親が変われば子どもも変わる|なぜ私は最初に親をコーチングするのか

一般社団法人未来自律支援機構(JADA)代表理事 杉浦孝宣

私は40年以上、不登校や引きこもりの子どもたちを支援してきました。

これまで1万人以上の相談を受けてきましたが、実は最初に面談する相手は子どもではありません。

親御さんです。

この話をすると、よくこう聞かれます。

「不登校なのは子どもなのに、なぜ親をコーチングするのですか?」

その答えはシンプルです。

親が変われば、子どもも変わるからです。

もちろん、親が悪いと言っているわけではありません。

むしろ逆です。

不登校や引きこもりになると、最も苦しみ、最も悩み、最も孤独になるのは親御さんです。

だから私は、まず親御さんを支援します。

そして親御さんが変わることで、子どもが変わるきっかけをつくるのです。

お子さんのことで一人で悩んでいませんか?

親が変わるとは、親が自分を責めることではありません。正しい知識を学び、対応を整え、必要な支援につながることです。

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目次

「どうしたら子どもは変わりますか?」

相談に来られる親御さんは皆さん真剣です。

学校へ行ってほしい。

昼夜逆転を治したい。

ゲームばかりの生活を何とかしたい。

暴言をやめてほしい。

部屋から出てきてほしい。

将来困らないようにしてあげたい。

だから最後には必ずこう聞かれます。

「どうしたら子どもは変わりますか?」

しかし私は、すぐに答えを言いません。

代わりにこう聞きます。

「お母さんは最近眠れていますか?」

「お父さんはこの問題についてどう考えていますか?」

「ご夫婦で話し合えていますか?」

「最後にお子さんと穏やかに会話したのはいつですか?」

なぜなら、不登校や引きこもりは、子ども一人の問題ではないからです。

家族全体の問題だからです。

そして多くの場合、親御さん自身が限界を迎えています。

親が疲れ切ってしまうと、子どもを支えることはできません。

だから私は最初に親御さんをコーチングします。

K君のお母さんが最初に変わった

「息子が笑わなくなったんです」

K君のお母さんはそう言って相談に来られました。

暴言。

ドア封鎖。

会話拒否。

物を壊す。

目を合わせない。

高校生になった息子が、まるで別人になってしまったように感じたそうです。

しかし支援が始まって最初に変わったのは、K君ではありませんでした。

お母さんでした。

結果を急がなくなった。

正論をぶつけなくなった。

責めることをやめた。

一人で抱え込むことをやめた。

第三者を頼るようになった。

すると少しずつ家庭の空気が変わり始めました。

そして、その変化を最も敏感に感じ取ったのがK君でした。

やがて通信制高校へ進学し、学生寮、留学、アルバイトへと挑戦していきました。

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母親インタビュー動画

K君のお母様が、当時の苦しみ、暴言やドア封鎖への不安、親としての葛藤、そして支援によって解決へ向かった歩みを語っています。

カイト君のご両親も変わった

カイト君は中学1年で不登校になりました。

親と話さない。

お風呂に入らない。

昼夜逆転。

部屋に閉じこもる。

家族が部屋に入ろうとするとエアガンを向ける。

まさにステージ3以上の状態でした。

ご両親は当初、

「どうしたら学校へ戻せるか」

ばかりを考えていました。

しかし支援を続ける中で、

「学校へ戻すこと」よりも「生活を立て直すこと」

を優先するようになりました。

すると状況は大きく変わり始めます。

家庭訪問支援。

ピアサポート。

通信制高校。

生活改善。

その積み重ねによって、カイト君は自衛隊員として社会で活躍するまでになりました。

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ステージ3以上になると親だけでは解決が難しい

ここで誤解していただきたくないことがあります。

私は、

「親が変われば子どもも変わる」

と言います。

しかし、

「親だけで解決できる」

とは考えていません。

不登校初期のステージ1〜2であれば、親の関わり方を整えることで改善するケースもあります。

しかし、

  • 親と話さない
  • 昼夜逆転している
  • ゲームやスマホに依存している
  • お風呂に入らない
  • 部屋から出てこない
  • 学校以外の社会との接点がない

こうした状態になると、JADA Stage OSではステージ3以上と判断します。

ステージ3以上になると、親だけでは難しくなります。

なぜなら、親子関係が固定化しているからです。

親が何を言っても反発する。

親が近づくだけで部屋を閉める。

親の言葉が届かない。

そんな状態では、親だけの努力には限界があります。

だからJADAでは、

  • 親コーチング
  • 家庭訪問によるアウトリーチ支援
  • 学生インターンによるピアサポート

を組み合わせます。

親の対応を整えながら、本人には第三者が関わる。

この両輪が、ステージ3以上では有効になります。

ステージ3以上かもしれないと感じたら

親の努力だけで抱え込まず、親コーチングと本人へのアウトリーチ支援・ピアサポートを組み合わせることが大切です。

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子どもは人との出会いで変わる

カイト君の場合もそうでした。

ご両親との面談を続けながら、500回以上のアウトリーチ支援経験を持つJPCの大倉が家庭訪問を行いました。

最初は会話もできませんでした。

それでも何度も訪問を続けました。

さらに、年齢の近い学生インターンであるアツヤ君(通称ウッチー)がピアサポートとして関わりました。

アツヤ君自身も不登校や引きこもりを経験し、その後社会復帰を果たした若者です。

親には話せないことも、年齢の近い先輩には話せる。

親には見せない表情も、同世代には見せる。

そんな場面を私は何度も見てきました。

そして少しずつ、カイト君は変わっていったのです。

▶ アツヤ君(ウッチー)の成功事例はこちら

親が変わるとは何を変えることなのか

私は親を変えようとしているわけではありません。

変えるのは、親の人格ではありません。

対応方法です。

叱る観察する
説得する聴く
急がせる待つ
抱え込む相談する
正論をぶつける安心を与える

この変化が起きると、家庭の空気は変わります。

家庭の空気が変わると、子どもも変わり始めます。

JADAが最初に親をコーチングする理由

JADA Stage OSでは、最初に親コーチングを行います。

なぜなら、親は毎日子どもと接しているからです。

支援員が週1回来ても、学生インターンが週1回来ても、家庭の空気が変わらなければ限界があります。

逆に言えば、家庭の空気が変わると、子どもは動き始めます。

そしてステージ3以上になった場合は、親コーチングだけでなく、

  • アウトリーチ支援
  • ピアサポート
  • 生活改善合宿
  • 学生寮
  • 通信制高校
  • アルバイト支援

などを組み合わせながら、社会的自律を目指していきます。

これがJADAの、

「親コーチング × 実動支援」

という両輪モデルです。

支援哲学はすべてつながっている

この支援哲学⑥は、これまでの支援哲学とつながっています。

支援哲学①|最初は何もないものです

なぜ私は未来を先に見るのか。

今は何も見えなくても、未来の可能性を先に見ることが支援の出発点です。

▶ 支援哲学①|最初は何もないものです

支援哲学②|本当の失敗は何もやらない事だ

なぜ私は「見守るだけ」を勧めないのか。

本当の失敗は、失敗することではありません。何もやらないまま時間だけが過ぎていくことです。

▶ 支援哲学②|本当の失敗は何もやらない事だ

支援哲学③|動き始めた後は待つ

なぜ私は「急がせない」のか。

動き出す前には支援が必要です。しかし、動き始めた後は急がせないことが大切です。

▶ 支援哲学③|動き始めた後は待つ

支援哲学④|親だけで抱え込まない

ステージ3以上では、親だけで抱え込まないことが重要です。

第三者の関わりが、家庭の固定化した関係を動かすことがあります。

▶ 支援哲学④|親だけで抱え込まない

支援哲学⑤|子どもは人との出会いで変わる

家庭訪問、ピアサポート、学生インターン。

子どもは人との出会いによって、再び社会とつながるきっかけを得ます。

▶ 支援哲学⑤|子どもは人との出会いで変わる

親も支援されていい

不登校や引きこもりになると、親は自分を責めます。

私の育て方が悪かったのか。

もっと早く気づけばよかったのか。

何が間違っていたのか。

しかし私はいつもこうお伝えしています。

親も支援されていいのです。

親が元気になる。

親が学ぶ。

親が相談する。

親が一人で抱え込まない。

その変化が、子どもの未来につながります。

他の成功事例もご覧ください

親が一歩踏み出し、支援につながったことで再出発した子どもたちは、K君やカイト君だけではありません。

詳しくは、成功事例17選をご覧ください。

▶ JADA成功事例17選はこちら

関連動画

まとめ|親が変わるとは、親が自分を責めることではない

親が変われば子どもも変わる。

しかし、それは親が自分を責めるという意味ではありません。

親が学ぶ。

親が相談する。

親が支援を受ける。

そして、ステージ3以上であれば、親コーチングに加えてアウトリーチ支援やピアサポートを活用する。

その積み重ねが、子どもの未来を変えていきます。

私は40年以上の支援現場で、その瞬間を何度も見てきました。

だから今日も、最初に親をコーチングするのです。

まずは現在のステージを確認してみませんか?

不登校や引きこもりは、早期対応ほど改善しやすい傾向があります。親だけで抱え込まず、今の状態を一緒に整理しましょう。

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一般社団法人未来自律支援機構(JADA)
代表理事 杉浦孝宣

40年以上にわたり不登校・高校中退・引きこもり支援に従事。1万人以上の相談実績をもとに、JADA Stage OSと7つの自律支援ステップを体系化し、全国のご家庭を支援している。

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杉浦 孝宣
杉浦孝宣(すぎうら・たかのぶ)は、一般社団法人未来自律支援機構(JADA)代表理事、認定NPO法人高卒支援会創業者。自身も小学3年生で不登校を経験し、その体験を原点に40年以上にわたり不登校・高校中退・引きこもり支援に携わってきた。 これまで1万人以上の相談に対応し、家庭訪問、生活改善合宿、学生寮、学び直し支援、就労支援などを通じて、多くの若者の社会的自律を支援している。 「子どもは必ず変われる」を信念に、学校復帰だけをゴールとせず、一人ひとりが自ら考え、行動し、社会に参加していく「社会的自律(Autonomy)」を目指した支援を実践している。 著書に『不登校・ひきこもりの9割は治せる』『高校中退 不登校でも引きこもりでもやり直せる』『もう悩まない!不登校・ひきこもりの9割は解決できる』など。近年は一般社団法人未来自律支援機構(JADA)を通じて、JADA Stage OSと7つの自律支援ステップを体系化し、国内外へ発信している。 台湾版著書も出版され、教育・福祉・行政・企業・国際社会との連携を通じて、若者の社会的自律支援モデルの普及に取り組んでいる。
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2026年度高卒支援会卒業式の集合写真。JADAロゴ入り。

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