではありません」
と伝え、父親として支援に参加してもらうようコーチングしました。
これは「父親が厳しく叱ればよい」という意味ではありません。
父母がそれぞれ別の方向から本人を動かそうとするのではなく、
- 本人の現在地を共通認識にする
- 父母の対応方針をそろえる
- 生活上の基準を確認する
- 母親一人に対応を背負わせない
- 必要な第三者支援を受け入れる
という家庭側の土台をつくることです。
ここがParent Coachingの役割です。
K君の親がやめた3つのこと
K君の事例を「親が変わったから解決した」という一言で終わらせてはいけません。
しかし、家庭側の対応を変えることが重要なスタートだったのも事実です。
特に大きかったのが、次の3つです。
1.正論で追い詰めることをやめる
「学校へ行きなさい」
「早く起きなさい」
「このままで将来どうするの」
これらは、親としては当然の心配から出る言葉です。
しかし、本人がすでに動けなくなっている状態で同じ正論を繰り返しても、行動につながるとは限りません。
K君のお母さんにも、学校へ行かせることだけを目標に本人を追い立てる対応を見直してもらいました。
2.「放っておけば治る」と待つだけの対応をやめる
反対に、お父さんは楽観的でした。
「そのうち本人が動くだろう」
しかし、K君は相談時にはすでにStage 3以上でした。
休息が必要な時期と、生活や社会との接点が失われたまま状態が固定している時期は、同じではありません。
そこで、お父さんにも現在地を理解してもらい、家庭として支援に取り組む側へ入ってもらいました。
3.親だけで解決しようとすることをやめる
父母の対応がそろったとしても、それだけでK君が部屋から出るわけではありません。
家族だけで膠着した状態を動かすことが難しい場合があります。
そこで必要になったのが、第三者による本人への直接支援でした。
当機構がアウトリーチ(家庭訪問)を行い、K君本人との接点づくりを始めました。
ここから、K君本人への支援が本格的に始まります。
親だけでも、本人だけでもない|JADA Support Philosophy
JADAは、「親が変われば、子どもも変わる」という考え方だけで支援しているわけではありません。
親だけが変われば、すべて解決するとは考えません。
反対に、本人だけを支援すれば解決するとも考えません。
JADA Support Philosophyの核心は、
Parent Coaching × Direct Support for the Young Person
親へのコーチング × 子ども・若者本人への実動支援
です。
K君のケースでは、この両方を行いました。
父母には、家庭の対応を整えるParent Coaching。
K君本人には、アウトリーチから始まるDirect Support。
家庭と本人の両方へ働きかけたことが、その後の生活改善と社会参加につながっていきました。
JADA Support Philosophy|親へのコーチング × 子ども・若者本人への実動支援を詳しく見る
K君のお母さんが語る|親は何を変えたのか
K君のお母さん自身が、当時の家庭の状況と、支援を受ける中で何を考え、何を変えていったのかを動画で語っています。
文章だけでは伝わりにくい、保護者側の迷い、決断、そして本人の変化を実際の言葉で確認してください。
親へのコーチングだけでは終わらない|K君本人へのアウトリーチ
お父さんとお母さんの対応を整えることは、K君の支援にとって重要な第一歩でした。
しかし、それだけでK君が自分から部屋を出て、学校や社会へ戻っていったわけではありません。
K君は相談時、すでにStage 3以上の引きこもり状態でした。
そこで当機構は、アウトリーチ(家庭訪問)を行い、K君本人への直接的な働きかけを始めました。
本人が相談に来ないのであれば、支援する側から本人との接点をつくる。
これが、JADAのDirect Support for the Young Person(子ども・若者本人への実動支援)の重要な部分です。
家庭訪問の目的は、いきなり「学校へ行こう」「働こう」と本人を説得することではありません。
まず第三者が本人とつながる。
会話をする。
本人の興味や関心を知る。
家族以外の人との関係をつくる。
そして、部屋の外、家の外へ出るきっかけをつくっていきます。
部屋の外へ、家の外へ|小さな社会接点をつくる
長く引きこもっている本人にとって、「学校へ戻る」「アルバイトをする」といった目標は、最初からは大きすぎる場合があります。
だから、K君の支援でも一足飛びには進めませんでした。
まずは家族以外の第三者と関わる。
部屋から出る。
家の外へ出る。
一緒に行動する。
決めた時間に人と会う。
こうした小さな社会接点を積み重ねていきました。
引きこもり支援では、「本人にやる気が出るのを待つ」だけではなく、本人が次の一歩を踏み出しやすい環境と機会を具体的につくることが重要です。
規則正しい生活を取り戻す|生活改善は社会参加の土台
外へ出るきっかけができても、昼夜逆転した生活のままでは、学校や仕事を継続することは難しくなります。
そこでK君には、社会参加の前提となる生活改善にも取り組んでもらいました。
朝起きる。
食事をする。
身だしなみを整える。
日中に活動する。
夜に眠る。
決められた時間に行動する。
私は40年以上の支援現場で繰り返し伝えてきました。
規則正しい生活は一丁目一番地です。
学校へ戻ることも、アルバイトをすることも、就職することも、その土台には生活があります。
K君の支援でも、まず生活を実際に動かすことを重視しました。
家庭だけで難しいなら、環境を変える|学生寮での生活
家庭の中だけで長く続いてきた生活リズムや親子関係を変えることが難しい場合、環境そのものを変えることが有効なケースがあります。
K君も、学生寮での生活を経験しました。
学生寮では、自分の部屋だけで一日を完結させることはできません。
決められた時間に起きる。
人と顔を合わせる。
食事をする。
自分の身の回りのことをする。
外へ出る。
家族以外の人と一緒に生活する。
こうした日常そのものが、引きこもり状態から社会との接点を取り戻すための実践になります。
重要なのは、単に「家から離す」ことではありません。
生活を整え、人と関わり、自分で行動する機会を日常の中につくることです。
通信制高校サポート校で、人との接点を取り戻す
K君は、通信制高校サポート校でも人との接点をつくっていきました。
通信制高校へ在籍すること自体を、JADAは「解決」とは考えていません。
大切なのは、学校名や高校卒業資格だけではなく、本人の生活と社会との接点が実際に動いているかです。
家から出る。
決めた時間に通う。
スタッフや先生と話す。
同年代の人と同じ場所で過ごす。
学習する。
こうした経験を重ねることで、家庭の中だけに閉じていた生活から、少しずつ社会へ活動範囲を広げていきました。
次の目標は「働いてみる」|アルバイトへの挑戦
生活が整い、人との接点が増えてくると、次の社会参加としてアルバイトへの挑戦が始まりました。
しかし、ここでも本人に、
「求人を探して、自分で応募して、自分で面接へ行きなさい」
と任せきりにしたわけではありません。
アルバイト先を考える。
応募する。
面接に備える。
面接練習をする。
実際の面接へ行く。
結果を受け止める。
不採用なら、次の応募へ進む。
こうした一つひとつの行動を具体的に支援しました。
「働きなさい」と言うだけではなく、働くために必要な行動を一緒に具体化し、実際の挑戦まで伴走する。
これも、Direct Support for the Young Personです。
13回の不採用を越えて|14回目の面接で松屋に合格
アルバイトへの挑戦を始めたからといって、すぐに採用されたわけではありません。
不採用も経験しました。
一度落ちる。
また応募する。
面接練習をする。
また面接へ行く。
それでも結果が出ない。
しかし、そこで「やっぱり自分には無理だ」と引きこもり生活へ戻るのではなく、次の挑戦へ進みました。
そして、
13回の不採用を経験しました。
それでも挑戦を続け、14回目の面接で松屋に合格しました。
この「13回の不採用を経験しても、14回目へ挑戦した」という事実は、K君の事例を考えるうえで非常に重要です。
K君は、突然自信を取り戻し、一度の面接で人生が変わったわけではありません。
生活を整え、人と関わり、挑戦し、不採用も経験し、それでも次の行動へ進む。
その積み重ねの先に、採用がありました。
「採用」がゴールではない|松屋で週5日勤務へ
さらに重要なのは、松屋に採用されたことだけではありません。
K君は、その後、週5日勤務するまでになりました。
決められた時間に起きる。
身支度をする。
家を出る。
職場へ行く。
上司や同僚と関わる。
任された仕事をする。
給料を得る。
そして、それを週5日継続する。
これは、引きこもっていた時期の生活とは大きく異なります。
K君は週5日勤務を継続しているため、JADAでは引きこもり状態は解決したと捉えています。
ただし、JADAの最終目標は引きこもりの解決だけではありません。
その先のSocial Autonomy(社会的自律)へ向けた歩みは続きます。
もちろん、人生はここで終わりではありません。
しかし、「アルバイトに受かっただけ」と評価するのも違います。
生活と社会との接点が継続的に回復し、社会の中で自分の役割を持ち、週5日働けるようになった。
K君にとって、これは非常に大きな変化です。
K君本人が語る|なぜ部屋から出て、週5日働けるようになったのか
K君本人も、引きこもっていた当時から、松屋で週5日働くようになるまでの経験を動画で語っています。
支援する側や保護者から見た変化だけではなく、本人が当時をどう感じ、何がきっかけになったのか。
K君自身の言葉で確認してください。
K君の変化は「奇跡」ではなく、支援のプロセスの積み重ね
K君の結果だけを見ると、
「引きこもっていた高校生が、松屋で週5日働けるようになった」
という大きな変化に見えます。
しかし、その間には具体的なプロセスがありました。
父母へのParent Coaching。
お父さんを支援へ巻き込む。
お母さんの対応を見直す。
アウトリーチ(家庭訪問)。
本人との関係づくり。
外出。
生活改善。
学生寮。
通信制高校サポート校での人との接点づくり。
アルバイトへの応募。
面接練習。
不採用。
再挑戦。
13回の不採用。
それでも再挑戦。
そして14回目で採用。
その後の週5日勤務。
一つの出来事で突然変わったのではありません。
家庭と本人の両方へ働きかけ、必要な行動を一つずつ積み重ねた結果です。
だからこそK君の事例は、単なる成功談ではなく、JADAの支援哲学と実践プロセスを示すEvidenceの一つだと考えています。
K君の支援を7 Steps to Autonomyで振り返る
K君の変化を振り返ると、JADAが現在体系化している7 Steps to Autonomyと重なる部分が多くあります。
もちろん、当時からこの名称で支援していたわけではありません。
40年以上の実践の中で積み重ねてきた支援を整理し、現在の形に体系化したものが7 Steps to Autonomyです。
K君がどのようなプロセスをたどったのか、現在のフレームに沿って整理してみます。
STEP 1 親コーチング&ステージ判定
相談時のK君は、すでに5-Stage AssessmentでStage 3以上と捉える状態でした。
そこで、お母さんだけではなく、お父さんにも支援へ参加してもらいました。
お母さんには、
「学校へ行きなさい」
「早く起きなさい」
と繰り返し本人を追い立てる対応を見直してもらう。
一方、お父さんには、
「放っておけば、そのうち治るでしょう」
という楽観的な見方だけでは、Stage 3以上まで進んだ状態への対応として十分ではないことを伝える。
父母が正反対の方向を向くのではなく、本人の現在地について共通認識を持ち、家庭として同じ方向から支援できるようにする。
ここからK君の支援は始まりました。
STEP 2 アウトリーチ(家庭訪問)
家庭の対応を整えたからといって、K君が自分から相談機関へ来たわけではありません。
そこで当機構がアウトリーチ(家庭訪問)を行いました。
本人が相談に来ないのであれば、支援する側から本人との接点をつくる。
最初から学校復帰や就労を迫るのではなく、まず第三者がK君本人とつながる。
ここからDirect Support for the Young Personが始まりました。
STEP 3 生活改善・環境調整|学生寮へ
次に取り組んだのが、生活改善です。
昼夜逆転したままでは、学校もアルバイトも継続できません。
K君は学生寮での生活も経験しました。
朝起きる。
食事をする。
身だしなみを整える。
日中に活動する。
家族以外の人と生活する。
決められた時間に行動する。
こうした日常生活そのものを立て直していきました。
規則正しい生活は一丁目一番地です。
STEP 4 学び直し支援|通信制高校サポート校へ
生活を整えながら、K君は通信制高校サポート校でも活動するようになりました。
JADAでは、通信制高校へ在籍することや高校卒業資格を取ることだけを「解決」とは考えません。
重要なのは、本人が実際に家の外へ出て、人と関わり、学び、社会との接点を持てているかです。
K君にとって通信制高校サポート校は、学びの場であると同時に、家庭外の人と接する場所にもなりました。
STEP 5 社会接点づくり|家族以外の人と関わる
アウトリーチ、学生寮、通信制高校サポート校などを通じて、K君の社会との接点は少しずつ増えていきました。
家族以外の人と話す。
決めた時間に人と会う。
一緒に行動する。
家庭以外の場所で過ごす。
こうした経験は、一見すると小さな変化に見えるかもしれません。
しかし、長く引きこもっていた本人にとっては、社会参加へ進むための重要なステップです。
STEP 6 進路・社会参加支援|アルバイト応募と面接練習
社会との接点が増え、生活が整ってきたところで、K君はアルバイトへ挑戦しました。
ここでも、本人任せにはしませんでした。
アルバイト先を探す。
応募する。
面接に向けて練習する。
実際に面接へ行く。
不採用になったら、振り返る。
そして、次の応募へ進む。
こうした具体的な行動に伴走しました。
それでも、なかなか採用には至りませんでした。
しかし、挑戦をやめませんでした。
13回の不採用を経験しました。
それでも挑戦を続け、14回目の面接で松屋に採用されました。
STEP 7 Social Autonomyへ|松屋で週5日勤務
K君は松屋に採用された後、週5日働くようになりました。
これは非常に重要な変化です。
家に引きこもっていた本人が、
朝起きる。
身支度をする。
家を出る。
職場へ行く。
人と関わる。
仕事をする。
給料を得る。
そして、それを週5日継続する。
K君は週5日勤務を継続しているため、JADAでは引きこもり状態は解決したと捉えています。
ただし、7 Steps to Autonomyの最終目標は「アルバイトに採用されること」だけではありません。
働くことを含め、自分で生活を組み立て、自分の人生を自分で歩いていく。
K君は、Social Autonomy(社会的自律)へ大きな一歩を踏み出しました。
K君のBefore → Action → After
K君の事例を整理すると、変化の構造がより分かりやすくなります。
Before|相談時
- 不登校から引きこもり状態へ進んでいた
- 生活リズムが崩れていた
- 家庭外との接点が減っていた
- お母さんは「学校へ行け」「早く起きろ」と繰り返していた
- お父さんは「放っておけば治る」と考えていた
- 父母の対応方針がそろっていなかった
- 5-Stage AssessmentではStage 3以上と捉える状態だった
Action|実際に行った支援
- 父母へのParent Coaching
- 父親を支援に巻き込む
- 家庭の対応方針を整える
- アウトリーチ(家庭訪問)
- K君本人との関係づくり
- 外出支援
- 生活改善
- 学生寮での生活
- 通信制高校サポート校での学びと社会接点づくり
- アルバイト応募
- 面接練習
- 不採用後の再挑戦
After|その後
- 13回の不採用を経験
- 14回目の面接で松屋に採用
- 週5日勤務へ
- 継続して家の外へ出る生活へ
- 職場で人と関わる
- 仕事を任される
- 自分で働いて収入を得る
- 引きこもり状態は解決
- Social Autonomyへの歩みへ
K君本人とお母さん、両方の言葉がEvidenceになる
K君の事例には、もう一つ大きな特徴があります。
支援者側が「こう変わりました」と説明するだけではありません。
K君本人の動画があります。
そして、お母さん自身が当時の家庭の状況や支援後の変化を語った動画もあります。
つまり、
Parent Coachingは、お母さん側の言葉から確認できる。
Direct Support for the Young Personによる変化は、K君本人の言葉から確認できる。
この二つを一緒に見ることで、JADAの支援哲学である、
Parent Coaching × Direct Support for the Young Person
が、単なる理念ではなく、実際の支援の中でどのように行われたのかが分かります。
成功事例は「松屋に受かった話」で終わらせない
K君の事例で最も目を引くのは、
「13回の不採用を経験しても挑戦を続け、14回目の面接で松屋に合格し、週5日働くようになった」
という結果かもしれません。
しかし、JADA Success Hubで重視するのは、結果だけではありません。
見るべきなのは、
- 支援前はどのような状態だったのか
- 父親と母親はどのような対応をしていたのか
- 親へのコーチングで何が変わったのか
- 第三者が本人へどのように働きかけたのか
- 生活をどう立て直したのか
- どこで社会との接点をつくったのか
- 不採用になったとき、どう次の挑戦へつないだのか
- 本人がどう継続して働けるようになったのか
というプロセスです。
成功事例を単なる「美談」にするのではなく、次の家庭への支援に生かせるEvidenceとして蓄積する。
それがJADA Success Hubの役割です。
JADA Success Hub|不登校・引きこもりから再出発した22の成功事例を見る
引きこもりの「解決」とSocial Autonomyはどう違うのか
K君は週5日勤務を継続しているため、JADAでは引きこもり状態は解決したと捉えています。
家に閉じこもり、社会との接点を失っていた本人が、週5日継続して職場へ通い、人と関わり、仕事をして収入を得るようになりました。
これは、JADAが考える引きこもりの解決です。
ただし、引きこもりの解決と、JADAが最終目標とするSocial Autonomy(社会的自律)は同じ意味ではありません。
しかし、JADAが最終的に目指しているのは、さらにその先です。
学校へ戻ることだけではありません。
高校を卒業することだけでもありません。
アルバイトに採用されることだけでもありません。
就職することだけでもありません。
本人が生活を整える。
人とつながる。
学ぶ。
働く。
自分で選択する。
自分の人生を自分で歩いていく。
そして、
教育
↓
勤労
↓
納税
↓
社会貢献
へ進んでいく。
これがJADAの目指すSocial Autonomy(社会的自律)です。
K君の週5日勤務は、引きこもりの解決であると同時に、その先のSocial Autonomy(社会的自律)へ向かう大きな一歩でもあります。
「ガミガミ言う」か「放っておく」か、その二択ではありません
K君の事例から、保護者の方に最も伝えたいことがあります。
不登校・引きこもりへの対応は、
「学校へ行け」と言い続ける。
それとも、
「本人が動くまで何もしない」。
この二択ではありません。
K君のお母さんは、何とか本人を動かそうとしていました。
お父さんは、放っておけば本人が自然に動くだろうと考えていました。
しかし、相談時にはすでにStage 3以上でした。
必要だったのは、父母のどちらか一方の考えを押し通すことではありません。
まず本人と家庭の現在地を知る。
父母の方針を整える。
そして、必要なStageであれば、第三者が本人へ直接働きかける。
生活を整える。
社会との接点をつくる。
学び直す。
働く機会をつくる。
必要であれば、応募や面接まで伴走する。
親へのコーチングと、本人への実動支援。
どちらか一方ではなく、この両輪で考えることが重要です。
JADA Support Philosophy|Parent Coaching × Direct Support for the Young Personを詳しく見る
よくある質問|引きこもりから社会参加へ
1.引きこもりの子どもに「学校へ行きなさい」「早く起きなさい」と言ってはいけませんか?
何度言っても本人が動かず、親子関係が悪化している場合は、同じ働きかけを繰り返すのではなく、まず本人の現在地を確認する必要があります。
K君のお母さんも、不登校になってから「学校に行きなさい」「早く起きなさい」などと繰り返し伝えていました。
しかし、K君は次第に家族や社会との接点を失い、引きこもり状態へ進んでいきました。
大切なのは、学校へ行かせることだけを目的にするのではなく、生活全体と社会との接点から、本人が今どのStageにいるのかを確認することです。
2.父親が「放っておけば、そのうち治る」と考えていても大丈夫でしょうか?
本人の状態によって対応は異なります。
JADAでは、5-Stage AssessmentでStage 3以上と捉える引きこもり状態まで進んでいる場合、本人が自然に動き出すことだけを待つ対応は推奨していません。
K君のお父さんも当初は、
「放っておけば、そのうち治るでしょう」
と考えていました。
そこで、Stage 3以上まで進んでいる現在地を説明し、お母さん一人に対応を任せず、お父さんにも支援へ参加してもらうようコーチングしました。
3.父親と母親で子どもへの対応が違う場合、どうすればよいですか?
まず、父母それぞれの考え方を確認し、家庭としての対応方針をできる限りそろえることが重要です。
K君の家庭では、お母さんが「学校へ行きなさい」と強く働きかける一方、お父さんは「放っておけばよい」と考えていました。
JADAでは、どちらか一方だけを責めるのではなく、本人の現在地を父母で共有し、家庭として何をするのかを整理していきます。
4.親の対応を変えれば、引きこもりは解決しますか?
JADAは「親だけが変われば解決する」とは考えていません。
JADA Support Philosophyの核心は、
Parent Coaching × Direct Support for the Young Person
親へのコーチング × 子ども・若者本人への実動支援
です。
K君の場合も、父母へのParent Coachingだけではなく、当機構がアウトリーチ(家庭訪問)を行い、K君本人へ直接働きかけました。
家庭の対応を整えることと、本人の生活を実際に動かすこと。この両輪で支援しました。
5.本人が相談を拒否していても、支援を始められますか?
はい。
まず保護者から支援を始めることができます。
引きこもりが進んでいる本人ほど、自分から相談機関へ出向かないケースがあります。
必要なStageでは、JADAはアウトリーチ(家庭訪問)によって、支援する側から本人との接点をつくります。
K君も、自分から相談機関へ来て支援が始まったのではありません。
アウトリーチによって第三者との関係づくりを始め、そこから次の行動へつなげていきました。
6.家庭訪問では、本人を無理に学校へ連れて行くのですか?
学校へ連れて行くことだけが目的ではありません。
まず、本人と第三者がつながることから始めます。
会話をする。
本人の興味を知る。
部屋の外へ出るきっかけをつくる。
外出する。
家族以外の人と関わる。
生活を整える。
こうした社会との接点を一つずつつくり、次の行動へつなげていきます。
7.引きこもりから、いきなりアルバイトをさせるのですか?
いいえ。
本人の状態に合わせて、段階的に社会との接点をつくっていきます。
K君も、引きこもり状態から突然アルバイトを始めたわけではありません。
実際には、
アウトリーチ(家庭訪問)
↓
外出
↓
生活改善
↓
学生寮での生活
↓
通信制高校サポート校での人との接点づくり
↓
アルバイトへの応募
↓
面接練習
↓
実際の面接への挑戦
というプロセスを重ねました。
「働きなさい」と言うだけではなく、働くために必要な行動を具体化し、実際の応募・面接まで伴走しました。
8.アルバイトに何度も落ちたら、本人の自信を失わせませんか?
不採用を経験しないようにすることだけが支援ではありません。
重要なのは、不採用になった後、そこで本人の行動が止まらないように次の挑戦へつなげることです。
K君は、一度の応募で採用されたわけではありません。
応募する。
面接練習をする。
面接を受ける。
不採用になる。
それでも、また次へ挑戦する。
13回の不採用を経験しました。
それでも挑戦を続け、14回目の面接で松屋に採用されました。
失敗をすべて避けるのではなく、失敗しても次の一歩へ進めるよう伴走することも、本人への実動支援です。
9.5ステージ判定は、本人が参加しなくてもできますか?
はい。
JADAの5-Stage Assessmentは、まず保護者がお子さんの日常生活から現在地を整理することを目的として設計されています。
例えば、
- 起床・睡眠
- 食事
- 入浴・身だしなみ
- 家族との会話
- 外出
- 家庭外の居場所
- 家族以外との接点
- ゲーム・スマートフォン
- 学び
- 暴言・家庭内暴力
など、日常生活で確認できる状態から、本人と家庭の現在地を整理します。
K君の相談時はすでにStage 3以上と捉える状態だったため、見守るだけではなく、Parent Coachingと本人へのDirect Supportを組み合わせる必要があると判断しました。
JADAの5-Stage Assessment(5ステージ判定)を詳しく見る
10.松屋で週5日働けるようになれば「引きこもり解決」ですか?
K君は週5日勤務を継続しているため、JADAでは引きこもり状態は解決したと捉えています。
引きこもっていたK君が、規則正しい生活を取り戻し、家の外へ出て、人と関わり、決められた時間に職場へ行き、週5日働く。
これは単なる「アルバイトに受かった」という話ではありません。
生活と社会との接点が継続的に回復し、自分の役割を持って社会参加できるようになったという大きな変化です。
ただし、JADAの支援目標は、そこで終わりではありません。
K君にとって週5日勤務は「引きこもりの解決」であると同時に、その先のSocial Autonomy(社会的自律)へ進む重要な一歩です。
まずは保護者が、お子さんの現在地を確認してください
「学校へ行けと言い続けている」
「何を言っても動かない」
「父親と母親で対応が違う」
「放っておけば、そのうち動くのではないかと思っている」
「本人が相談を拒否している」
こうした状態であれば、まず確認していただきたいのは、
今、お子さんはどのStageにいるのか。
です。
JADAでは、40年以上・1万人を超える相談・支援の蓄積をもとに体系化した5-Stage Assessmentを、保護者向けに無料で提供しています。
本人が参加する必要はありません。
保護者が日常生活の状態を確認しながら、現在地と次に取るべき行動を整理します。
14回目で合格したことより、13回の不採用を越えて挑戦を続けたこと
K君の事例で、私が最も伝えたいのは「松屋に合格した」という結果だけではありません。
一度で合格したわけではありません。
不採用になった。
それでも、また応募した。
面接練習をした。
また面接へ行った。
13回の不採用を経験しました。
それでも、14回目の面接へ挑戦し、採用されました。
しかし、その13回の挑戦ができるようになるまでにも、
父母へのコーチング。
アウトリーチ。
外出。
生活改善。
学生寮。
通信制高校サポート校での人との接点づくり。
という積み重ねがありました。
14回目で合格したことも大切です。
しかし、それ以上に大切なのは、引きこもっていたK君が、13回の不採用を経験しても、14回目へ挑戦できる状態になったことです。
そして現在、K君は週5日働くまでになりました。
K君は週5日勤務を継続しているため、JADAでは引きこもり状態は解決したと捉えています。
そして、その先のSocial Autonomy(社会的自律)へ向けた歩みは続きます。
現在の姿だけを見て、本人の将来を決めつけないでください。
しかし同時に、「いつか本人が自分から変わるだろう」と必要な支援を先送りする必要もありません。
まず現在地を知る。
家庭の対応を整える。
必要であれば、第三者が本人へ直接働きかける。
そして、本人が次の一歩を踏み出せるよう、具体的な行動に伴走する。
親が諦めない限り、JADAも諦めません。
一般社団法人未来自律支援機構(JADA)
Japan Autonomous Development Association
代表理事 杉浦孝宣
JADA Global|Japan’s Support Model for Social Autonomy
JADA(Japan Autonomous Development Association)は、日本で40年以上にわたり培ってきた不登校・高校中退・引きこもり支援の実践知を、海外へも発信しています。
英語公式サイトでは、Autonomy Stage OS、5-Stage Assessment、JADA Support Philosophy、7 Steps to Autonomy、JADA Success Hub / Evidence、Social Autonomyについて英語で紹介しています。
JADA Global|English Official Website
JADA Global|English YouTube Channel
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まだ変えられます。
40年以上・1万人超・9割以上の支援実績
NHK・PIVOTでも紹介された支援モデル
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